大花朮(オオバナオケラ) 秋の花 2011年10月23日 大花朮(オオバナオケラ)はキク科オケラ属の多年草である。原産地は中国である。日本には自生していない。草丈は30~80くらいである。葉は互い違いに生える。茎上部の葉は円形ないし卵状の披針形である。下部の葉は3つないし5つに羽状に裂ける。開花時期は9~10月である。日本に自生するおけら(オケラ)に比べて花(頭花)が大きく、花の色は淡い紅色である。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。漢薬の白朮(びやくじゅつ)の原料となるが、市場では唐白朮(からびゃくじゅつ)と称して区別されている。属名の Atractylodes はギリシャ語の「atrakton(紡錘)」からきている。硬い総包の形から名づけられた。種小名の ovata は「卵円形の」という意味である。写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Atractylodes ovata★不思議なる姿かたちで咲き出る 大花おけら邪気を払いて花図鑑植物図鑑PR
二重桔梗(フタエギキョウ) 秋の花 2011年10月22日 桔梗(キキョウ)はキキョウ科キキョウ属の多年草である。北海道から九州にかけて分布し、山野の草原に生える。海外では、朝鮮半島や中国の東北部、東シベリアにも分布している。本種はその園芸品種である。特徴は花びらが二重になっていることである。草丈は40~100センチくらいである。葉は長さが4~7センチくらいの細長い卵形である。縁にはぎざぎざ(鋸歯)があり、互い違いに生える(互生)。開花時期は7~10月である。花の色は濃い青紫だが、白いものもあるようである。属名の Platycodon はギリシャ語の「platys(広い)+codon(鐘)」からきている。花の形から名づけられた。種小名の grandiflorum は「大きな花の」という意味である。品種名の Double は「二重の」という意味である。写真は10月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Platycodon grandiflorum 'Double'★如何にして二重の花と生まれしか 花の世界は奥の深くて花図鑑植物図鑑
デュランタ・レペンス 秋の花 2011年10月21日 デュランタ・レペンスはクマツヅラ科ハリマツリ属の常緑低木ないし小高木である。原産地は北アメリカの南部や南アメリカである。日本へは明治時代の中期に渡来した。和名は台湾連翹(タイワンレンギョウ)という。別名を針茉莉 (ハリマツリ)という。樹高は2~5メートルくらいである。根元からよく枝分かれをする。枝は下垂しやすい。葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。葉の先は尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は5~10月である。花径15ミリくらいの紫色の花をつける。花冠は漏斗形で、先は5つに裂けて横に開く。雄しべは4本で、そのうちの2本が長い。花の後にできる実は球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、熟すと黄色くなる。濃い紫色の花をつける「宝塚」が最近の人気品種である。白花種の「アルバ」もある。属名の Duranta はローマ法王の侍医で植物学者の「デュランテス(C. Durantes)さん」の名からきている。種小名の repens は「匍匐する」という意味である。写真は10月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Duranta repens★パープルの色も鮮やかデュランタは 夏の日差しに臆せず咲いて花図鑑植物図鑑
藤豆(フジマメ) 秋の花 2011年10月20日 藤豆(フジマメ)はマメ科フジマメ属の蔓性一年草である。インド、東南アジアあるいはアフリカとされている。インドでは3000年前から栽培されていたという。日本へは1654年に中国の高僧、隠元によってもたらされたとされている。このため関西では藤豆(フジマメ)を隠元豆(インゲンマメ)と呼ぶことが多い。草丈は50~600センチくらいである。葉は3出複葉(1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形)で、互い違いに生える(互生)。小葉の形は幅の広い卵形で、縁にはぎざぎざ(鋸歯)はない。開花時期は7~10月である。葉の脇に淡い紅紫色または白の蝶形花をつける。花の後にできる実は豆果(莢の中に種子が入るもの)である。莢(さや)は扁平で、長さが4~10センチくらいになる。未熟果の莢(さや)を食用とするほか、種子を乾燥したものを生薬で白扁豆(はくへんず)といい、解毒剤や疲労回復薬として利用される。属名の Lablab はアラビア語でヒルガオを意味する言葉が転用された。種小名の purpureus は「紫色の」という意味である。写真は10月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Lablab purpureus★紫に染まる藤豆ぶらぶらと 蝶を思わす花と戯れ花図鑑植物図鑑
雄菜揉み(オナモミ) 秋の花 2011年10月19日 雄菜揉み(オナモミ)はキク科オナモミ属の一年草である。日本各地に分布し、道端や空き地などに生える。世界中に広く分布している。日本へは古い時代に大陸から渡来した「史前帰化植物」と考えられている。環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に新たに登録されている。草丈は50~100センチくらいである。葉は心臓形で、互い違いに生える(互生)。葉は3つに浅く裂け、縁に不揃いの粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。雌雄同株である。開花時期は8~10月くらいである。茎先や葉の脇から円錐状の花序を出し、白っぽい黄緑色の花(頭花)をつける。雄花は茎の上方につき、雌花は下方につく。花の後にできる実は総苞に包まれた果苞で、周りに棘がある。衣服や動物の毛に付着して散布される。果実は生薬名を蒼耳子(そうじし)と言い、発汗、解熱、解毒などの薬効がある。属名の Xanthium はギリシャ語の「xantho(黄色い)」からきている。種小名の strumarium は「腫物で覆われた」という意味である。写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Xanthium strumarium ★ぺったりとひっつく様が面白く 遊び興じた日々思い出し☆ふと見ればちゃっかりついて運ばされ ここでいいよと言わんばかりに花図鑑植物図鑑