フォザギラ・マヨール 春の花 2011年04月07日 フォザギラ・マヨールはマンサク科シロバナマンサク属の落葉低木である。原産地は北アメリカである。和名を白花満作(シロバナマンサク)という。樹高は1~2メートルくらいである。葉は幅の広い楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は丸く、縁には鈍いぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は4月くらいである。葉の展開と同時に花を咲かせる。花弁の色は白く、糸状である。「白いブラシ」のように見える。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。秋には紅葉をする。属名の Fothergilla はイギリスの植物収集家「フォザギル(J. Fothergill)さん」の名からきている。種小名の major は「巨大な」という意味である。写真は4月に箱根湿生花園で撮った。学名:Fothergilla major★マヨールはこれか違いはどこにある 調べてみようと増える楽しみ今日の花ドットコム花図鑑PR
四手辛夷(シデコブシ) 春の花 2011年04月06日 四手辛夷(シデコブシ)はモクレン科モクレン属の落葉低木である。日本の固有種である。本州の愛知県、岐阜県、三重県にのみ分布し、湿原の周辺や渓流沿いなどに生える。このような分布をする植物を「周伊勢湾要素植物」と呼んでいる。「生きている化石」とも言われる貴重な植物である。環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。樹皮は灰褐色で、やや皮目(ひもく=樹皮にあって空気を通す部分)がある。若い枝や葉の柄には軟毛が密生する。葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は丸く、つけ根の部分はくさび形である。開花時期は3~4月である。葉の展開に先立って花を咲かせる。花の色は白ないし淡い紅色で、花径は7~12センチくらいある。細長いリボン状の花びら(花被片)を12~18枚外向きにつける。「四手」というのは「玉串や注連縄(しめなわ)などに下げる紙」のことである。花の様子を見立てたものである。別名を姫辛夷(ヒメコブシ)ともいう。花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)の集合果である。属名の Magnolia はフランスの植物学者「マニョル(P. Magnol)さん」の名にちなむ。種小名の tomentosa は「密に細かな綿毛のある」という意味である。花の写真は3月に埼玉県立花と緑の振興センターで撮った。実の写真は8月につくば植物園で撮った。学名:Magnolia tomentosa★不思議なる姿かたちの四手辛夷 太古のロマン今に伝えて今日の花ドットコム花図鑑
雪柳(ユキヤナギ) 春の花 2011年04月05日 雪柳(ユキヤナギ)はバラ科シモツケ属の落葉低木である。本州の関東地方から九州にかけて分布し、川岸や岩礫地に生える。また、庭木とされる。海外では、中国にも分布する。樹高は1~2メートルである。葉は披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は3、4月である。株元からたくさん枝を出し、花径1センチに満たない白い小さな5弁花を穂のようにつける。花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。和名の由来は、花の様子が雪のように見え、枝や葉の形が柳のような形に見えることからきている。 花が散ると地面に小米(砕いた米)をまいたようになるので小米柳(コゴメヤナギ)とも呼ばれる。古来は、この花が岩のあるところを好んで生えるので、岩柳(イワヤナギ)と呼ばれていたという。また、中国では「噴雪花」と呼ばれている。なお、同じシモツケ属で花が団子状のものを小手鞠(コデマリ)という。開花は雪柳(ユキヤナギ)よりも少し遅い。花の形はよく似ている。俳句の季語は春である。属名の Spiraea はギリシャ語の「speira(螺旋)」に由来する。果実が螺旋状になるものがあることから名づけられた。種小名の thunbergii はスウェーデンの植物学者で日本の植物を研究した「ツンベルクさんの」という意味である。写真は4月に埼玉県三郷市で撮った。学名:Spiraea thunbergii★するすると枝を伸ばして雪柳 真白の花びらまぶすが如く☆遠くより真白の雲のあるごとく 風に舞い散る雪柳見ゆ今日の花ドットコム花図鑑
銀葉アカシア(ギンヨウアカシア) 春の花 2011年04月04日 銀葉アカシア(ギンヨウアカシア)はマメ科アカシア属の常緑高木である。分類体系によってはネムノキ科とされる。原産地はオーストラリアのニューサウスウェールズ州である。オーストラリアの国花とされている。日本へは明治時代の後期に渡来し、各地で栽培されている。樹高は5~15メートルくらいである。葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。小葉は20対くらいである。小葉の形は幅の広い線形で、白みを帯びた青緑色をしている。開花時期は2~4月である。枝先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径1センチに満たない球状の黄色い花をたくさんつける。花の後にできる実は豆果(莢の中に種子が入るもの)である。別名を花アカシア(ハナアカシア)という。ミモザ(Mimosa)の名でも流通しているが、これは本来はオジギソウ属を表す属名である。属名の Acacia はギリシャ語の「akantha(棘)」からきている。鋭い棘を持つものが多いことから名づけられた。種小名の baileyana は園芸家「ベイレーさんの」という意味である。写真は3月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。学名:Acacia baileyana★貴婦人の輝き見せて早春を 飾るがごとき銀葉アカシア今日の花ドットコム花図鑑
アカシア・モニカ 春の花 2011年04月03日 アカシア・モニカはマメ科アカシア属の落葉低木である。分類体系によってはネムノキ科とされる。原産地はオーストラリアである。房アカシア(フサアカシア)の園芸品種である。英名はドラモンズ・ワトル(drummond's wattle)である。矮性種で、鉢植えなどでも楽しめる。樹高は1~2メートルである。葉は2回羽状複葉で、互い違いに生える(互生)。小葉の形は披針形で、暗い緑色をしている。開花時期は2~4月くらいである。自生地での開花時期は9~11月くらいである。葉の脇から総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、黄色い小さな花を穂状に垂れ下げる。花穂の長さは2~5センチくらいである。花の後にできる実は豆果(莢の中に種子が入るもの)である。属名の Acacia はギリシャ語の「akantha(刺(とげ)」からきている。鋭い棘を持つものが多いことから名づけられた。種小名の dealbata は「白くなった」という意味である。写真は2月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。学名:Acacia dealbata 'Monica'★猫じゃらし思わすような穂をたらし 鉢が似合うねアカシア・モニカ今日の花ドットコム花図鑑