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実葛(サネカズラ)

実葛(サネカズラ)

実葛(サネカズラ)はマツブサ科サネカズラ属の蔓性常緑低木である。
本州の東北地方南部から九州にかけて分布し、山地の林の中や林の縁に生える。
また、庭木や盆栽とされる。
海外では、朝鮮半島、台湾、中国などにも分布する。
蔓性だが絡みつくというよりは垂れる感じになる。
葉は長めの楕円形で艶があり、互い違いに生える(互生)。
葉の先はやや尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の裏面は赤味を帯びることが多い。
開花時期は7月から8月である。
雌雄異株である。
葉の脇から柄を出して、釣鐘形をした黄白色の小さな花をつける。
雄花の中には赤い雄しべが、雌花の中には緑色の雌しべが、それぞれたくさんあって螺旋状に集まる。
実は球状の小さな液果(果皮が肉質で液汁が多い実)の集合果で、10月から12月ころ赤く熟する。
名の由来は、「実(さね)」が美しい「葛(蔓性の植物)」というところからきている。
小倉百人一首など多くの和歌に詠まれている。
別名を美男葛(ビナンカズラ)ともいう。
これは、枝の皮に含まれる粘液を水に混ぜ、整髪料として用いたことに由来する。
実を乾燥させたものを生薬で南五味子(なんごみし)といい、滋養強壮、鎮咳などの薬効がある。
俳句の季語は秋である。
実の写真は12月に向島百花園で撮った。
花の写真は9月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Kadsura japonica


★ギヤマンのグラス思わす実葛
 毒杯たれど我も呷(あお)らん


実葛(サネカズラ)
実葛(サネカズラ)

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