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唐萱草(トウカンゾウ)

唐萱草(トウカンゾウ)

唐萱草(トウカンゾウ)はユリ科ワスレグサ属の多年草である。
長崎県の男女群島に分布し、林の中や草地に生える。
海外では台湾や中国の南部にも分布する。
別名を南蛮萱草(ナンバンカンゾウ)、忘れ草(ワスレグサ)ともいう。
2000年版の環境省のレッドデータブックでは、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されていた。
レッドリスト(2007)では指定から外れている。
草丈は50~100センチくらいである。
根際から生える葉は幅の広い線形で、2つに折れる。
開花時期は5~6月である。
花の色は明るい黄橙色である。
花被片は6枚である。
雄しべは6本、雌しべは1本である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
江戸時代から園芸植物として栽培されていたが、シーボルトによってヨーロッパに持ち帰られた。
後にアメリカで品種改良が行われ、ヘメロカリスとして逆輸入されている。
属名の Hemerocallis はギリシャ語の「hemera(一日)+callos(美)」からきている。この属の植物の花は一日でしぼむことから名づけられた。
種小名の aurantiaca は「黄色を帯びた橙色の」という意味である。
写真は6月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Hemerocallis aurantiaca


★すっきりと咲くのが好きと唐萱草
 明るい色を大きく開き


唐萱草(トウカンゾウ)

花図鑑
植物図鑑



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角罌粟(ツノゲシ)

角罌粟(ツノゲシ)

角罌粟(ツノゲシ)はケシ科ツノゲシ属の越年草である。
漢字では「角芥子」とも書く。
原産地はヨーロッパである。
南ヨーロッパの沿岸地域などに分布する。
日本では観賞用として稀に栽培される。
逸出して野生化したものが昭和時代の初期に確認されている。
草丈は60~100センチくらいである。
葉はやや多肉質で銀白色を帯びる。
葉は羽状に裂けて、互い違いに生える(互生)。
根際から生える葉はロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)となる。
開花時期は5~7月である。
茎先に花径5~10センチくらいの4弁花をつける。
花の色には黄色のほか黄橙色や赤橙色などのものがある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
実の莢はカーブして角状となる。
それが名の由来でもある。
英名はホーンドポピー(horned poppy)である。
ホーンドは「角のある」という意味である。
全草にアルカロイドを含み有毒である。
しかし、種子には毒は含まれず、種子を搾った油は食用となる。
また、種油はかつてランタンの油として用いられたという。
属名の Glaucium はギリシャ語の「glaukos(灰緑色)」からきている。
種小名の flavum は「黄色の」という意味である。
写真は5月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Glaucium flavum


★ごつごつと強面のする姿でも
 花は可憐に色鮮やかに


角罌粟(ツノゲシ)

花図鑑
植物図鑑



黒百合(クロユリ)

黒百合(クロユリ)

黒百合(クロユリ)はユリ科バイモ属の多年草である。
北方領土を含む北海道の低地と本州中部以北の高山に分布し、お花畑や岩場に生える。
以前はこの両者は別種とされていたが、今は同一種と見られることが多い。
区別する場合は、本州のものは深山黒百合(ミヤマクロユリ:Fritillaria camtchatcensis var. alpina)とされる。
海外では、サハリン、カムチャツカ、ウスリー、北アメリカ北西部などにも分布する。
草丈は10~30センチくらいである。
葉は披針形で、茎の中ほどから上に3~5枚ずつ数段に輪生させ、上部では互い違いに生える(互生)。
開花時期は6~8月である。
茎の先に暗い紫褐色で斑がある鐘状の花を1~2輪つける。
花径は3センチほどで、やや下向きに咲く。
花被片は6枚である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
この花には様々な伝説がある。
アイヌ伝説では、「愛する人にこの花を贈って、それを相手の人が手に取れば二人は結ばれる」という言い伝えがある。
また、越中富山の佐々成政は、寵愛した腰元早百合に嫉妬して一族を皆殺しにする。
そのとき早百合は「私の亡霊が立山に黒百合を咲かせたとき、佐々家は滅びるだろう」と叫んで息絶えた。
その後、成政が大茶会で北の政所(秀吉の正妻)に取り入ろうとして立山の黒百合を贈ったところ、不吉な花として怒りを買い、佐々家も衰運の一途をたどることになる。
そして、成政は切腹し、佐々家も滅びたという。
俳句の季語は夏である。
属名の Fritillaria はラテン語の「fritillus(チェッカー盤)」からきている。この属の1種の花の模様から名づけられた。
種小名の camtschatcensis は「カムチャツカの」という意味である。
写真は7月に中央アルプスの千畳敷カールで撮った。
3枚目は6月に札幌市の百合が原公園で撮った。
学名:Fritillaria camtschatcensis


★鐘の音とシスターの姿目に浮かぶ
 そんなシーンが記憶の隅に


黒百合(クロユリ)
黒百合(クロユリ)

花図鑑
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グロリオサ・ロスチャイルディアナ

グロリオサ・ロスチャイルディアナ

グロリオサ・ロスチャイルディアナはユリ科グロリオサ属の蔓性多年草である。
分類体系によってはイヌサフラン科とされる。
グロリオサ属は1属1種である。
本種はグロリオサ・スペルバの園芸品種とされている。
原産地はアフリカの西部である。
ジンバブエでは国花とされている。
和名は百合車(ユリグルマ)という。
草丈は100~150センチくらいである。
葉は幅の広い線形で大きい。
開花時期は6~9月くらいである。
1本の花茎に10輪くらいの花をつける。
花被片は長さが10センチくらいあり、紅色にオレンジ色の覆輪が入る。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
全草に有毒アルカロイドのコルヒチンを含む。
属名の Gloriosa はラテン語の「gloriosus(見事な)」からきている。
種小名の superba は「気高い」という意味である。
品種名の Rothschildiana は園芸界を後援したイギリスの男爵「ロスチャイルド(F. J.de Rothschild)さんの」という意味である。
写真は6月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Gloriosa superba 'Rothschildiana'


★色合いがどこか派手だね百合車
 どこか納得アフリカの花


グロリオサ・ロスチャイルディアナ

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川緑(カワミドリ)

川緑(カワミドリ)

川緑(カワミドリ)はシソ科カワミドリ属の多年草である。
漢字では「河碧」とも書く。
北海道から九州にかけて分布し、沢沿いなどの草地に生える。
海外では、朝鮮半島、中国、シベリアなどにも分布する。
草丈は40~100センチくらいである。
茎の断面は四角形で、上部で枝分かれをする。
葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は鋭く尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は7~10月くらいである。
茎先に穂状の総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を立て、小さい紫色をした唇形の花をたくさんつける。
花冠は長い筒形で下唇が長く、雄しべが花から突き出る。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。
茎、葉、根を乾燥したものを生薬で排草香(はいそうこう)といい、健胃薬、風邪薬などにする。
属名の Agastache はギリシャ語の「aga(強める)+stachys(穂)」からきている。太い穂状の花序をつけることから名づけられた。
種小名の rugosa は「皺のある」という意味である。
写真は6月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Agastache rugosa


★秋空に強い香りを放ち咲く
 河碧の花色は紫


川緑(カワミドリ)

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