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信濃撫子(シナノナデシコ)

信濃撫子(シナノナデシコ)

信濃撫子(シナノナデシコ)はナデシコ科ナデシコ属の越年草である。
日本固有種である。
本州の中部地方に分布し、山地から亜高山の河原や岩場に生える。
別名を深山撫子(ミヤマナデシコ)という。
草丈は20~50センチくらいである。
茎は断面が四角形で、節がふくれる。
葉は線形ないし披針形で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は7~8月である。
茎先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、紅紫色の花をたくさんつける。
花びら(花弁)は5枚で、先が浅く切れ込む。
雄しべは10本、花柱(雌しべ)は2本である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Dianthus はギリシャ語の「Dios(ジュピター)+anthos(花)」からきている。「ジュピターの花」の意味で、花の美しさを称えるて名づけられた。
種小名の shinanensis は「信濃の」という意味である。
写真は6月につくば植物園で撮った。
学名:Dianthus shinanensis


★さっぱりと咲くのが好きと言うように
 信濃撫子切れ込み浅く


信濃撫子(シナノナデシコ)

花図鑑
植物図鑑



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大紫式部(オオムラサキシキブ)

大紫式部(オオムラサキシキブ)

大紫式部(オオムラサキシキブ)はクマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木である。
本州の房総半島から沖縄にかけて分布し、海岸に近い低地林などに生える。
海外では、台湾や朝鮮半島の南部にも分布する。
分類上は紫式部(ムラサキシキブ)の変種とされている。
実の美しさを「紫式部」にたとえ、また基本種に比べて実が大きいというのが名の由来である。
樹高は1~3メートルくらいである。
葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6~7月である。
葉のつけ根から集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、白ないし淡い紅紫色を帯びたの花をたくさんつける。
花は筒状で長さは5~8ミリくらい、花径は3~5ミリくらいである。
花の先は5つに裂ける。
雄しべは4本ある。
雌しべの先は平たい。
花の後に緑色をした直径3~5ミリくらいの球形の核果(水分を多く含み中に種が1つある)をつける。
10~12月ころにかけて紫色に熟する。
属名の Callicarpa はギリシャ語の「callos(美しい)+carpos(果実)」からきている。実が美しく熟すからことから名づけられたものである。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
変種名の luxurians は「繁茂した」という意味である。
花の写真は6月につくば植物園で撮った。
実の写真は12月に沖縄県本部町の琉宮城蝶々園で撮った。
学名:Callicarpa japonica var. luxurians


★南国の海岸近くに育ち咲き
 紫の実をたわわにつけて


大紫式部(オオムラサキシキブ)

大紫式部(オオムラサキシキブ)

花図鑑
植物図鑑



柿蘭(カキラン)

柿蘭(カキラン)

柿蘭(カキラン)はラン科カキラン属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、日当たりのよい湿地に生える。
海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。
草丈は30~70センチくらいである。
葉は狭い卵形で縦じわがある。
葉の先は尖り、葉の根元は鞘状になって茎を抱く。
葉の長さは7~12センチくらい、幅は2~4センチくらいで、互い違いに生える。
開花時期は6~8月である。
花茎に10輪くらいの花を総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)につけ、下のほうの花から開花させる。
花径は15ミリくらいである。
花の上部にある蕚片は先が尖り、緑がかった褐色をしている。
側花弁は黄橙色である。
花の下部にある唇弁の内側には紅紫色の斑点がある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
和名の由来は、花の色が柿の実の色に似ているところからきている。
属名の Epipactis はギリシャ語の「epi(上)+pactos(硬い)」からきている。
種小名の thunbergii はスウェーデンの植物学者で日本の植物を研究した「ツンベルクさんの」という意味である。
写真は6月につくば植物園で撮った。
学名:Epipactis thunbergii


★ちょっと見は地味に見えるが柿蘭は
 豊かな彩り秘めて花咲く


柿蘭(カキラン)

花図鑑
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姫梔子(ヒメクチナシ)

姫梔子(ヒメクチナシ)

姫梔子(ヒメクチナシ)はアカネ科クチナシ属の常緑小低木である。
別名を小梔子(コクチナシ)ともいう。
原産地は中国である。
中国名は「水梔子」という。
日本では庭木として植えられている。
分類上は、梔子(クチナシ)の変種とされている。
樹高は30~80センチくらいである。
枝は横に這う。
葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の質は厚くて艶があり、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は6~7月である。
枝先に香りがよくて白い八重咲きの花をつける。
一重咲きのものもある。
花も葉も基本種より小さい。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
属名の Gardenia はアメリカの博物学者「ガーデン(A. Garden)さん」の名からきている。
種小名の jasminoides は「ジャスミンのような」という意味である。
変種名の radicans は「根を出す」という意味である。
写真は7月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
学名:Gardenia jasminoides var. radicans


★地を這いて咲かせる花も地の上に
 あると見紛う姫梔子は


姫梔子(ヒメクチナシ)

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コエンドロ

コエンドロ

コエンドロはセリ科コエンドロ属の一年草である。
原産地は地中海沿岸である。
日本へは10世紀以前に薬用として渡来したが、普及はしなかった。
コエンドロの歴史は古く、紀元前に医学の父ヒポクラテスが胸焼け防止や催眠薬になると記述しているという。
また、「アラビアン・ナイト」にも媚薬として登場する。
コエンドロの名は、ポルトガル語のコエントロ(Coentro)が訛ってつけられたものである。
江戸時代になって再びポルトガル人によって伝えられたのである。
草丈は30~60センチくらいである。
葉は羽状複葉で、上部へいくほど深く裂ける。
開花時期は6~7月である。
茎先に複数の散形花序(たくさん枝が出て、先に1個つずつ花がつく)を組み合わせて出し、白または淡いピンクの花をたくさん咲かせる。
花弁数は5枚である。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、2つのブロックからなる。
全草によい香りがあり、若葉はハーブとして用いられる。
また、果実は香辛料や健胃・去痰薬などとされる。
英名をコリアンダー(coriander)という。
漢名の香菜(シャンツアイ)などでも流通している。
属名の Coriandrum はギリシャ語の「coris(南京虫)+annon(アニスの実)」からきている。果実が放つ異臭から名づけられた。
種小名の sativum は「栽培された」という意味である。
写真は6月に小石川植物園で撮った。
学名:Coriandrum sativum


★枝々をパステル色に染めて咲く
 妖精の花香り豊かに


コエンドロ

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