茅萱(チガヤ) 夏の花 2014年06月27日 茅萱(チガヤ)はイネ科チガヤ属の多年草である。北海道から沖縄にかけて分布し、河原や道端、荒れ地などに生える。海外では、アジア大陸やオーストラリア大陸などに広く分布する。草丈は30~80センチくらいである。茎は直立している。葉は幅広い線形でやや堅い。粽(ちまき)は昔この葉で巻いた。開花時期は5~6月である。艶のある銀白色の花穂を出す。これを茅花(ツバナ)と呼び、噛むと甘い味がする。「万葉集」にも登場する古くからの植物である。和名の由来には諸説があるが、茅も萱も屋根を葺くのに使われる草の総称である。根茎は生薬名を茅根(ぼうこん)といい、利尿薬として使われる。花言葉は「守護神」である。広義の茅萱(チガヤ)が国際自然保護連合(IUCN)によって「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されている。属名の Imperata はナポリの薬剤師「インペラタ(Ferrante Imperate, 1525?-1615?)さん」の名からきている。種小名の cylindrica は「円筒形の」という意味である。変種名の koenigii はドイツ人の植物学者「ケーニヒ(Johann Gerhard Koenig, 1728-1785)さんの」という意味である。写真は6月に小石川植物園で撮った。学名:Imperata cylindrica var. koenigii(広義:Imperata cylindrica)★緑葉の瑞々しさと穂の白さ コントラストよく茅萱は生えて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
ブラキコメ・マリウスブルー 夏の花 2014年06月25日 ブラキコメ・マリウスブルーはキク科ヒメコスモス属(ブラキコメ属)の多年草である。ブラキコメ属はオーストラリアを中心に70種くらいが分布する。属名の読み方は園芸的にはブラキカムとされる。ブラキコメ・イベリディフォリア(Brachycome iberidifolia)に姫コスモス(ヒメコスモス)の和名があり、属名の和名はヒメコスモス属という。一年草ないし多年草である。夏の湿気に弱いので日本では栽培しにくいとされている。マリウスブルーはその園芸品種である。サイトを見ると、南フランスで改良されたもので夏の暑さに強いという記述もある。ただし、国外のサイトを見てもその園芸品種名と思われる Marius Blue やそれに類似した名は発見できない。ここから推測すると、日本だけで流通している名のようである。草丈は15~20センチくらいである。葉は羽状に細かく切れ込む。開花時期は4~11月くらいである。花径は2~3センチで、花(舌状花)の色は紫色である。真ん中の筒状花は黄色い。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名の Brachycome は「brachys(短い)+come(毛)」からきている。実の冠毛が短いことから名づけられた。写真は3月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。学名:Brachycome spp.★花壇にもハンギングにも似合ってる 花期は長いよマリウスブルー花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
プリムラ・カピタタ 夏の花 2014年06月23日 プリムラ・カピタタはサクラソウ科サクラソウ属(プリムラ属)の多年草である。プリムラ属は北半球の温帯や寒帯に500種くらい分布する。また、多くの園芸品種が作出されているる日本にも桜草(サクラソウ)などが分布するので、属名の和名をサクラソウ属という。原産地は中国の南西部からチベット、ブータンにかけてである。草丈は25~35センチである。根際から生える葉はへら形で、ロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)となる。葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は5~6月である。茎先に散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、濃いバイオレット色の花を玉咲きさせる。花は白い粉をふいている。1つ1つの花冠は5つに裂け、5枚の萼片がある。雄しべは5本、雌しべは1本である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Primula はラテン語の「primos(最初)」縮小形である。プリムラ・ベリスが早春に他に花に先駆けて咲くことから名づけられた。種小名の capitata は「頭状の」という意味である。写真は6月に富山県中央植物園で撮った。学名:Primula capitata★たたえたる水の深さを示すよう カピタタの花神秘に満ちて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
八ガ岳薺(ヤツガダケナズナ) 夏の花 2014年06月22日 八ガ岳薺(ヤツガダケナズナ)はアブラナ科イヌナズナ属の多年草である。日本固有種である。南アルプス白嶺三山の北岳、鳳凰山、八ガ岳、奥秩父などに分布し、高山の岩場などに生える。このため、北岳薺(キタダケナズナ)、白鳳薺(ハクホウナズナ)の別名もある。環境省のレッドリスト(2012)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。YListは北岳薺(キタダケナズナ)を、レッドリストは八ガ岳薺(ヤツガダケナズナ)を採用している。草丈は5~10センチくらいである。葉や茎に毛が密生して全体が白っぽく見える。ルーペで見ると星のように放射状に生える毛(星状毛)である。茎は茶色っぽく、葉がついた節ごとにジグザグに折れ曲がっている。葉は幅の狭い卵形で、互い違いに生える(互生)。根際から生える葉の縁には突起状のぎざぎざ(鋸歯)がある。茎につく葉は小さく、3~7枚くらい生える。自生地での開花時期は6~7月である。花径5~8ミリくらいの白い小さな4弁花をつける。花の後にできる実は角果(雌しべの中にある仕切りを残して左右の殻がはがれるもの)である。属名の Draba はギリシャ語の「draba(辛い)」からきている。他の植物につけられた名が後に転用された。種小名の oiana は発見者である「大井一男さんの」という意味である。写真は4月に箱根湿生花園で撮った。学名:Draba oiana(syn. Draba kitadakensis)★ひっそりと岩場の隙に咲くという 白鳳薺そっと眺めて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
長葉草(ナガハグサ) 夏の花 2014年06月20日 長葉草(ナガハグサ)はイネ科ナガハグサ属の多年草である。ナガハグサ属は別名イチゴツナギ属ともいい、世界に500種くらいが分布する。本種の原産地はユーラシア大陸およびアフリカ北部で、北アメリカにも広く帰化している。日本へは明治時代の初期に牧草として渡来した。現在では北海道から沖縄にかけて野生化している。北海道のブルーリストではA3ランク(北海道に定着しており、生態系等への影響が報告または懸念されている外来種)に選定されている。草丈は30~80センチくらいである。根際から生える葉は細長い線形で、長さが20~30センチくらいある。開花時期は5~7月である。穂は茎先に輪生するように枝が出て、その先に花がつく。花の後にできる実はえい果(イネ科の果実で薄い木質の果皮が種子に密着している)である。別名をケンタッキーブルーグラス(Kentucky bluegrass)という。これは英名からきたものである。刈り込みに強く、この名称で芝生として利用されている。属名の Poa はギリシャ語の「paein(牧草)」からきている。種小名と亜種名の pratensis は「草原に生える」という意味である。写真は6月に小石川植物園で撮った。学名:Poa pratensis subsp. pratensis★長い葉はきっと美味しい長葉草 深い緑に野を彩って花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|