ゲンチアナ・ベルナ 夏の花 2012年06月13日 ゲンチアナ・ベルナはリンドウ科リンドウ属の多年草である。読み方は「ゲンチアナ・ヴェルナ」や「ゲンチアナ・ウェルナ」とするものもある。ヨーロッパからシベリアにかけて分布する。アルプスを代表する花の一つで、アルプスでは標高600~3000メートルの地域に分布し、牧草地や石灰質の土地に生える。草丈は5~10センチくらいである。根際から生える葉はロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)となる。開花時期は4~7月である。濃い青色の花を咲かせる。花は筒形で先が5つに裂け、日が当たると花の先の裂片が開く。花の色は空色や白花のものもある。花の中には真ん中に花柱(雌しべ)があり、その周りに5本の雄しべがある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Gentiana は紀元前のイリリア王「ゲンティウス(Gentius)」の名にちなむ。種小名の verna は「春咲きの」という意味である。写真は9月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。学名:Gentiana verna★アルプスの牧場に咲く青い花 ゲンチアナ・ベルナいつか見ようと花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
鹿子草(カノコソウ) 夏の花 2012年06月12日 鹿子草(カノコソウ)はオミナエシ科カノコソウ属の多年草である。北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、湿った草地などに生える。海外では、台湾、朝鮮半島、中国東北部、サハリンにも分布する。和名の由来は、花の咲いている様子が鹿の子しぼりに見えることからきている。また、女郎花(オミナエシ)に似た姿で淡い紅色の花を咲かせるところから春女郎花(ハルオミナエシ)の別名がある。草丈は50~60センチくらいである。茎は直立する。葉は向かい合って生え(対生)、羽状に分ける。開花時期は6~7月である。茎先に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、淡い紅紫色の小さな花をたくさんつける。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。根茎を乾かしたものが生薬の吉草根(きっそうこん)で、ストレスによる病気に効果がある。俳句の季語は春である。属名の Valeriana はラテン語の「valere(強くなる)」からきているという説がある。種小名の fauriei は明治時代のフランス人宣教師で日本の植物を採集した「フォーリー(U. Faurie)さんの」という意味である。写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Valeriana fauriei★なよやかな花の姿に安らぎて 辛い思いをしばし忘れて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
礼文小桜(レブンコザクラ) 夏の花 2012年06月11日 礼文小桜(レブンコザクラ)はサクラソウ科サクラソウ属の多年草である。北海道の固有種である。礼文島、手塩地方、空知地方、北見山地、知床半島だけに分布し、山地の岩場や乾いた草地に生える。分類上は、雪割草(ユキワリソウ)の変種とされている。基本種よりも大形である。環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。草丈は10~20センチくらいである。葉はさじ形で、下部は狭まって柄のようになる。葉の縁はやや裏側に曲がる。自生地での開花時期は5~7月である。茎先に散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、淡い紅紫色の花を10輪くらいボールのようにかためてつける。花径は10~15ミリくらいである。花冠は5つに分かれて真ん中は黄色く、裂片の先は2つに割れている。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Primula はラテン語の「primos(最初)」縮小形である。プリムラ・ベリスが早春に他に花に先駆けて咲くことから名づけられた。種小名の modesta は「内気な」という意味である。変種名の matsumurae は植物分類学者「松村任三さんの」という意味である。写真は9月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。学名:Primula modesta var. matsumurae★わいわいと春の歓び伝え合う 乙女のごとく礼文小桜花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
裏白金梅(ウラジロキンバイ) 夏の花 2012年06月10日 裏白金梅(ウラジロキンバイ)はバラ科キジムシロ属の多年草である。北海道と本州中部地方に分布し、高山の岩場や砂礫地に生える。海外では、北半球の北部に広く分布する周北極要素植物である。寒冷期に日本まで分布を広げ、温暖化が進む中で高山に取り残されたものと推測される。日本での分布は不連続で、北海道の礼文島や夕張岳、中部地方の白馬岳、八ヶ岳、北岳、荒川岳などに生育する。環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。草丈は5~20センチくらいである。茎には白い毛が密生している。根際から生える葉は3出複葉(1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形)である。小葉の形は楕円形で、深いぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の裏面には白い毛が密生している。これが和名の由来にもなっている。近縁種の深山金梅(ミヤマキンバイ)に似ているが、見分けるポイントとなる。開花時期は6~7月くらいである。長い花茎を伸ばし、花径2センチくらいの黄色い5弁花をつける。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの) である。属名の Potentilla はラテン語の「potens(強力)」の縮小形である。この属の1種の強い薬効に対してつけられた名である。種小名の nivea は「雪のように白い」という意味である。写真は9月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。学名:Potentilla nivea★花茎をひょろりと伸ばし金色の 花が微笑む裏白金梅花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
布袋敦盛(ホテイアツモリ) 夏の花 2012年06月09日 布袋敦盛(ホテイアツモリ)はラン科アツモリソウ属の多年草である。北方領土を含む北海道と本州の中部地方に分布し、山地や亜高山の草地や林の中に生える。近縁種の敦盛草(アツモリソウ)よりも高い所に咲き、自生地は少ない。環境省のレッドデータリスト(2007)では、「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」である絶滅危惧IA類(CR)に登録されている。別名を布袋敦盛草(ホテイアツモリソウ)という。草丈は20~50センチくらいである。楕円形で先の尖った3~5枚の葉が互い違いに生える。開花時期は6~7月である。茎先に花径3~5センチの紅紫色の花を下向きにつける。花は球形をしており、唇弁は楕円状の球形で大きい。また、数本の黒い筋が見られる。敦盛草(アツモリソウ)と草丈は変わらないが、花が大きく色も濃い。また、唇弁が横に広がって咲く。和名の由来は、唇弁の形を布袋(ほてい)の腹に見立てたものである。属名の Cypripedium はギリシャ語の「Cypris(女神ビーナス)+pedilon(スリッパ)」からきている。唇弁が大きく前へ突出して袋状となっているのを婦人用のスリッパにたとえた。種小名の macranthos は「大きな花の」という意味である。写真は6月に北大植物園で撮った。学名:Cypripedium macranthos(=Cypripedium macranthos var. hotei-atsumorianum)★大輪が迫力を増す咲き姿 布袋敦盛ここにおるぞと花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|