大雪の花(オオユキノハナ) 冬の花 2011年01月06日 大雪の花(オオユキノハナ)はヒガンバナ科マツユキソウ属(ガランツス属)の多年草である。原産地はバルカン半島からトルコにかけてである。スノードロップ(snowdrop)と呼ばれるものの1つである。別に待雪草(マツユキソウ:Galanthus nivalis)にもこの名称が用いられる。大待雪草(オオマツユキソウ)の名も充てられるが、スノーフレーク(Leucojum aestivum)にも同じ名前があるので紛らわしい。草丈は15センチから20センチくらいである。根際から生える葉はへら形である。開花時期は1月から3月である。花茎の先に白い花を下向きにつける。花被片は6枚である。花被片のつけ根の部分は緑色である。また、内花被片(短い花被片)には緑色の模様が入る。属名の Galanthus はギリシャ語の「gala(ミルク)+ anthos(花)」からきている。種小名の elwesii はイギリス人の植物採集家「エルウェイズ(J.H.Elwes)さんの」という意味である。本種をトルコで採取してイギリスに紹介した。写真は1月につくば植物園で撮った。学名:Galanthus elwesii★早々と花を開いた妖精さん 霜にご注意大雪の花今日の花ドットコム花図鑑PR
カメリア・ロサエフロラ 冬の花 2011年01月05日 カメリア・ロサエフロラはツバキ科ツバキ属の常緑低木である。原産地は中国である。1850年代に中国からイギリスへ渡った。種小名の読み方は「ロゼフローラ」や「ロシフローラ」なども見られる。中国名は「玖瑰連蕊茶」である。樹高は1メートルくらいである。葉は細長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の色は緑色ないし黄緑色で、艶はあまりない。開花時期は1月から3月くらいである。花径3、4センチの濃い桃色の小さな花をつける。花の形はラッパ状である。花弁数は6枚から9枚くらいである。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。多くの園芸品種の交配親となっている。属名の Camellia は17世紀のチェコスロバキアの宣教師「G.J.Kamell」の名にちなむ。マニラに住み、東アジアの植物を採集した。種小名の rosaeflora は「バラのような花の」という意味である。写真は1月につくば植物園で撮った。学名:Camellia rosaeflora★愛らしい色と形に笑み洩れる ロサエフロラは乙女のようで今日の花ドットコム花図鑑
編目耳掻草(アミメミミカキグサ) 冬の花 2011年01月02日 編目耳掻草(アミメミミカキグサ)はタヌキモ科タヌキモ属の多年草である。インドやスリランカに分布し、湿地に生える食虫植物である。草丈は5センチから10センチくらいである。葉は線形で先が曲がる。葉の形が耳掻きにたとえられている。開花時期は冬~春である。温度が合えば周年開花をする。花径は5ミリくらいで、淡い紅紫色をしている。花の形は半球形で、唇弁に網目状の模様が入るのが特徴である。後ろに伸びる距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)は弓状である。花茎のつけ根にある補虫嚢で小動物を捕まえる。学名のウトリクラリア・レティクラタで表示するものもある。属名の Utricularia は「utriculus(小気胞)」からきている。小さい捕虫嚢のあるという意味。種小名の reticulata には「網状の」という意味がある。写真は1月に小石川植物園で撮った。学名:Utricularia reticulata★小悪魔と呼ばれようとも構わない 生きる術なら任せておいて今日の花ドットコム花図鑑
房咲き水仙(フサザキスイセン) 冬の花 2010年12月28日 房咲き水仙(フサザキスイセン)はヒガンバナ科スイセン属の多年草である。原産地は地中海沿岸地方である。日本水仙(ニホンズイセン)の基本種である。唐の時代より前にシルクロードを経由して中国に伝わった。日本へは中国を経由して渡来し、暖地の海岸近くに野生化している。イギリス王立園芸協会の分類ではタゼッタ水仙(タゼッタスイセン)とされている。タゼッタ(tazetta)はイタリア語に由来し「小型のコーヒーカップ」を意味する。花の形を譬えたものである。草丈は20センチから40センチくらいである。根際から生える葉は平らな線形で、時計回りにねじれる。開花時期は12月から4月くらいである。茎先に白い花を房状につける。副花冠は小さな杯状で白い。日本水仙(ニホンズイセン)の場合、副花冠は黄色い。根茎等にリコリンを含み有毒である。 写真は1月に小石川植物園で撮った。学名:Narcissus tazetta★絹の道たどりはるばる東方へ 伝わりし花冬を彩り今日の花ドットコム花図鑑
バンクシア・エリキフォリア 冬の花 2010年12月26日 バンクシア・エリキフォリアはヤマモガシ科バンクシア属の常緑小高木である。原産地はオーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州である。英名はヒースバンクシア(health banksia)という。樹高は3~7メートルくらいである。葉は線形である。葉の表面は暗い緑色、裏面は灰白色である。日本での開花時期は1月から2月である。原産地では周年開花をする。長い円筒形のブラシのような穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、橙色の花をつける。長く飛び出しているのは花柱(雌しべの一部で柱頭と子房とをつなぐ部分)である。花被片が4枚あり、それぞれに雄しべが1本ずつつく。花の後にできる実は木質の袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。松かさのようになり、種子は硬い殻の中にとどまって山火事を待つという。写真は12月につくば植物園で撮った。学名:Banksia ericifolia★不思議さは並みではないねバンクシア ブラシのような花に見とれて今日の花ドットコム花図鑑