蝦夷蛇苺(エゾヘビイチゴ) 夏の花 2011年07月06日 蝦夷蛇苺(エゾヘビイチゴ)はバラ科オランダイチゴ属の多年草である。原産地はヨーロッパと北アメリカである。英名をワイルドストロベリー(wild strawberry)という。日本では北海道の南西部に帰化しており、低地や山地の草地や林の縁に生える。それが和名の由来でもある。なお、和名には蛇苺 (ヘビイチゴ) の名がついているが、ヘビイチゴの仲間ではなく、果物として食用にされるオランダイチゴの仲間である。オランダイチゴは17~18世紀にヨーロッパでつくられたものだが、それ以前には本種が栽培されていたという。果実は小さいが、香りが強いのが特徴である。草丈は10~20センチくらいである。根茎は地面を這って横に広がる。葉は3出複葉(1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形)で、互い違いに生える(互生)。小葉の形は楕円形で、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は6~7月である。茎先に花径2センチくらいの白い花を数輪つける。花弁は5枚、萼片も5枚である。花の真ん中にある雄しべは、雌しべの集合体と同じくらいの長さである。在来種の白花の蛇苺 (シロバナノヘビイチゴ) や蝦夷草苺(エゾクサイチゴ)は雄しべのほうが長いことが区別点となる。結実時期も開花時期とほぼ重なる。花の後にできる実はイチゴ状果(食べられる部分は花托の発達したもので、表面につく粒々がそれぞれ果実)で、赤く熟して食べられる。葉は薬用ハーブティーとなる。葉と茎には利尿・強壮作用がある。属名の Fragaria はラテン語の「fargare(薫る)」からきている。果実がよい香りがすることから名づけられた。種小名の vesca は「食べられる」という意味である。写真は5月に北大植物園で撮った。実の写真は6月に山形市野草園で撮った。学名:Fragaria vesca★ワイルドな苺の味も悪くない 食べてみてねと蝦夷蛇苺花図鑑植物図鑑PR