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照葉野茨(テリハノイバラ)

照葉野茨(テリハノイバラ)

照葉野茨(テリハノイバラ)はバラ科バラ属の落葉低木である。
福島県以南の本州から沖縄にかけて分布し、日当たりのよい山野、川原、海岸などに生える。
海外では、朝鮮半島、中国にも分布する。
野茨(ノイバラ)によく似ているが、葉が厚くて艶があり、無毛であるなどの違いがある。
また野茨(ノイバラ)の茎は立つが、照葉野茨(テリハノイバラ)は地を這って伸びる。
樹高は20~50センチくらいである。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。
小葉の形は楕円形ないし幅の広い卵形である。
先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉には艶があり、毛は生えていない。
開花時期は5~7月である。
枝先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、次々に開く。
花の色は白ないし淡いピンクである。
花径は2~3センチぐらいである。
花びら(花弁)は5枚ある。
花の真ん中には黄色い雄しべがたくさんある。
花の後にできる実は偽果(子房以外の部分が加わってできている果実)である。
属名の Rosa はケルト語の「rhodd(赤色)」からきている。
種小名の wichuraiana はドイツ人の植物採集家「ウィチュラ(M. E. Wichura)さんの」という意味である。
写真は7月に国営ひたち海浜公園で撮った。
学名:Rosa wichuraiana


★真っ白な花が目立つよ葉っぱもね
 照り輝いて命を謳い


照葉野茨(テリハノイバラ)

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エキナケア・アングスティフォリア

エキナケア・アングスティフォリア

エキナケア・アングスティフォリアはキク科ムラサキバレンギク属(エキナケア属)の多年草である。
属名の読み方は「エキナセア」とするものもある。
原産地は北アメリカである。
英名をナロウリーブド・パープルコーンフラワー(narrow-leaved purple coneflower)という。
和名は細葉紫馬簾菊(ホソバムラサキバレンギク)である。
「馬簾」というのは火消しの纏(まとい)の飾りのことである。
根の成分が免疫力の向上に有効で、サプリメントとして利用されている。
草丈は50~90センチくらいである。
葉は細長い披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。
近縁種のエキナケア・プルプレアよりも葉は細い。
開花時期は6~9月くらいである。
花びら(舌状花)の色はピンクないし淡い紫色である。
筒状花は円錐状である。
開花が進むにつれて舌状花が下向きに反り返り、「馬簾」のようになる。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Echinacea はギリシャ語の「echino(はりねずみ)」からきている。硬い筒状花をはりねずみにたとえて名づけたものである。
種小名の angustifolia は「細葉の」という意味である。
写真は6月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Echinacea angustifolia


★どこでどう見分けたらいいエキナケア
 数の多さに目を白黒と


エキナケア・アングスティフォリア

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甘茶(アマチャ)

甘茶(アマチャ)

甘茶(アマチャ)はユキノシタ科アジサイ属の落葉低木である。
分類体系によってはアジサイ科とされる。
分類上は山紫陽花(ヤマアジサイ)の変種の1つとされる。
日本固有種である。
本州の関東地方と中部地方に分布し、山地に生える。
また、葉にズルチンを含み甘茶製造用に栽培される。
樹高は50~100センチくらいである。
葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉には柄があり、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6~7月である。
山紫陽花(ヤマアジサイ)と非常によく似た花をつける。
真ん中に紫色を帯びた両性花がつき、周りを装飾花が取り囲む。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Hydrangea はギリシャ語の「hydro(水)+angeion(容器)」からきている。さく果の形からから名づけられた。
種小名の serrata は「鋸歯のある」という意味である。
変種名の thunbergii はスウェーデンの植物学者で日本の植物を研究した「ツンベルクさんの」という意味である。
写真は6月に小石川植物園で撮った。
学名:Hydrangea serrata var. thunbergii


★紫の高貴な花は見るほどに
 風情溢れてため息の漏れ


甘茶(アマチャ)

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銭葵(ゼニアオイ)

銭葵(ゼニアオイ)

銭葵(ゼニアオイ)はアオイ科ゼニアオイ属の越年草である。
原産地は南ヨーロッパ、地中海沿岸地方、西アジアである。
日本へは江戸時代に観賞用として渡来した。
現在では野生化し、河川敷や荒れ地などに生える。
分類上は、薄紅葵(ウスベニアオイ)の変種とされている。
基本種に比べると葉の切れ込みが浅く、花の色が濃い。
草丈は60~120センチくらいである。
葉は円形で、互い違いに生える(互生)。
葉には皺があって波打ち、5つから7つくらいに浅く裂ける。
葉の縁には鋭いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6~8月くらいである。
葉の脇に淡い紅紫色の5弁花をつける。
花径は3センチくらいで、花弁には濃い色の縦筋が入る。
花は下から上へ咲きあがる。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
和名の由来は、花の大きさを一文銭に見立てたものという。
属名の Malva はラテン古名でギリシャ語の「malache(軟らかくする)」からきている。この属の植物の1種が持つ粘液に緩和剤の働きがことから名づけられた。
種小名の sylvestris は「森林に生える」という意味である。
変種名の mauritiana は「モーリシャス島の」という意味である。
写真は6月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Malva sylvestris var. mauritiana


★名の由来聞けば何やら江戸の世を
 思い描ける不思議感じつ


銭葵(ゼニアオイ)

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八重毒痛み(ヤエドクダミ)

八重毒痛み(ヤエドクダミ)

毒痛み(ドクダミ)はドクダミ科ドクダミ属の多年草である。
北海道の南部から沖縄にかけて分布し、日陰や湿地に生える。
海外では、東アジアや東南アジアに広く分布する。
八重毒痛み(ヤエドクダミ)はその品種の1つである。
草丈は20~40センチくらいである。
葉は先の尖った心臓形で、互い違いに生える(互生)。
葉の質は柔らかい。
開花時期は5~6月である。
茎先に八重咲きの白い花を咲かせる。
花びらのように見えるものは、葉に近い性質をもった総苞と呼ばれるものである。
花の真ん中に見える黄色い部分が花だが、花弁も萼片もない。
種子は不稔性(次の世代の子孫を作れない)である。
和名の由来は、毒や傷みに効くということから、「毒痛み」が転じたものといわれる。
あるいは、ドクダミの葉は特有の臭気があるため、毒が入っているのではないかということで毒溜め(ドクダメ)と呼ばれるようになり、それがドクダミになったという。
そのほかにもいろいろな説があるらしい。
生薬名を十薬(じゅうやく)といい、整腸、利尿、解毒などの薬効がある。
俳句の季語は夏である。
属名の Houttuynia はオランダの医師で植物学者の「ハウトイン(M. Houttuyne)さん」にちなんで名づけられた。
種小名の cordata は「心臓形の」という意味である。
品種名の plena は「八重の」という意味である。
写真は6月に小石川植物園で撮った。
学名:Houttuynia cordata f. plena


★十の字が印とばかり思いきや
 八重に花咲くドクダミのあり


八重毒痛み(ヤエドクダミ)

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