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姫実栗(ヒメミクリ)



姫実栗(ヒメミクリ)はミクリ科ミクリ属の多年草である。
抽水植物で根は水底の土の中にあり、茎や葉が水面から上に伸びている。
北海道から九州にかけて分布し、湿地や河川などに生える。
海外では、北半球の各地やオーストラリアに広く分布する。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は40~90センチくらいである。
葉は線形で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は7~8月である。
茎の上部に雄花序、下部に雌花序をつける。
花の色は緑白色である。
花の後に、緑色の球形で栗のイガに似た集合果をつける。
和名の由来は、実が栗のいがに似ていることからきている。
属名の Sparganium はギリシャ語の「sparganon(帯)」からきている。
種小名の subglobosum は「やや球形の」という意味である。
写真は9月に大阪市大植物園で撮った。
学名:Sparganium subglobosum

★面白い形に笑みが浮かび出る
 実栗の仲間個性たっぷり



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蝦夷石楠花(エゾシャクナゲ)



蝦夷石楠花(エゾシャクナゲ)はツツジ科ツツジ属の常緑低木である。
白山石楠花(ハクサンシャクナゲ)の変種で、北海道や東北地方などに分布する。
白山石楠花(ハクサンシャクナゲ)の別名とする文献もあるが、北大植物園では変種として扱っている。
白花石楠花(シロバナシャクナゲ)、裏毛白山石楠花(ウラゲハクサンシャクナゲ)の別名がある。
葉の裏に毛があるのが特徴である。
学名から判断するとバラ色をした変種ということだが、中には白花のものもあるということのようである。
白花石楠花(シロバナシャクナゲ)は白山石楠花(ハクサンシャクナゲ)の別名ともされているから複雑である。
樹高は30センチ~3メートルくらいである。
枝は太く円柱状をしている。
葉は細長い楕円形で、長さは5~15センチ、幅は2~5センチくらいである。
厚みがあって質も硬い。
表面は艶があるが、裏面には褐色の細かい毛が密生している。
葉の周りはぎざぎざのない全縁で、裏面に巻き込んでいるのが特徴である。
開花時期は6~7月である。
枝先に漏斗形をした花径3~4センチの紅色の花を5~20個集まってつける。
花びらの内側には黄緑色の斑点がある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Rhododendron はギリシャ語の「rhodon(バラ)+dendron(樹木)」からきている。紅色の花をつける木という意味で名づけられた。
種小名の brachycarpum は「短い果実の」という意味である。
変種名の roseum は「バラ色の」という意味である。
写真は6月に北大植物園で撮った。
学名:Rhododendron brachycarpum var. roseum(=Rhododendron brachycarpum f. brachycarpum)

★薄っすらとピンクの色がよく似合う
 蝦夷石楠花は北国の花




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黒臼子(クロウスゴ)



黒臼子(クロウスゴ)はツツジ科スノキ属の落葉低木である。
北方領土を含む北海道から本州の中部地方にかけて分布し、亜高山や高山の林の中や湿原に生える。
海外では、カムチャツカ地方やサハリン、北アメリカの北部に分布する。
樹高は30~120センチくらいである。
葉は楕円形で、周りにぎざぎざの鋸歯はなく、互い違いに生える。
葉の裏面は白っぽい。
開花時期は6~7月である。
葉の脇に花径5ミリくらいの淡い緑色または淡い紅紫色の花を下向きにつける。
花冠は壺形をしている。
先が浅く5つに裂け、裂片の先は外側に反り返る。
花の後にできる実は直径8~10ミリの球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
黒紫色に熟し、甘酸っぱく美味しい。
和名の由来は、実の先が丸い形に少しへこんでいるのを臼にたとえたものである。
羅臼湖では実の採集が禁止されている。
ヒトが食べると、実の中の種子も持ち出してしまうことになるからである。
属名の Vaccinium はラテン語の「vaccinus(牝牛の)」からきているが、関係は不明だという。
変種名の ovalifolium は「卵円形の葉の」という意味である。
写真は6月に北大植物園で撮った。
学名:Vaccinium ovalifolium

★北の地でヒトと自然の共生を
 願い花咲く黒臼子かな




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バンクシア・セルラタ



バンクシア・セルラタはヤマモガシ科バンクシア属の常緑低木ないし高木である。
原産地はオーストラリアの東部である。
樹高は3~10メートルである。
生育場所によっては樹高は15メートルに達する。
樹皮は暗い灰茶色である。
葉は細長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には、上部に鋸のような規則正しいぎざぎざ(鋸歯)がある。
つけ根のほうにはぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は春から夏である。
長さ4センチくらいの筒形の穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、クリーム色ないし灰色の小さな花をたくさんつける。
花の後にできる実は木質の袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。
属名の Banksia はイギリスの植物学者「バンクス(Joseph Banks, 1743-1820)さん」の名からきている。
種小名の serrata は「鋸歯のある」という意味である。
写真は7月につくば植物園で撮った。
学名:Banksia serrata

★面白い花の形のバンクシア
 地味な色だがそれまた魅力



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サルビア・アリゾニカ



サルビア・アリゾニカはシソ科アキギリ属(サルビア属)の多年草である。
原産地はアメリカ合衆国のアリゾナ州、ニューメキシコ州、テキサス州である。
草丈は40~60センチくらいである。
葉は葉は三角状の卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉には皺があり、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。。
開花時期は6~11月くらいである。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、濃い青紫色をした筒状の花をつける。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。
属名の Salvia はラテン語の「salvare(治療)」からきている。薬用になるものが多いことから名づけられた。
種小名の arizonica は「アリゾナ州の」という意味である。
写真は8月につくば植物園で撮った。
学名:Salvia arizonica

★アリゾナを故郷とするサルビアは
 青紫の花涼やかで



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