サザンクロス 夏の花 2013年08月09日 サザンクロス(southern cross)はミカン科クロウエア属の常緑小低木である。原産地はオーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州で、森林地帯に生える。表記の名は日本での流通名である。南十字星を意味し、花が星形でオーストラリア産というところから名づけられた。属名のクロウエアでも流通している。英名はウィロウリーフクロウエア(willow leaf crowea)である。樹高は70~100センチくらいである。葉は披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。葉の質は厚く艶がある。葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。揉むと柑橘系の香りがする。開花時期は5~11月である。葉の脇からピンク色をした星形の小さな5弁花を咲かせる。蝋質で、花の色は稀に白いものもある。なお、近縁種のクロウエア・エクサラタ(Crowea exalata)やこの2種の交配種もサザンクロスの名で流通している。属名の Crowea は、イギリス人の医師で植物学者の「クロウ(James Crowe, 1750-1807)さん」の名からきている。種小名の saligna は「ヤナギのような」という意味である。写真は5月に北大植物園で撮った。3枚目は11月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った白花種である。学名:Crowea saligna★スマートな星形の花ピンク色 サザンクロスの輝き放ち PR
ディアンツス・グラキアリス 夏の花 2013年08月08日 ディアンツス・グラキアリスはナデシコ科ナデシコ属の多年草である。属名の読み方は「ダイアンサス」、種小名の読み方は「グラシアリス」とするものもある。原産地はヨーロッパである。標高2000~3000メートルの高山の草地に生える。流通名を氷河撫子(ヒョウガナデシコ)という。草丈は5~10センチくらいである。葉は線形で、向かい合って生える(対生)。葉の質は肉質で分厚い。開花時期は7~9月くらいである。花は紅紫色をした5弁花で、花弁の先は切れ込む。花径は15~20ミリくらいである。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Dianthus はギリシャ語の「Dios(ジュピター)+anthos(花)」からきている。「ジュピターの花」の意味で、花の美しさを称えて名づけられた。種小名の glacialis は「氷河地帯に生える」という意味である。写真は10月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。学名:Dianthus glacialis★アルプスのお花畑に咲く姿 いかばかりかと思いめぐらし花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
野原草藤(ノハラクサフジ) 夏の花 2013年08月07日 野原草藤(ノハラクサフジ)はマメ科ソラマメ属の蔓性多年草である。秋田県、千葉県、愛知県、鹿児島県などに隔離分布し、山地の草地や林の縁、河原、海岸などに生える。海外では、朝鮮半島、中国東北部、アムール地方、ウスリー地方にも分布する。草丈は100~150センチくらいである。葉は1回羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並んで1枚の葉が構成される)で、小葉の形は幅の広い卵形である。葉はやや白い粉を帯びている。小葉の数は5対から8対くらいである。近縁種の草藤(クサフジ)の場合は、小葉の幅が狭く、9対から12対と数が多い。開花時期は7月から9月である。葉の脇から総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、青紫色ないし紅紫色をした蝶形の花をつける。花の後にできる実は豆果(莢の中に種子が入るもの)である。属名の Vicia はラテン語の「vincire(巻きつく)」からきている。この属には蔓性の植物が多いことから名づけられた。種小名の amurensis は「アムール地方の」という意味である。写真は9月につくば植物園で撮った。学名:Vicia amurensis★どのような訳で点在するのやら 調べたくなる野原草藤花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
檀特(ダンドク) 夏の花 2013年08月06日 檀特(ダンドク)はカンナ科カンナ属の多年草である。原産地はカリブ諸島やメキシコである。中国名を曇華(ドンゲ)という。カンナの原種である。日本へは江戸時代の初期に渡来した。本州の関東地方以南で逸出したものが野生化している。草丈は2メートルくらいである。葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。開花時期は5~10月である。温室では周年開花をする。茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、赤ないし黄色の花をつける。品種改良されたカンナに比べると、花は小さい。この花弁のように見える部分は、雄しべが弁化したものである。花弁は3枚あるが筒状の披針形で目立たない。萼片も3枚で小さい。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Canna は、ケルト語の「can(芦)」が転じてこの属の名に使われた。種小名の indica は「インドの」という意味である。写真は5月に北大植物園で撮った。学名:Canna indica★鮮やかな朱染めの色が目を引くよ 檀特の花原始の叫び花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
パイナップルミント 夏の花 2013年08月05日 丸葉薄荷(マルバハッカ)はシソ科ハッカ属の多年草である。ヨーロッパから西アジアにかけて分布する。英名をアップルミント(apple mint)という。パイナップルミント(pineapple mint)はその園芸品種である。特徴はかすかなパイナップルのような香りがあり、葉に斑が入ることである。アップルミントのほうは斑が入らない。そのため本種は別名で斑入りアップルミント(フイリアップルミント)とも呼ばれる。草丈は30センチから80センチくらいである。地下茎を伸ばして繁殖する。茎の切り口は四角形で、細かな毛で覆われている。葉は十字状に向かい合って生える(対生)。葉に柄はなく、茎を抱く。形は幅広い楕円形で、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。葉脈はへこんでいて皺が目立ち、白ないしクリーム色の斑が入る。裏面は柔らかな毛で覆われ、香りの成分を出す腺点がある。開花時期は7~9月である。茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白ないし紫色の小さな唇形の花を穂状に咲かせる。雄しべは4本あり、そのうち2本が長い。花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。葉はハーブティーやサラダなどに利用される。属名の Mentha はギリシャ神話に登場するニンフ「メンテ(Menthe)」の名からきている。種小名の suaveolens は「甘い香りがする」という意味である。品種名の Variegata は「斑入りの」という意味である。写真は7月に野田市の清水公園で撮った。学名:Mentha suaveolens 'Variegata'★目立たない花だねなんて言わないで 香りもいいし葉も美しい花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|