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天人菊(テンニンギク)

天人菊(テンニンギク)

天人菊(テンニンギク)はキク科テンニンギク属の一年草である。
原産地は北アメリカである。
日本へは明治時代の中期に渡来した。
逸出したものが本州の近畿地方から九州にかけて野生化し、砂浜などに生える。
草丈は30センチから50センチくらいである。
全草に毛が生える。
葉は披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。
茎の上部につく葉にはぎざぎざ(鋸歯)はない。
茎の下部につく葉にはぎざぎざ(鋸歯)があり、中裂するものもある。
開花時期は6月から9月である。
花径は5センチから7センチくらいである。
舌状花の色は黄色で、真ん中が赤い。
筒状花は紅紫色である。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Gaillardia はフランスの植物学のスポンサーだった「ガイヤール(Gaillard)さん」の名からきている。
種小名の pulchella は「愛らしい」という意味である。
写真は6月に木場公園の外来植物園で撮った。
学名 Gaillardia pulchella


★炎天を花の姿で表すか
 天人菊は夏の申し子


天人菊(テンニンギク)

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小判小茄子(コバンコナスビ)

小判小茄子(コバンコナスビ)

小判小茄子(コバンコナスビ)はサクラソウ科オカトラノオ属の多年草である。
原産地はヨーロッパで、河原や空き地などに生える。
戦後にグランドカバー用として導入したものが逸出し、野生化している。
北海道、神奈川県、岡山県などに分布し、道端や荒地などに生える。
草丈は10~60センチくらいである。
全体に毛は生えていない。
茎は地面を這って横に広がる。
葉は幅の広い卵形ないし卵円形で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は4~7月である。
茎の中部の葉の脇に黄色い花を普通は1つずつつける。
花冠は先は5つに深く裂けて平らに開く。
裂片の形は卵形である。
萼片は5枚、雄しべは5本である。
葉の両面や花冠には小さな黒い腺点がある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
洋種小茄子(ヨウシュコナスビ)、西洋小茄子(セイヨウコナスビ)などの別名がある。
日本には近縁種の小茄子(コナスビ)が自生する。
属名の Lysimachia はマケドニア王「リュシマコス(Lysimachus)」の名からきている。
種小名の nummularia は「硬貨形の」を意味する。
写真は6月に山形市野草園で撮った。
学名:Lysimachia nummularia


★面白い名前もらって意気高く
 一面に咲く小判小茄子


小判小茄子(コバンコナスビ)

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鰭薊(ヒレアザミ)

鰭薊(ヒレアザミ)

鰭薊(ヒレアザミ)はキク科ヒレアザミ属の越年草である。
原産地はユーラシア大陸である。
日本へは古い時代に渡来した帰化植物である。
本州から九州にかけて分布し、道端や河原などに生える。
草丈は70~100センチくらいである。
茎は直立して枝分かれをする。
茎には翼(よく)という表皮が変化した膜のようなものがあり、先には棘がある。
和名は、これを魚の鰭にたとえたものである。
葉は羽状に裂け、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には鋭い棘がある。
開花時期は5~7月である。
花径20~25ミリくらいの紅紫色の花(頭花)が茎先に数個集まってつく。
頭花は筒状花からなる。
総苞片(花序全体を包む葉の変形したもの)も鋭い披針形で、棘のようになって反り返る。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
別名を矢筈薊(ヤハズアザミ)ともいう。
属名の Carduus はラテン語でラシャカキグサなどを表す言葉が転用された。
種小名の crispus は「縮れた」という意味である。
写真は6月に山形市野草園で撮った。
学名:Carduus crispus


★全身を棘で覆った鰭薊
 花愛らしき箱入り娘


鰭薊(ヒレアザミ)

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越路下野草(コシジシモツケソウ)

越路下野草(コシジシモツケソウ)

越路下野草(コシジシモツケソウ)はバラ科シモツケソウ属の多年草である。
日本海要素と呼ばれる植物で、山形県から富山県にかけて分布し、山地の岩場などに生える。
草丈は60~150センチくらいになる。
近縁種の下野草(シモツケソウ)に比べて大形である。
また、下野草(シモツケソウ)と比べると托葉(葉の付け根にある付属体)が大きく、茎を抱く。
その点は鬼下野(オニシモツケ)に似ているが、鬼下野(オニシモツケ)は花序に毛が生えるという違いがある。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)、互い違いに生える(互生)。
頂小葉が大きく、5つから7つに手のひら状に裂ける。
本種は葉の裂片が細くて先が長く伸びる。
葉の色は淡い緑色である。
開花時期は6~7月である。
枝先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、花径4~5ミリの小さな花をたくさんつける。
花の色はピンクである。
花弁は5枚で、形は円形である。
雄しべはたくさんあり、花から飛び出ている。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
なお、京鹿子(キョウガノコ)はまだ自生しているものが発見されておらず、越路下野草(コシジシモツケソウ)を改良したものか、あるいは越路下野草(コシジシモツケソウ)と下野草(シモツケソウ)の交雑種であろうと考えられている。
属名の Filipendula はラテン語の「filum(糸)+pendulus(吊り下がった)」からきている。基本種の根が小さな球を糸でつないだように見えることから名づけられた。
種小名の purpurea は「紫色の」という意味である。
変種名の auriculata は「耳形の」という意味である。
写真は6月に山形市野草園で撮った。
学名:Filipendula purpurea var. auriculata


★雪国に夏の訪れ知らせ咲く
 ピンクの花はただ愛らしく


越路下野草(コシジシモツケソウ)

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蝦夷蛇苺(エゾヘビイチゴ)

蝦夷蛇苺(エゾヘビイチゴ)

蝦夷蛇苺(エゾヘビイチゴ)はバラ科オランダイチゴ属の多年草である。
原産地はヨーロッパと北アメリカである。
英名をワイルドストロベリー(wild strawberry)という。
日本では北海道の南西部に帰化しており、低地や山地の草地や林の縁に生える。
それが和名の由来でもある。
なお、和名には蛇苺 (ヘビイチゴ) の名がついているが、ヘビイチゴの仲間ではなく、果物として食用にされるオランダイチゴの仲間である。
オランダイチゴは17~18世紀にヨーロッパでつくられたものだが、それ以前には本種が栽培されていたという。
果実は小さいが、香りが強いのが特徴である。
草丈は10~20センチくらいである。
根茎は地面を這って横に広がる。
葉は3出複葉(1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形)で、互い違いに生える(互生)。
小葉の形は楕円形で、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6~7月である。
茎先に花径2センチくらいの白い花を数輪つける。
花弁は5枚、萼片も5枚である。
花の真ん中にある雄しべは、雌しべの集合体と同じくらいの長さである。
在来種の白花の蛇苺 (シロバナノヘビイチゴ) や蝦夷草苺(エゾクサイチゴ)は雄しべのほうが長いことが区別点となる。
結実時期も開花時期とほぼ重なる。
花の後にできる実はイチゴ状果(食べられる部分は花托の発達したもので、表面につく粒々がそれぞれ果実)で、赤く熟して食べられる。
葉は薬用ハーブティーとなる。
葉と茎には利尿・強壮作用がある。
属名の Fragaria はラテン語の「fargare(薫る)」からきている。果実がよい香りがすることから名づけられた。
種小名の vesca は「食べられる」という意味である。
写真は5月に北大植物園で撮った。
実の写真は6月に山形市野草園で撮った。
学名:Fragaria vesca


★ワイルドな苺の味も悪くない
 食べてみてねと蝦夷蛇苺


蝦夷蛇苺(エゾヘビイチゴ)

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