合田草(ゴウダソウ) 春の花 2011年04月17日 合田草(ゴウダソウ)はアブラナ科ゴウダソウ属(ルナリア属)の越年草である。原産地はヨーロッパの中央部である。日本では1901年(明治34年)に東京美術学校教授の合田清氏がパリから種子を持ち帰ったのが始まりである。それが名の由来でもある。観賞用の栽培が中心であるが、北海道などの寒冷地では逸出して道端などで野生化しているという。草丈は40~90センチくらいである。全体に粗い毛がたくさん生えている。茎は直立している。葉には柄があるが、上部の葉は柄が短く、柄のないものもある。葉の形はハート形で、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)があり、互い違いに生える(互生)。開花時期は4~5月である。茎先に(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径2センチくらいの紫色ないし白の4弁花をつける。アブラナ科特有の十字形の花びらで、雄しべは6本ある。4本が長く、2本が短い。花の後になる実は薄く半透明で団扇のような形をしている。実はドライフラワーとして人気がある。実の形から、銀扇草(ギンセンソウ)、銀貨草(ギンカソウ)、大判草(オオバンソウ)などの別名がある。また、学名からルナリアとも呼ばれる。属名の Lunaria はラテン語の「Luna(月)」からきている。実の形から名づけられたものである。種小名の annua は「一年生の」という意味である。花の写真は4月に小石川植物園で撮った。実の写真は6月に小石川植物園で撮った。学名:Lunaria annua★個性ある実が面白い合田草 名前を知って身近に感じ今日の花ドットコム花図鑑PR
愛鷹躑躅(アシタカツツジ) 春の花 2011年04月16日 愛鷹躑躅(アシタカツツジ)はツツジ科ツツジ属の落葉低木である。静岡県だけに分布するフォッサマグナ要素の植物で、愛鷹山や天子岳に自生する。純粋種は800~1500メートルの高さに分布する。低山になると山躑躅(ヤマツツジ)との交配種が多くなるそうである。裾野市の「市の花」に指定されている。環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。樹高は2メートルから3メートルである。葉は幅の広い披針形で、互い違いに生える(互生)。葉の縁に褐色の毛が生える。 開花時期は5~6月である。花径は3センチくらいで、花冠は5つに裂ける。小振りだが、たくさんの花がつく。花の色は紅紫色で、上部の裂片の内側には少し濃い色の斑が入る。これは蜜標と呼ばれるもので、虫に蜜の在り処を知らせるためのものである。雄しべは10本ある。花糸(雄しべの花粉を入れる袋についている柄)の下半部に毛が生える。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。和名は最初の発見地にちなんで牧野富太郎博士が命名した。属名の Rhododendron はギリシャ語の「rhodon(バラ)+dendron(樹木)」からきている。紅色の花をつける木という意味で名づけられた。写真は4月に小石川植物園で撮った。学名:Rhododendron komiyamae★この花を見たいがために自生地は 人が群がる愛鷹躑躅今日の花ドットコム花図鑑
長葉紅葉苺(ナガバモミジイチゴ) 春の花 2011年04月15日 長葉紅葉苺(ナガバモミジイチゴ)はバラ科キイチゴ属の落葉低木である。本州の中部地方から九州にかけて分布し、山野に普通に生える。海外では、朝鮮半島、中国にも分布する。東日本には近縁種の紅葉苺(モミジイチゴ)が分布する。樹高は1~2メートルである。幹や枝には棘が多い。葉は幅の狭い卵形で、互い違いに生える(互生)。稀に手のひら状に3つに裂けるものがある。葉のつけ根の部分は心形で、縁は重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)である。開花時期は4~5月である。葉の展開直後に葉の脇に白い花を下向きにつける。集まった雄しべは柱状に直立する。花びらは5枚である。萼筒は杯形で、萼片の先は尖る。花の後にできる実は直径1センチくらいのキイチゴ状果(集合核果)で、6~7月に黄橙色に熟する。秋には美しく紅葉する。属名の Rubus はラテン語の「ruber(赤)」からきている。赤い実がなることから名づけられた。種小名の palmatus は「手のひら状の」という意味である。写真は4月に小石川植物園で撮った。学名:Rubus palmatus★紅葉の姿もきっと見に来てね 小さな花が呟くように今日の花ドットコム花図鑑
支那水木(シナミズキ) 春の花 2011年04月14日 支那水木(シナミズキ)はマンサク科トサミズキ属の落葉低木である。中国の中西部からヒマラヤにかけて分布する。樹高は1~5メートルくらいである。葉は幅の広い卵形で、互い違いに生える(互生)。開花時期は3~4月である。葉の展開に先立って花を咲かせる。枝から穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を垂らし、淡いクリーム色の花を10~15輪くらいつける。近縁種の土佐水木(トサミズキ)に比べて1つの花が大きく、また一総につく花の数も多い。そして、花にはよい香りがある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。葉は秋には見事に黄葉をする。流通名を匂い土佐水木(ニオイトサミズキ)ともいう。属名の Corylopsis はギリシャ語の「Corylus(ハシバミ属)+opsis(似た)」からきている。葉の形が似ていることから名づけた。種小名の sinensis は「中国の」という意味である。写真は3月に小石川植物園で撮った。学名:Corylopsis sinensis★豪快にクリーム色に枝埋めて 芳香を放ち支那水木咲く今日の花ドットコム花図鑑
東国三葉躑躅(トウゴクミツバツツジ) 春の花 2011年04月13日 東国三葉躑躅(トウゴクミツバツツジ)はツツジ科ツツジ属の落葉低木である。本州の東北地方から近畿地方にかけて分布し、山地に生える。三葉躑躅(ミツバツツジ)よりも高いところに生え、開花時期も遅い。樹高は2メートルくらいである。葉が枝先に3枚ずつ輪生するのが特徴で、これが名の由来でもある。開花時期は4~6月である。葉の展開前または葉と同時に開花する。枝先につく花は紅紫色の花である。花径は4~5センチで5つに深く裂け、広い漏斗状をしている。雄しべは10本である。雌しべの花柱の下部には腺毛(粘着物質を出す毛)が生えるのが特徴である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Rhododendron はギリシャ語の「rhodon(バラ)+dendron(樹木)」からきている。紅色の花をつける木という意味で名づけられた。種小名の wadanum は採集者「和田治衛さんの」という意味である。写真は4月に小石川植物園で撮った。学名:Rhododendron wadanum★びっしりとラッパのような花つけて 東国三葉は今花盛り今日の花ドットコム花図鑑