島唐辛子(シマトウガラシ) 果実・野菜 2010年12月11日 島唐辛子(シマトウガラシ)はナス科トウガラシ属の多年草である。島唐辛子(シマトウガラシ)は沖縄での名称である。和名は木立唐辛子(キダチトウガラシ)である。沖縄方言では「コーレーグス」という。「コーレー」は高麗、「グス」は薬をさす。草丈は1メートルから2メートルである。葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。開花時期は7月から9月くらいである。白い花が葉の脇につく。実は長さ3センチから5センチくらいで、緑色から赤く熟する。写真は12月に沖縄県本部町の熱帯・亜熱帯都市緑化植物園で撮った。学名:Capsicum frutescens★クースーに漬けて沁み込む一滴が 沖縄そばに旨味加えて今日の花ドットコム花図鑑PR
小葉の莢迷(コバノガマズミ) 果実・野菜 2010年11月23日 小葉の莢迷(コバノガマズミ)はスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木である。「迷」の字は正しくはクサカンムリがつくのだが仮に用いた。日本固有種である。本州の東北地方南部から九州にかけて分布し、山地の林の中などに生える。樹高は2メートルから4メートルくらいである。葉は細長い卵形で先が尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の柄は短く、葉は向かい合って生える(対生)。葉の長さは4センチから10センチくらいの楕円形で、近縁種の莢迷(ガマズミ)に比べて小さい。それが和名の由来にもなっている。葉の表裏ともに星状毛(放射状に伸びる毛)が生えるのが特徴で、葉に触るとビロードのような感じがする。開花時期は4月から5月である。枝先に白い小さな花を密につける。花序径は5センチくらいあって、花は横に平べったい感じにつく(散房花序)。花径は5ミリくらいで、花冠の先が5つに裂け、その裂片が平たく開くので、5弁花のように見える。雄しべは5本あり、花冠より長く突き出している。実は球形の核果(水分を多く含み中に種が1つある)で、秋になると真っ赤に熟する。実の写真は11月につくば植物園で撮った。花の写真は5月に箱根湿生花園で撮った。学名:Viburnum erosum★雨の中小さく白い花びらを 精一杯に広げる姿今日の花ドットコム花図鑑
花梨(カリン) 果実・野菜 2010年11月14日 花梨(カリン)はバラ科カリン属(ボケ属)の落葉高木である。原産地は中国の東部である。漢名は「木瓜」である。日本へは1000年以上前に渡来したという。本州の東北地方から中国地方にかけて栽培が行われている。また、北海道から九州にかけて庭園樹や公園樹として植えられている。樹高は6メートルから10メートルくらいである。樹皮は鱗片状に剥がれるが、手触りは滑らかである。葉は倒卵形で、互い違いに生える(互生)。葉には柄があり、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。葉のつけ根の部分は円く、先は尖る。開花時期は3月から4月である。葉の展開と同時に花を咲かせる。枝先に1つずつ咲かせる花は、花径3センチくらいの淡い紅色をした5弁花である。雄しべは20本から22本、雌しべは5本である。結実期は10月から11月である。果実は長さが10センチくらいある長円形で洋梨のような形をしており、緑色から黄色に熟する。香りが強く、喉の薬として知られている。実はかなり固くて酸味も強いので、生食には適さない。加工されて、砂糖漬けやジャム、果実酒などに用いられる。古名を安蘭樹(アンランジュ)という。俳句では秋の季語である。実の写真は11月に板橋区立赤塚植物園で撮った。花の写真は3月に小石川植物園で撮った。学名:Pseudocydonia sinensis(=Chaenomeles sinensis)★ぼってりと青空抜けて花梨の実 見上げて触る幹はすべすべ今日の花ドットコム花図鑑
紫式部(ムラサキシキブ) 果実・野菜 2010年11月12日 紫式部(ムラサキシキブ)はクマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木である。日本原産である。北海道の南部から沖縄にかけて分布し、山野に生える。樹高は2メートルから3メートルである。葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。葉の縁には細かなぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は6月から7月である。葉の脇に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、淡い紫色の小さな花をたくさんつける。花は筒状で先が4つに裂けて平らに開く。雄しべは4本、雌しべは1本で、花冠から飛び出る。結実期は10月から12月である。実は直径3、4ミリの球形で、きれいな紫色に熟する。材はまっすぐに伸びて強靱であることから、金槌などの道具の柄や杖として利用される。俳句では、「紫式部」や「実紫」が秋の季語、「紫式部の花」が夏の季語である。実の写真は11月に小石川植物園で撮った。花の写真は6月に向島百花園で撮った。学名:Callicarpa japonica★紫のそこはかとなき清らかさ 珠と結びて紫式部今日の花ドットコム花図鑑