レモン 果実・野菜 2010年12月24日 レモン(lemon)はミカン科ミカン属の常緑低木である。原産地はインドのアッサム地方である。十字軍の遠征でヨーロッパに持ち帰られ、今では地中海沿岸地方が主産地となっている。コロンブスの航海にもビタミンCの供給源として持参されたという。日本へは明治時代に渡来した。樹高は1メートルから3メートルくらいである。葉の脇には棘がある。葉は長い楕円形ないし披針形で、互い違いに生える(互生)。葉は先が尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は5月から6月である。葉の脇に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、香りのよい白い5弁花を咲かせる。果期は10月から12月である。果実は長楕円形で両端がとがり、レモン色に熟す。古くから、飲料や香料に利用されてきた。漢字では「檸檬」と書く。写真は12月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。花の写真は4月に箱根強羅公園で撮った。学名:Citrus limon★ほんとはね寒さとっても苦手なの だけど我が儘言わないつもり今日の花ドットコム花図鑑PR
ジャボチカバ 果実・野菜 2010年12月20日 ジャボチカバ(jaboticaba)はフトモモ科ミルキアリア属の常緑高木である。和名は葡萄の木(ブドウノキ)である。原産地はブラジルの南部で、丘陵地帯に生える。樹高は8メートルから10メートルくらいである。葉は長い楕円形で、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない(全縁)。花も実も周年性があり、幹や太い枝に直接つく。花は花径5ミリから10ミリくらいと小さく、色は白い。長い雄しべの目立つ花である。幹に直接つく花を幹生花という。幹に鈴なりにつく実は、直径2センチくらいの液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。幹に直接つく実は幹生果という。果皮は黒く、果肉は白い。食感は葡萄(ブドウ)とよく似ている。実は日持ちが悪いために市場では流通していない。写真は4月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。学名:Myrciaria cauliflora★花も実も幹にべったり貼りついた ジャボチカバには異国情緒今日の花ドットコム花図鑑
セイロン万両(セイロンマンリョウ) 果実・野菜 2010年12月19日 セイロン万両(セイロンマンリョウ)はヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑低木である。原産地はスリランカである。現在では、台湾、東南アジア、太平洋諸島、オーストラリアなどに分布する。沖縄でも、民家や公園に植えられている。別名を紅頭橘(コウトウタチバナ)という。「紅頭」は台湾にある旧地名である。樹高は3メートルから4メートルである。葉は少し厚めで楕円形で、互い違いに生える(互生)。自生地での開花時期は周年である。沖縄では夏に開花する。葉の脇から総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、小さな青白い花をつける。あまり目立たない花である。花の後にできる実は球形の核果(水分を多く含み中に種が1つある)で、赤から赤紫へと変化し、熟すと黒くなる。実は食べられて、特に小鳥には好まれる。種小名の elliptica は「楕円形の」の意味である。写真は11月に沖縄県本部町の熱帯・亜熱帯都市緑化植物園で撮った。学名:Ardisia elliptica★万両を思わすような形して だけど大形南国の木は今日の花ドットコム花図鑑
実葛(サネカズラ) 果実・野菜 2010年12月18日 実葛(サネカズラ)はマツブサ科サネカズラ属の蔓性常緑低木である。本州の東北地方南部から九州にかけて分布し、山地の林の中や林の縁に生える。また、庭木や盆栽とされる。海外では、朝鮮半島、台湾、中国などにも分布する。蔓性だが絡みつくというよりは垂れる感じになる。葉は長めの楕円形で艶があり、互い違いに生える(互生)。葉の先はやや尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の裏面は赤味を帯びることが多い。開花時期は7月から8月である。雌雄異株である。葉の脇から柄を出して、釣鐘形をした黄白色の小さな花をつける。雄花の中には赤い雄しべが、雌花の中には緑色の雌しべが、それぞれたくさんあって螺旋状に集まる。実は球状の小さな液果(果皮が肉質で液汁が多い実)の集合果で、10月から12月ころ赤く熟する。名の由来は、「実(さね)」が美しい「葛(蔓性の植物)」というところからきている。小倉百人一首など多くの和歌に詠まれている。別名を美男葛(ビナンカズラ)ともいう。これは、枝の皮に含まれる粘液を水に混ぜ、整髪料として用いたことに由来する。実を乾燥させたものを生薬で南五味子(なんごみし)といい、滋養強壮、鎮咳などの薬効がある。俳句の季語は秋である。実の写真は12月に向島百花園で撮った。花の写真は9月に川口市立グリーンセンターで撮った。学名:Kadsura japonica★ギヤマンのグラス思わす実葛 毒杯たれど我も呷(あお)らん今日の花ドットコム花図鑑
蛸の木(タコノキ) 果実・野菜 2010年12月13日 蛸の木(タコノキ)はタコノキ科タコノキ属の常緑小高木である。タコノキ属はアジア、アフリカ、太平洋諸島、オーストラリアなどに分布し、650種くらいある。本種は小笠原諸島特産である。学名の boninensis には「小笠原の」という意味がある。環境省のレッドデータブック(2000)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されていた。環境省のレッドデータリスト(2007)では削除されている。樹高は5メートルから10メートルくらいである。根元に気根(空気中に伸びる根)が垂れるのが特徴である。それが蛸の足のように見えるというのが名の由来でもある。葉は肉厚で、細長い剣状である。葉の縁には鋭い棘状のぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は5月から6月である。雌雄異株である。花序は肉穂花序(花軸が多肉化して花が表面に密生したもの)である。雄花は黄白色で、雌花は緑色である。花の後にできる実はパイナップルのような集合果で、10月ころに赤黄色に熟する。実は食べられる。別名を小笠原蛸の木(オガサワラタコノキ)という。写真は12月に沖縄県本部町の熱帯・亜熱帯都市緑化植物園で撮った。学名:Pandanus boninensis★足元がとてもミラクル蛸の木は ねじれよじれて踏ん張りながら今日の花ドットコム花図鑑