四角向日葵(シカクヒマワリ) 夏の花 2011年09月04日 四角向日葵(シカクヒマワリ)はキク科テトラゴノテカ属の一年草である。向日葵(ヒマワリ)に近い仲間である。原産地は北アメリカの南東部である。和名の由来は、茎が四角いところからきている。草丈は2~3メートルくらいである。茎は直立をする。葉は心形で、向かい合って生える(対生)。葉の先は尖り、つけ根の部分は茎を抱く。開花時期は6~8月である。茎の上部で枝分かれをして、先に黄色い花(頭花)をつける。花は向日葵(ヒマワリ)ほどは大きくはない。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名の Tetragonotheca はギリシャ語の「tetra(4つの)+gono(種)+theca(ケース)」からきている。種小名の helianthoides は「ヒマワリ属(Helianthus)のような」という意味である。写真は7月につくば植物園で撮った。学名:Tetragonotheca helianthoides★しげしげと花覗き込み考える 四角向日葵どこが四角い花図鑑植物図鑑PR
糸葉春車菊(イトバハルシャギク) 夏の花 2011年09月02日 糸葉春車菊(イトバハルシャギク)はキク科ハルシャギク属の多年草である。原産地は北アメリカで、東部を中心に分布する。草丈は30~40センチくらいである。名前の通り葉は細く切れ込んで糸状に分裂し、輪になって生える(輪生)。開花時期は6~9月である。茎の上部に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、花径5センチくらいの黄色い花(頭花)をたくさんつける。舌状花は8枚で、コスモスに似ている。そのため、宿根コスモス(シュッコンコスモス)の名でも流通している。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名の Coreopsis はギリシャ語の「coris(南京虫)+opsis(似た)」からきている。そう果の形が南京虫に似ているということで名づけられた。種小名の verticillata は「輪生の」という意味である。写真は7月に千葉県野田市の清水公園花ファンタジアで撮った。学名:Coreopsis verticillata★鮮やかな黄金の花が夏空に とても似合うよコレオプシスは☆黄金のコレオプシスは鮮やかに 夏の夜さえ賑やかに咲き花図鑑植物図鑑
小倉仙翁(オグラセンノウ) 夏の花 2011年09月01日 小倉仙翁(オグラセンノウ)はナデシコ科センノウ属の多年草である。熊本県の阿蘇で採集された標本に基づき、牧野富太郎博士が新種として記載した。分布域は熊本県阿蘇地方と岡山県北西部から広島県の北東部にかけてで、湿原に生える。海外では、朝鮮半島にも分布する。環境省のレッドリスト(2007)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。草丈は70~100センチくらいである。茎が細いので、他の植物に寄り添う形で生える。葉は平たくて細長い線形で、向かい合って生える(対生)。開花時期は6~8月である。花の色は紅色で、花びらは5枚である。花びらの縁がギザギザに深く裂けており、形は撫子(ナデシコ)に似ている。花の下には筒形の萼がある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Lychnis はギリシャ語の「lychnos(ランプ)」からきている。アリストテレスの弟子のテオフラストスが用いた。種小名の kiusiana は「九州の」という意味である。写真は7月に箱根湿生花園で撮った。学名:Lychnis kiusiana ★ギザギザに裂けた花びらぷるぷると 震わせて咲く小倉仙翁花図鑑植物図鑑
大花の姫沙参(オオバナノヒメシャジン) 夏の花 2011年08月31日 姫沙参(ヒメシャジン)はキキョウ科ツリガネニンジン属の多年草である。日本固有種である。本州の東北地方南部から中部地方にかけて分布し、高山の砂礫地や岩場に生える。このうち群馬県の本白根山の特産で、花冠の長さが3センチくらいある大輪のものがある。これを大花の姫沙参(オオバナノヒメシャジン)として区別する考え方がある。草丈は10~40センチくらいである。茎は細くて、多くは毛がない。葉は披針形(笹の葉のような形)で、多くは互い違いに生える(互生)。開花時期は7~9月である。釣鐘状の青紫色の花を下向きに1~10輪くらいつける。花柱(雌しべ)は花冠と同じくらいの長さかやや長い。萼片は細い線形で疎らにぎざぎざ(鋸歯)がある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。変種の深山沙参(ミヤマシャジン)はよく似ているが、花柱(雌しべ)が突き出し萼片にぎざぎざがないことで見分ける。「沙参」は釣鐘人参(ツリガネニンジン)のことで、「姫」は小さいことを指す。属名の Adenophora はギリシャ語の「adenos(腺)+phoreo(有する)」からきている。植物体全体に乳液を出す腺細胞があることから名づけられた。種小名の nikoensis は「日光の」という意味である。品種名の macrocalyx は「大きな萼の」という意味である。写真は8月に志賀高原の東館山高山植物園で撮った。学名:Adenophora nikoensis f. macrocalyx★名づけ方どこか変だと思うけど 想像できる変異の多さ花図鑑植物図鑑
白山沙参(ハクサンシャジン) 夏の花 2011年08月28日 白山沙参(ハクサンシャジン)はキキョウ科ツリガネニンジン属の多年草である。日本固有種である。北海道から本州の中部地方にかけて分布し、高山や亜高山の草地や礫地に生える。分類上は釣鐘人参(ツリガネニンジン)の高山型の変種とされている。和名の由来は、最初の発見地である白山の名を冠したものである。別名を高嶺釣鐘人参(タカネツリガネニンジン)ともいう。草丈は20~60センチくらいである。葉は披針形で、3~5枚が輪生する。葉の縁には尖ったぎざぎざ(鋸歯)がある。下部につく葉は開花時期には枯れる。よく似た姫沙参(ヒメシャジン)や深山沙参(ミヤマシャジン)の葉は互い違いに生える(互生)。開花時期は7~8月である。花は淡い青紫色をした鐘形で、数輪ずつ輪生する。花の色は濃いものや薄いものがある。花冠の先はやや広がり、雌しべの花柱が長く突き出る。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Adenophora はギリシャ語の「adenos(腺)+phoreo(有する)」からきている。植物体全体に乳液を出す腺細胞があることから名づけられた。種小名の tripylla は「3枚の葉の」という意味である。変種名の hakusanensis は「(石川県の)白山の」という意味である。写真は8月に山形市植物園で撮った。学名:Adenophora triphylla var. hakusanensis★花時は終わりに近いようだけど 出合いの縁に歓び覚え花図鑑植物図鑑