越路下野草(コシジシモツケソウ) 夏の花 2011年07月07日 越路下野草(コシジシモツケソウ)はバラ科シモツケソウ属の多年草である。日本海要素と呼ばれる植物で、山形県から富山県にかけて分布し、山地の岩場などに生える。草丈は60~150センチくらいになる。近縁種の下野草(シモツケソウ)に比べて大形である。また、下野草(シモツケソウ)と比べると托葉(葉の付け根にある付属体)が大きく、茎を抱く。その点は鬼下野(オニシモツケ)に似ているが、鬼下野(オニシモツケ)は花序に毛が生えるという違いがある。葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)、互い違いに生える(互生)。頂小葉が大きく、5つから7つに手のひら状に裂ける。本種は葉の裂片が細くて先が長く伸びる。葉の色は淡い緑色である。開花時期は6~7月である。枝先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、花径4~5ミリの小さな花をたくさんつける。花の色はピンクである。花弁は5枚で、形は円形である。雄しべはたくさんあり、花から飛び出ている。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。なお、京鹿子(キョウガノコ)はまだ自生しているものが発見されておらず、越路下野草(コシジシモツケソウ)を改良したものか、あるいは越路下野草(コシジシモツケソウ)と下野草(シモツケソウ)の交雑種であろうと考えられている。属名の Filipendula はラテン語の「filum(糸)+pendulus(吊り下がった)」からきている。基本種の根が小さな球を糸でつないだように見えることから名づけられた。種小名の purpurea は「紫色の」という意味である。変種名の auriculata は「耳形の」という意味である。写真は6月に山形市野草園で撮った。学名:Filipendula purpurea var. auriculata★雪国に夏の訪れ知らせ咲く ピンクの花はただ愛らしく花図鑑植物図鑑PR