瑠璃唐草(ルリカラクサ) 春の花 2012年03月04日 瑠璃唐草(ルリカラクサ)はハゼリソウ科ルリカラクサ属(ネモフィラ属)の一年草である。分類体系によってはムラサキ科とされる。原産地はアメリカのカリフォルニア州である。草地や林の中に生える。学名のネモフィラ・メンジーシーでも流通している。日本へは大正時代の初めに渡来し、春の花壇用の花となった。草丈は30センチから40センチくらいである。葉は羽状に深く裂ける。開花時期は3月から5月である。花径は2、3センチくらいである。花びら(花弁)は5枚である。それぞれの花びらのつけ根は白く、先は淡いブルーである。雄しべは5本である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。和名の由来は、花色が瑠璃色で、葉っぱが唐草模様に似ているところからきている。属名の Nemophila はギリシャ語の「nemos(小さな森)+ phileo(愛する)」からきている。種小名の menziesii はスコットランドの植物学者「メンジーズ(A. Menzies)さん」の名からきている。写真は3月に京都府立植物園で撮った。学名:Nemophila menziesii★花びらの先はきれいな空の色 彩る葉っぱ唐草模様花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
羽衣金鳳花(ハゴロモキンポウゲ) 春の花 2012年03月03日 羽衣金鳳花(ハゴロモキンポウゲ)はキンポウゲ科キンポウゲ属の多年草である。学名のラヌンキュルス・カランドリニオイデスでも流通している。原産地はモロッコのアトラス山脈である。草丈は15~30センチくらいである。根際から生える葉は帯状である。開花時期は2~3月である。大輪の白い花をつける。花びら(萼片)は5枚である。花の真ん中には雄しべと雌しべがたくさんある。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名の Ranunculus はラテン語の「rana(蛙)」からきている。この属の水生の種が蛙の棲むような所に生えることから名づけられた。種小名の calandrinioides は「(スベリヒユ科の)カランドリニア属(Calandrinia)に似た」という意味である。写真は3月に川口市立グリーンセンターの野草展で撮った。学名:Ranunculus calandrinioides★早春のアトラスの山に花開く 姿思いて鉢を眺めて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
洲浜草(スハマソウ) 春の花 2012年03月02日 洲浜草(スハマソウ)はキンポウゲ科ミスミソウ属の多年草である。本州(東北、関東)の太平洋側と四国に分布し、山地の日陰に生える。雪割草(ユキワリソウ)と呼ばれるものの1つである。早春に花茎を伸ばして雪を割るようにして咲き出すことからつけられた名である。雪割草(ユキワリソウ)の原種は、日本に自生する三角草(ミスミソウ)、大三角草(オオスミソウ)、洲浜草(スハマソウ)、毛洲浜草(ケスハマソウ)の4種のほか、海外に9種ほどあるそうだ。これらの交配によって、鮮やかで豪華な園芸品種が造り出されている。洲浜草(スハマソウ)は草丈が10~20センチくらいである。根際から生える葉は三角形で、浅く3つに裂け、先は円い。花色は白が基本だが、ピンク、ブルー、薄紫など多彩である。なお、花弁のように見えるのは萼片である。萼片の数には幅があり、6~15枚くらいである。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。三角草(ミスミソウ)は、三つに裂けた葉の角が尖っている。これに対して洲浜草(スハマソウ)は、葉の角が丸くなっている。和名の由来は、葉の角が丸くなっているのを「洲浜」(弧状になった砂浜)に見立てたものである。俳句の季語は春である。属名の Hepatica はラテン語の「hepaticus(肝臓)」からきている。葉の形から名づけられたものである。種小名の nobile は「気品のある」という意味である。変種名の japonica は「日本の」という意味である。品種名の variegata は「斑入りの」という意味である。写真は3月に板橋区立赤塚植物園で撮った。学名:Hepatica nobilis var. japonica f. variegata★指ほどの高さに咲いて洲浜草 土の温もりあるやあらぬや花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
広葉の甘菜(ヒロハノアマナ) 春の花 2012年03月01日 広葉の甘菜(ヒロハノアマナ)はユリ科アマナ属の多年草である。広葉甘菜(ヒロハアマナ)の別名がある。日本固有種である。本州の東北地方から九州にかけて分布し、山地の林の中や明るい草地に生える。環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。草丈は15~20センチくらいである。葉は線形で、幅が1~2センチと広く、長さは30センチくらいある。葉の中央に白い線が1本入るのが特徴である。開花時期は3~4月である。茎先に1つの花をつける。花びら(花被片)は6枚で白く、紫色の筋が入る。日が差さないと花は開かない。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。「甘菜」の名の由来は、地中の鱗茎が食用になり、それが甘いことからきている。属名の Amana は「アマナ」のことである。種小名の latifolia は「広葉の」という意味である。写真は3月に練馬区の牧野記念庭園で撮った。学名:Amana latifolia★さり気なく春の訪れ伝え咲く 広葉甘菜の小さな命
竜田草(タツタソウ) 春の花 2012年02月29日 竜田草(タツタソウ)はメギ科タツタソウ属の多年草である。原産地は朝鮮半島北部、中国東北部、アムール地方などである。日露戦争当時に軍艦龍田の乗組員がこの花を持ち帰ったことからつけられた名前である。草丈は10~25センチくらいである。根際から生える葉は先が窪んだ心臓形で、蓮(ハス)の葉に似ている。開花時期は3~4月である。花は葉の展開に先立って咲くものと同時に咲くものがある。茎先に花径1~2センチくらいの淡い紫色の花を1輪ずつつける。花びらは6~8枚である。花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。別名を糸巻草(イトマキグサ)という。葉の形からつけられた名前である。根茎を干したものは生薬で鮮黄連(せんおうれん)といい、苦味健胃薬とされる。属名の Jeffersonia はアメリカの第3代大統領「トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)」の名からきている。種小名の dubia は「疑わしい」という意味である。写真は3月に川口市立グリーンセンターの野草展で撮った。学名:Jeffersonia dubia★大陸の川辺彩る竜田草 海を渡りて心慰め植物図鑑花図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|