イビケラ・ルテア 夏の花 2012年08月14日 イビケラ・ルテアはツノゴマ科イビケラ属の一年草である。1属1種である。属名の読み方は「イビセラ」とするものもある。原産地はブラジル、アルゼンチンである。植物体全体に細かい腺毛(粘着物質を出す毛)があり、粘液を出して小さな昆虫を捕らえる。1989年に食虫植物として認められた。アメリカのカルフォルニア州、オーストラリア、南アフリカなどに帰化している。和名は黄花の角胡麻(キバナノツノゴマ)という。草丈は50センチくらいである。根際から生える葉は円心形で、フキの葉に似る。開花時期は7~9月くらいである。葉の脇から総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、黄色い釣鐘形をした花をたくさんつける。花冠の先が5つに裂ける。花冠の内側には黄褐色の斑点がたくさんある。花径は5センチくらいである。実は熟すと緑色の外果皮がむけて、先が2本のかぎ爪のような形をした姿が現れる。実は長さが15センチくらいあり、大きい。属名の Ibicella はラテン語の「ibex(アイベックス:ヤギ)+cella(群れ)」からきている。ヤギの角のような果実の形状をたとえたものである。種小名の lutea は「黄色の」という意味である。写真は9月に京都府立植物園で撮った。学名:Ibicella lutea★花見れば特に怖くはないけれど 果実の形どこか不気味で花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
カルドン 夏の花 2012年08月13日 カルドン(cardoon)はキク科チョウセンアザミ属の多年草である。原産地は地中海沿岸地方である。草丈は150~200センチくらいである。葉は羽状に深く裂け、互い違いに生える(互生)。葉の柄には棘がたくさんある。開花時期は7~9月である。茎先に花径10~15センチくらいある淡い紫色の大きな花(頭花)をつける。総包片(萼のところにある棘のような葉)は棘状となる。近縁種の朝鮮薊(チョウセンアザミ)の場合は棘状とならない。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。ヨーロッパでは、葉の柄や根が食用とされる。属名の Cynara はギリシャ語の「cyno(犬)」からきている。総苞の周りの棘が犬の歯に似ていることから名づけられた。種小名の cardunculus は「小さいアザミ」という意味である。写真は7月につくば植物園で撮った。学名:Cynara cardunculus★カルドンが仁王立ちする夏の午後 幻影かもと目をこすりつつ花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
菊芋擬き(キクイモモドキ) 夏の花 2012年08月12日 菊芋擬き(キクイモモドキ)はキク科キクイモモドキ属(ヘリオプシス属)の多年草である。原産地は北アメリカである。日本へは明治時代の半ばに渡来した。ヒマワリ属の菊芋(キクイモ)によく似た花を咲かせることからこの名がついた。しかし、菊芋(キクイモ)と違って根塊はできない。別名を姫向日葵(ヒメヒマワリ)という。属名のヘリオプシス(Heliopsis)の名でも流通している。また、逸出したものが野生化している。草丈は50~150センチくらいである。葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。茎や葉には短くて固い毛が生えている。開花時期は7~10月である。黄色または橙黄色の花(頭花)をいっぱい咲かせる。花径は5~6センチあり、八重咲きのものもある。舌状花は8~15枚である。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名の Heliopsis はギリシャ語の「helios(太陽)+opsis(似た)」からきている。頭花の形からつけられた名である。種小名の helianthoides は「ヒマワリのような花の」という意味である。写真は7月に小石川植物園で撮った。学名:Heliopsis helianthoides★花びらをぐいと広げて咲き誇る 花の姿は向日葵に似て花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
大車(オオグルマ) 夏の花 2012年08月11日 大車(オオグルマ)はキク科オグルマ属の多年草である。原産地はヨーロッパからコーカサス地方にかけてである。日本でも江戸時代から薬用として栽培されている。和名は小車(オグルマ)に似て大形であることからつけられた。草丈は1~3メートルである。茎にも葉にも軟毛が生える。葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。 開花時期は7~8月である。茎先に黄色い筒状花と舌状花からなる頭花をつける。 向日葵(ヒマワリ)によく似ている。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。根を生薬で土木香(どもっこう)といい、発汗、利尿、去痰の薬効がある。英名はエリキャンペーン(elecampane)である。属名の Inula はオオグルマの古代ラテン名からきている。種小名の helenium はトロイの「ヘレン(Helena)」の名からきている。写真は7月に小石川植物園で撮った。学名:Inula helenium★夏の陽を一杯浴びて人様の 役に立てれば言うことはなし花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
伊吹九蓋草(イブキクガイソウ) 夏の花 2012年08月10日 伊吹九蓋草(イブキクガイソウ)はゴマノハグサ科クガイソウ属の多年草である。分類体系によってはオオバコ科とされる。分類上は、本州に広く分布する九蓋草(クガイソウ)の変種とされている。伊吹山の固有種で、基本種よりも背丈が低い。草丈は50センチくらいである。茎は直立する。葉は披針形で、4~8枚が輪生して何段もの層になる。葉は先が尖り、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は7~8月である。茎先に穂状の長い総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、青紫色の小さな花をたくさんつける。花冠は筒状をしていて、先が浅く4つに裂ける。萼片は5枚で先が尖る。雄しべは2本、雌しべは1本である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Veronicastrum はラテン語の「Veronica(クワガタソウ属)+astrum(似ている)」からきている。種小名の japonicum は「日本の」という意味である。変種名の humile は「背が低い」という意味である。写真は8月に伊吹山で撮った。学名:Veronicastrum japonicum var. humile ★背が低く同じ花とは思えない なるほど分ける見方もあるか花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|