コエンドロ 夏の花 2011年06月26日 コエンドロはセリ科コエンドロ属の一年草である。原産地は地中海沿岸である。日本へは10世紀以前に薬用として渡来したが、普及はしなかった。コエンドロの歴史は古く、紀元前に医学の父ヒポクラテスが胸焼け防止や催眠薬になると記述しているという。また、「アラビアン・ナイト」にも媚薬として登場する。コエンドロの名は、ポルトガル語のコエントロ(Coentro)が訛ってつけられたものである。江戸時代になって再びポルトガル人によって伝えられたのである。草丈は30~60センチくらいである。葉は羽状複葉で、上部へいくほど深く裂ける。開花時期は6~7月である。茎先に複数の散形花序(たくさん枝が出て、先に1個つずつ花がつく)を組み合わせて出し、白または淡いピンクの花をたくさん咲かせる。花弁数は5枚である。花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、2つのブロックからなる。全草によい香りがあり、若葉はハーブとして用いられる。また、果実は香辛料や健胃・去痰薬などとされる。英名をコリアンダー(coriander)という。漢名の香菜(シャンツアイ)などでも流通している。属名の Coriandrum はギリシャ語の「coris(南京虫)+annon(アニスの実)」からきている。果実が放つ異臭から名づけられた。種小名の sativum は「栽培された」という意味である。写真は6月に小石川植物園で撮った。学名:Coriandrum sativum★枝々をパステル色に染めて咲く 妖精の花香り豊かに花図鑑植物図鑑PR