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定家葛(テイカカズラ)



定家葛(テイカカズラ)はキョウチクトウ科テイカカズラ属の蔓性常緑低木である。
本州から沖縄にかけて分布し、山野の樹木や岩に絡みついて生える。
また、庭木ともされる。
海外では、朝鮮半島、中国などにも分布する。
蔓の長さは5~10メートルくらいになる。
葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の質は分厚く艶がある。
開花時期は5~9月である。
花の色は最初は純白で、終わりに近づくと黄色くなる。
スクリューのような形をしている合弁花で、5つに裂けている。
花のつけ根の筒には雄しべ5本と雌しべが入っている。
花の後にできる実は弓形をしたさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
実の中から白い毛のついた種子が出てくる。
茎や葉は薬用にされ、鎮痛・強壮などの効果がある。
なお、名は藤原定家にちなんでいる。
また、古名を真拆の葛(マサキノカズラ)という。
天岩戸の神話にちなむ名だという。
属名の Trachelospermum はギリシャ語の「trachelos(首)+sperma(種子)」からきている。種子がくびれていることから名づけられた。
種小名の asiaticum は「アジアの」という意味である。
写真は7月につくば植物園で撮った。
学名:Trachelospermum asiaticum


★絡みつく塀一面に咲く花は
 天をめざすかプロペラ回し




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懐慶地黄(カイケイジオウ)



懐慶地黄(カイケイジオウ)はゴマノハグサ科ジオウ属で多年草ある。
分類体系によってはオオバコ科とされる。
中国の華北などに自生する赤矢地黄(アカヤジオウ)から改良された栽培種である。
主産地の河南省懐慶にちなんで名づけられた。
中国や朝鮮半島で栽培されている。
日本へは1940年に渡来し、研究機関などで保存されてきた。
草丈は10~30センチくらいである。
全体に灰白色をした軟毛を密生している。
地下茎は太く赤褐色で、横に這う。
根際から生える葉は長い楕円形で皺が多く、裏面は紫色を帯びる。
茎につく葉は疎らで互い違いに生える(互生)。
開花時期は6~7月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、淡い紅紫色をした筒状の花を横向きにつける。
花冠は先で浅く5つに裂ける。
特徴は株が大きく、根茎がよく肥大していることである。
根茎を生薬の地黄(じおう)といい、補血、強壮、解熱、緩下、止渇などの薬効がある。
近縁種の赤矢地黄(アカヤジオウ)は奈良県で栽培されている。
属名の Rehmannia はロシア皇帝の侍医だった「レーマン(J. Rehmann)さん」の名からきている。
種小名の glutinosa は「ねばついた」という意味である。
品種名の hueichingensis は地名由来の言葉である。
写真は4月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Rehmannia glutinosa f. hueichingensis


★パワフルな力を土の下に秘め
 懐慶地黄花は優しく




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燕水仙(ツバメズイセン)



燕水仙(ツバメズイセン)はヒガンバナ科スプレケリア属の多年草である。
スプレケリア属は1属1種である。
かつてはアマリリス属に分類されていた。
原産地はメキシコである。
日本へは明治時代に渡来した。
草丈は30~40センチである。
茎は中空である。
葉は根際から生え、細長い線形である。
開花時期は5~6月である。
葉があるうちに花が咲く。
1本の花茎に1つの花がつく。
花の色は赤く、花径は10センチくらいある。
花被片は6枚で、反り返る。
このうち下側3枚は、重なり合って間隔が狭くなっている。
雄しべは6本である。
雌しべの花柱の先は3つに裂ける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
名の由来は、花の形が燕のように見えることからきている。
属名の Sprekelia はドイツ人の植物学者「スプレケル(Dr. Sprekel)さん」の名からきている。
種小名の formosissima は「非常に美しい」という意味である。
写真は6月に千葉県野田市の清水公園花ファンタジアで撮った。
学名:Sprekelia formosissima


★ユニークな花の姿で色も派手
 メキシコの花燕水仙


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ロードデンドロン・パキサンツム



ロードデンドロン・パキサンツムはツツジ科ツツジ属の常緑低木である。
原産地は台湾である。
中国名は「台湾山地杜鵑」である。
標高3000~3200メートルの高山に生える。
樹高は120センチくらいである。
枝は軟毛で被われる。
葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。
若い葉には黄褐色の軟毛が密生する。
やがて毛は落ちて表面は濃い緑色になる。
葉の裏面は淡い茶色で、赤褐色の軟毛が生える。
開花時期は春から夏である。
花径4センチくらいの広い漏斗状の花を10~20輪ずつつける。
花の色は白ないし淡い紅色で、紫ないし紅色の斑点が入る。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Rhododendron はギリシャ語の「rhodon(バラ)+dendron(樹木)」からきている。紅色の花をつける木という意味で名づけられた。
種小名の pachysanthum は「太い花の」という意味である。
写真は4月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。
学名:Rhododendron pachysanthum


★高山に這うようにして咲くという
 石楠花の花けな気に見えて




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大山苧環(オオヤマオダマキ)



大山苧環(オオヤマオダマキ)はキンポウゲ科オダマキ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地の草地や林の縁などに生える。
海外では、朝鮮半島、中国東北部、シベリアなどにも分布する。
草丈は30~60センチくらいである。
根際から生える葉には長い柄があり、2回3出複葉である。
3出複葉というのは1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形のことである。
それをもう1回繰り返すので、1つの葉は9枚の小葉で構成される。
小葉は扇形で2つか3つに裂ける。
開花時期は5~7月である。
茎の上部に花径3~4センチの花を下向きにつける。
萼弁5枚は紫褐色または淡い黄色である。
花弁5枚は淡い黄色である。
花弁のつけ根の部分は長く伸びて距となる。
距の先が内側に強く巻き込んでいるのが特徴である。
花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。
属名の Aquilegia はラテン語の「aquila(鷲)」からきている。曲がった距がワシの距に似ていることから名づけられた。
種小名の buergeriana はシーボルトの弟子で日本植物採集家であったドイツ人の「ブュルゲル(H. Buerger)さんの」という意味である。
変種名の oxysepala は「鋭い萼片のある」という意味である。
写真は5月に日比谷公園の野草展(むさしの山草会)で撮った。
学名:Aquilegia buergeriana var. oxysepala


★ぐるりんと巻き込むように距をまげて
 大山苧環何を思うや




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