エリトロニウム・パゴダ 春の花 2012年03月09日 エリトロニウム・パゴダはユリ科カタクリ属の多年草である。アメリカ合衆国のカリフォルニア州に分布するエリトロニウム・ツオルムネンセ(Erythronium tuolumnense)とエリトロニウム・カリフォルニクム(Erythronium californicum)との交雑種である。名称はエリトロニウム・ツオルムネンセ・パゴダとするものもある。草丈は20~40センチくらいである。根際から生える葉は楕円形である。開花時期は3~5月である。茎先に黄色の花を横向きに1輪から数輪咲かせる。花被片は6枚である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。黄花片栗(キバナカタクリ)の名でも流通しているが、これは正しくはエリトロニウム・グランディフロルム(Erythronium grandiflorum)に充てられた名である。属名の Erythronium はギリシャ語の「erythros(赤)」からきている。紅紫色の花をつけるヨーロッパ種を念頭につけられた名である。種小名の tuolumnense は「(カリフォルニア州の)トゥオルミ郡(Tuolumne County)の」という意味である。品種名の Pagota は「仏塔」の意味である。写真は4月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Erythronium tuolumnense 'Pagota'★春の陽を浴びてすくすく顔を出す パゴタの花の由来に肯き花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
ナルキッスス・ダッチマスター 春の花 2012年03月08日 ナルキッスス・ダッチマスター(Dutch Master)はヒガンバナ科スイセン属の多年草である。ヨーロッパで改良された園芸品種の1つである。国際的な分類では喇叭水仙(ラッパズイセン)の1つとされる。喇叭水仙(ラッパズイセン)というのは、イギリス王立園芸協会(Royal Horticultural Society)の定義では、1茎1花で、副冠の長さが花被片と同じか花被片よりも長いもののことである。原種のプセウドナルキッスス(Narcissus pseud-narcissus)をベースにして数々の園芸品種が生まれている。本種が作出されたのは昭和時代の前期である。日本へ輸入されるようになったのは近年のことのようである。草丈は30~50センチくらいである。根際から生える葉は線形である。開花時期は3~4月である。花被片も副冠も黄色くて、やや横向きに咲く。副冠はフリルがついたようで愛らしい。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Narcissus はギリシャ神話の青年の名からきている。泉に映った自分の姿に恋して死に、その後にこの花が咲き出した。種小名の pseud-narcissus は「スイセン属(Narcissus)に似た」という意味である。品種名の Dutch Master は「オランダの巨匠」という意味である。写真は3月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Narcissus pseud-narcissus 'Dutch Master'★愛らしいフリルをつけて春の陽を 浴びて煌くダッチマスター花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
蕗蒲公英(フキタンポポ) 春の花 2012年03月07日 蕗蒲公英(フキタンポポ)はキク科フキタンポポ属の多年草である。ユーラシア大陸に広く分布する。日本へは明治時代の中期に渡来した。和名は牧野富太郎博士がつけた。花が蒲公英(タンポポ)に似ており、葉が蕗(フキ)に似ているというところからきた名である。それまでは款冬(カントウ)と呼ばれていた。こちらのほうは、冬に氷を叩き割って生えるという意味がある。日本では主に栽培をされているが、野生化もしている。栽培されたものは福寿草(フクジュソウ)の代わりに正月用に使われる。葉を切り取って出荷するのだそうだ。草丈は30センチくらいである。根際から生える葉は蕗に似た腎臓形である。葉の裏には毛が生えている。茎にも数枚の葉が互い違いに生える(互生)。開花時期は室内で12月ころ、庭では2~4月になる。花径3センチくらいで、蒲公英(タンポポ)よりも少し小さい。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。葉は生薬で款冬花(かんとうか)といい、鎮咳・去痰作用がある。属名の Tussilago はラテン語の「tussis(咳)+ ago(駆逐する)」からきている。「咳を治す」という意味で名づけられた。種小名の farfara はラテン語で「フキタンポポ」を意味する。写真は5月に北大植物園で撮った。葉の写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Tussilago farfara★めずらしい蕗蒲公英の姿見て 思わず知らず笑みのこぼれて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
ナルキッスス・マルチネット 春の花 2012年03月06日 ナルキッスス・マルチネットはヒガンバナ科スイセン属の多年草である。ヨーロッパで改良された園芸品種の1つである。1985年に作出された。イギリス王立園芸協会(Royal Horticultural Society)の分類では、「ジョンキラ系及びアポダンサス系」のグループに入れられている。これは原種のジョンキラ水仙(Narcissus Jonquilla)及びアポダンサス水仙(Narcissus Apodanthus)の特徴を示すグループである。その大きな特徴は強い香りがあることで、「芳香水仙」とも呼ばれる。形状としては、1茎1~5花で、花被片は広がるか反り返る。副花冠はカップ状か煙突状か朝顔状で、多くは横に広がる。花茎を数本出すことが多い。ナルキッスス・マルチネットはジョンキラ水仙の系統である。ジョンキラ水仙というのは和名でいうと黄水仙(キズイセン)のことである。草丈は30~40センチくらいである。根際から生える葉は線形である。開花時期は3~4月である。花は中輪の房咲きで、花被片は黄色で、副花冠はオレンジ色である。花にはよい香りがある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Narcissus はギリシャ神話の青年の名からきている。泉に映った自分の姿に恋して死に、その後にこの花が咲き出した。種小名の jonquilla は「イグサ属(Juncus)」の縮小形である。写真は3月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Narcissus Jonquilla 'Martinette'★芳しい香り伴い咲き出ずる マルチネッテは色も華やか花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
柴柳(シバヤナギ) 春の花 2012年03月05日 柴柳(シバヤナギ)はヤナギ科ヤナギ属の落葉低木である。本州の関東地方南部から愛知県にかけて分布し、山地や道端、礫地などに生える。日本固有種で、フォッサマグナ要素の植物の1つである。樹高は1~3メートルくらいである。樹皮は灰褐色ないし褐色である。枝は水平に出て、先がやや垂れ下がるものが多い。葉は披針形で先が尖り、互い違いに生える(互生)。若葉は紅色で裏面に白い毛が生えるが、やがて緑色になり毛も落ちる。開花時期は3~4月である。葉の展開と同時に開花をする。雌雄異株である。雄花穂は黄色で直立し、長さは4~5センチでブラシのように見える。雄花には雄しべが2本ある。雌花穂は緑色で長さは10センチくらいあり、先が垂れて尻尾のように見える。雌花の花柱は短く、柱頭は2つに裂ける。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。別名を石柳(イシヤナギ)ともいう。属名の Salix はケルト語の「sal(近い)+lis(水)」からきている。水辺に多いことから名づけられた。種小名の japonica は「日本の」という意味である。写真は4月に小石川植物園で撮った雌花穂である。学名:Salix japonica★どこにでもある木ではない柴柳 尻尾のような花穂たらして花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|