サンヘンプ 秋の花 2011年10月02日 サンヘンプ(Sunhemp)はマメ科タヌキマメ属の一年草である。原産地はインドなどの熱帯地方である。日本へは線虫対策などのために導入されている。また、ロープの材料となったりする繊維植物でもある。流通名をこぶとり草(コブトリソウ)ともいう。逸出したものが一部で野生化している。草丈は60~200センチくらいである。葉は披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。開花時期は7~10月である。直立した茎から枝がたくさん出て、蝶形をした黄色い小花を総状につける。花の後にできる実は円筒形の豆果(莢の中に種子が入るもの)である。属名の Crotalaria はギリシャ語の「crotalon(玩具のガラガラ)」からきている。莢の中で種子がガラガラ鳴ることから名づけられた。種小名の juncea は「イグサ属(Juncus)に似た」という意味である。写真は9月に木場公園の外来植物園で撮った。学名:Crotalaria juncea★見上げ見る背高のっぽのサンヘンブ 黄色い花はマメ科の印花図鑑植物図鑑PR
繁縷酸漿(ハコベホオズキ) 秋の花 2011年10月01日 繁縷酸漿(ハコベホオズキ)はナス科ハコベホオズキ属の蔓性一年草である。原産地は南アメリカである。日本へは明治時代の中期に小石川植物園へ輸入された。現在では逸出したものが野生化し、本州の関東地方から九州にかけて分布する。和名の由来は、葉が繁縷(ハコベ)に似ることからきている。草丈は60~100センチくらいである。蔓は長さが数メートルになる。全草に悪臭がある。茎や葉には圧毛(茎や葉に密着して寝た毛)が密生し、白っぽい。葉は卵円形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は丸く、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。開花時期は5~10月である。葉の脇に花径5~6ミリの小さな鐘形の白い花を1つずつつける。花冠の先は5つに裂ける。雄しべは5本、雌しべは1本である。花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、白や黄色に熟する。属名の Salpichroa はギリシャ語の「salpinx(筒状)+khroia(肌の色)」からきている。種小名の rhomboidea は「長い菱形の」という意味である。写真は9月に木場公園の外来植物園で撮った。学名:Salpichroa rhomboidea★可愛いが根を張らせると大変だ 繁縷酸漿はやっかいな花花図鑑植物図鑑
メキシコ朝顔(メキシコアサガオ) 秋の花 2011年09月30日 メキシコ朝顔(メキシコアサガオ)はヒルガオ科サツマイモ属の蔓性一年草である。原産地はメキシコである。日本では逸出したものが野生化している。草丈は3メートルくらいになる。葉はほこ形だが、切れ込まないものもある。開花時期は8~9月である。紅紫色をした漏斗状の花をつける。花径は15~20ミリくらいと小さい。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Ipomoea はギリシャ語の「ips(芋虫)+homoios(似た)」からきている。物に絡みついて這い登る性質からから名づけられた。種小名の trifida は「3つに分かれた」という意味である。写真は9月に木場公園の外来植物園で撮った。学名:Ipomoea trifida★朝顔と言うには少し小さいな 薩摩芋の花こんならしいよ花図鑑植物図鑑
ルドベキア・トリロバ 秋の花 2011年09月29日 ルドベキア・トリロバはキク科オオハンゴンソウ属の多年草である。種小名の読み方は「トリローバ」とするものもある。原産地は北アメリカである。和名は三葉大反魂草(ミツバオオハンゴンソウ)という。別名を大三葉反魂草(オオミツバハンゴンソウ)という。日本へは昭和時代の初期に渡来した。栽培されていたものが逸出し、北海道から沖縄にかけて野生化している。草丈は80~150センチくらいである。葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。茎の下部につく葉は3つくらいに裂ける。開花時期は6~10月くらいである。枝分かれした先に1つずつ花(頭花)をつける。花の真ん中にある筒状花はこげ茶色をしている。周りにつく舌状花は8枚で、黄色ないしオレンジ色である。花径は3センチくらいである。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。日本では園芸品種のタカオ(Takao)が流通している。属名の Rudbeckia はリンネの後援者「ル-ドベック(Rudbeck)父子」の名からきている。種小名の triloba は「三片の」という意味である。写真は9月に木場公園の外来植物園で撮った。学名:Rudbeckia triloba★仲間には図太いやつもいるけれど 可憐な花は花壇に似合い花図鑑植物図鑑
蛍柴胡(ホタルサイコ) 秋の花 2011年09月28日 蛍柴胡(ホタルサイコ)はセリ科ミシマサイコ属の多年草である。北海道から九州にかけて分布し、山地の岩場や草地に生える。海外では、朝鮮半島、中国、シベリア東部にも分布する。草丈は50センチくらいである。根際から生える葉は長い楕円形である。茎につく葉は幅の広い披針形で、茎を抱く。開花時期は8~10月くらいである。茎先や葉の脇から複数の散形花序(たくさん枝が出て、先に1個つずつ花がつく)を組み合わせて出し、黄色い小さな花を群がってつける。花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。属名の Bupleurum はギリシャ語の「bous(牡牛)+pleuron(肋骨)」からきている。葉のつき方の様子から名づけられた。種小名の longiradiatum は「放射状に長い」という意味である。変種名の elatius は「より背の高い」という意味である。写真は9月に氷見市海浜植物園で撮った。学名:Bupleurum longiradiatum var. elatius★繊細な花の姿が目を奪う 不思議なるかな蛍柴胡は花図鑑植物図鑑