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浜払子(ハマボッス)



浜払子(ハマボッス)はサクラソウ科オカトラノオ属の越年草である。
北海道から沖縄にかけて分布し、海岸の岩場や礫地、砂浜などに生える。
海外では、朝鮮半島、台湾、中国、フィリピン、太平洋諸島などにも分布する。
「払子」というのは僧侶の用いる仏具のことで、花の様子をたとえたものである。
草丈は10~40センチくらいである。
全草に毛は生えていない。
茎は根元で枝分かれをし、さらに上部で枝分かれをする。
茎は赤味を帯びることが多い。
葉は倒卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の質は分厚く、表面には艶がある。
開花時期は4~6月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径1センチくらいの白い花をつける。
花冠は5つに深く裂け、横に開く。
雄しべは5本で短く、真ん中に雌しべが1本ある。
実は球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、赤茶色に熟する。
属名の Lysimachia はマケドニア王「リュシマコス(Lysimachus)」の名からきている。
種小名の mauritiana は「モーリシャス島の」という意味である。
写真は5月に沖縄本島の辺戸岬で撮った。
学名:Lysimachia mauritiana


★ぼってりと厚い葉っぱに手を触れて
 生きる力の強さを感じ




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釣鐘葛(ツリガネカズラ)



釣鐘葛(ツリガネカズラ)はノウゼンカズラ科ツリガネカズラ属の常緑蔓性低木である。
原産地は北アメリカの南部である。
枝は10メートルくらい伸びる。
葉は長い楕円形で、向かい合って生える。
開花時期は4~6月である。
葉の脇に橙赤色をした釣鐘状の花を数輪ずつつける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
花の色や香りがカレーに近いので、カレーバインという流通名もある。
属名の Bignonia はフランスの聖職者でルイ14世の司書だった「ビニョン(Jean-Paul Bignon, 1662-1743)さん」の名からきている。
種小名の capreolata は「巻鬚のある」という意味である。
写真は5月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Bignonia capreolata


★ぶら下がる釣鐘葛を写そうと
 近づきみれば微かな香り




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紅紫壇(ベニシタン)



紅紫壇(ベニシタン)はバラ科シャリントウ属(コトネアステル属)の常緑低木である。
属名の読み方は「コトネアスター属」とするものもある。
シャリントウのほうは漢字では「車輪桃」と書き、属名の総称として用いられている。
本種の原産地は中国である。
日本へは昭和時代の初期に渡来した。
樹高は1メートルくらいである。
枝は横に広がる。
葉は幅の広い卵形で。互い違いに生える(互生)。
葉には艶がある。
開花時期は5~6月である。
枝に沿って淡い紅色の花をつける。
花の後にできる実は球形のナシ状果で、秋に赤く熟する。
別名を矮鶏車輪桃(チャボシャリントウ)という。
コトネアスターの名でも流通している。
属名の Cotoneaster はラテン語の「cotoneum(マルメロ)+aster(似て非なるもの)」からきている。
種小名の horizontalis は「水平の」という意味である。
花の写真は5月に川口市立グリーンセンターで撮った。
実の写真は11月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
学名:Cotoneaster horizontalis


★枝沿いに恥らうように紅い花
 びっしりつけてコトネアスター




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牛の毛草(ウシノケグサ)



牛の毛草(ウシノケグサ)はイネ科ウシノケグサ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地や高山の岩場に生える。
海外では、北半球の亜寒帯から温帯にかけて広く分布するが、変異が多い。
草丈は20センチから40センチくらいである。
根茎は短く、匍匐茎がない。
多数の稈が叢生する。
葉は針形で2つ折りに畳まる。
毛は生えていない。
開花時期は6月から8月くらいである。
茎先に数個の小さな花をつけた緑白色の小穂をつける。
花の後にできる実はえい果(イネ科の果実で薄い木質の果皮が種子に密着している)である。
和名の由来は葉の様子を牛の毛にたとえたものである。
属名の Festuca はある種のイネ科植物に対する古代ラテン名からきている。
種小名の ovina は「羊の好む」という意味である。
写真は6月に北大植物園で撮った。
学名:Festuca ovina


★面白い名前の草があるものと
 楽しみながら葉を確かめて




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アポイ鳥兜(アポイトリカブト)



アポイ鳥兜(アポイトリカブト)はキンポウゲ科トリカブト属の多年草である。
北海道の固有種である。
日高山脈にのみ分布し、かんらん岩や蛇紋岩地帯などの高山の草地に生える。
アポイ岳、札内岳、戸蔦別岳などに生育している。
別名を日高鳥兜(ヒダカトリカブト)ともいう。
このほうが一般的な名称のようであるが、北大植物園のラベルは「アポイ」であった。
蝦夷細葉鳥兜(エゾホソバトリカブト)の近縁種である。
草丈は30~90センチくらいである。
茎の上部には曲がった毛が生えるのが本種の特徴である。
葉は3つに裂け、小葉が更に2つに深く裂ける。
開花時期は8~9月である。
青紫色の花びらのように見えるのは萼片で、5枚ある。
本当の花弁は萼片の内側に2枚ある。
雄しべはたくさんあり、雌しべは3本から5本くらいある。
雄しべにも雌しべにも毛がないことが本種の特徴である。
花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。
全草にアルカロイドのアコチニンなどを含み有毒である。
属名の Aconitum はギリシャ語の「akon(投げやり)」からきている。
種小名の apoiense は「アポイ岳の」という意味である。
写真は9月に北大植物園で撮った。
学名:Aconitum apoiense


★薄っすらと色づく青が冴え渡る
 高山の花アポイ鳥兜




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