アスペルラ・グッソネイ 夏の花 2014年07月15日 アスペルラ・グッソネイはアカネ科クルマバソウ属(アスペルラ属)の多年草である。アスペルラ属はユーラシア大陸や北アフリカ、オーストラリアなどに200種近くが分布する。日本にも車葉草(クルマバソウ)などが分布するので、属名の和名をクルマバソウ属という。本種の原産地はイタリアのシチリア島である。学名はアスペルラ・グッソニー(Asperula gussonii)とするものもある。草丈は10センチくらいである。葉は細い披針形(笹の葉のような形)である。開花時期は5~7月である。茎先から集散花序(茎先に花がつき、少し下から横枝が出てその先にも花がつく)を出し、小さな花をつける。花の色はピンクを帯びた白である。花冠は漏斗形で、先が深く4つに裂ける。花の後にできる実は球形の分果(複数の子房からできた果実)で、2つのブロックからなる。属名の Asperula はラテン語の「asper(粗面)」の縮小形である。葉面がざらつくことから名づけられた。種小名の gussonei はイタリア人の植物学者「グッソーネ(Giovanni Gussone, 1787-1866)さんの」という意味である。写真は6月に札幌市の百合が原公園で撮った。学名:Asperula gussonei(syn. Asperula gussonii)★シチリアに固有の花がここにある 彼の地の歴史を思い起こして花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
毛蕋花(モウズイカ) 夏の花 2014年07月14日 毛蕋花(モウズイカ)はゴマノハグサ科モウズイカ属(ベルバスクム属)の越年草である。ベルバスクム属は地中海沿岸地方を中心に250種くらい分布する。園芸的にはバーバスカムという呼び名が使われる。日本へは本種などが導入されていて、属名の和名はモウズイカ属という。新しい分類体系(APGIII)でゴマノハグサ科は従来よりも狭い範囲となったが、モウズイカ属は引き続きこの科に含まれる。本種の原産地も地中海沿岸地方である。日本へは明治時代に観賞用として渡来した。現在では逸出したものが北海道から兵庫県にかけて野生化している。特に北海道から本州の東北地方にかけて多く分布している。北海道のブルーリストではBランク(北海道に定着している外来種)に登録されている。和名の「毛蕋花」は雄しべに毛が生える花という意味である。草丈は60~120センチくらいである。根際から生える葉は長い楕円形で、ロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)となる。茎の上部につく葉は長い心臓形で、互い違いに生える(互生)。葉の縁には浅くて鈍いぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は6~8月である。茎先に長さが50センチくらいある総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、黄色い花をつける。花は1節に1輪ずつつく。花径は2~3センチで、花冠は5つに裂ける。1本の雌しべと5本の雄しべがある。雄しべは2本が長く、3本が短い。短い3本には白い毛が密生している。花は早朝に開花し、数時間で閉じてしまう。花の後にできる実は扁球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、毛に覆われ萼に包まれている。白花のものもあり、白花毛蕋花(シロバナモウズイカ)という。花言葉は「勇気を出しなさい」である。属名の Verbascum はラテン語の「barba(ひげ)」からきている。種小名の blattaria はラテン語の「blatta(ゴキブリ)」からきている。写真は6月に都立木場公園の外来植物園で撮った。学名:Verbascum blattaria★英国の庭園ならば似合うけど 野生化すれば迫力満点 花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
ゲラニウム・シルバチクム 夏の花 2014年07月13日 ゲラニウム・シルバチクムはフウロソウ科フウロソウ属(ゲラニウム属)の多年草である。フウロソウ属はユーラシア大陸や北アメリカ大陸などに450種くらいが分布する。外国産のものや園芸品種などはゲラニウムの名称で呼ばれる。ゼラニウムとする場合もあるが、この名称はテンジクアオイ属(Pelargonium)にも用いられるのでちょっと紛らわしいことになる。本種の原産地はヨーロッパから西アジアである。草丈は50~70センチくらいである。葉は手のひら状に深く7つに切れ込み、向かい合って生える(対生)。開花時期は6~7月くらいである。茎先に数輪の5弁花を横向きにつける。花径は2~3センチで、花の色は紅紫色や青紫色である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Geranium はギリシャ語の「geranos(鶴)」からきている。長いくちばしのような果実を鶴のくちばしにたとえたものである。種小名の sylvaticum は「森林に生える」という意味である。写真は6月に札幌市の百合が原公園で撮った。園芸品種のメイフラワー(Mayflower)である。学名:Geranium sylvaticum★この花はトルコにルーツあるようだ 背丈もあるから森が似合うね花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
ゲラニウム・カンタブリギエンセ 夏の花 2014年07月12日 ゲラニウム カンタブリギエンセはフウロソウ科フウロソウ属(ゲラニウム属)の多年草である。フウロソウ属はユーラシア大陸や北アメリカ大陸などに450種くらいが分布する。外国産のものや園芸品種などはゲラニウムの名称で呼ばれる。ゼラニウムとする場合もあるが、この名称はテンジクアオイ属(Pelargonium)にも用いられるのでちょっと紛らわしいことになる。本種はゲラニウム・マクロリズム(Geranium macrorrhizum)とゲラニウム・ダルマチクム(Geranium Dalmaticum)の交配種である。草丈は20~30センチである。株は地下茎で広がり、カーペット状になる。葉は円形で手のひら状に浅く切れ込み、向かい合って生える(対生)。葉には強い香りがある。開花時期は6~7月くらいである。茎先に1輪から数輪の紅紫色の5弁花を横向きにつける。花径は2~3センチで、花の色はピンクや白のものもある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Geranium はギリシャ語の「geranos(鶴)」からきている。長いくちばしのような果実を鶴のくちばしにたとえたものである。種小名の cantabrigiense は「(イギリスの)ケンブリッジの」という意味である。写真は6月に札幌市の百合が原公園で撮った。品種名はケンブリッジ(Cambridge)である。学名:Geranium x cantabrigiense ★改良を重ねて生まれた品種だね 育てやすいと人気もあるよ花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
蝦夷郡内風露(エゾグンナイフウロ) 夏の花 2014年07月11日 蝦夷郡内風露(エゾグンナイフウロ)はフウロソウ科フウロソウ属(ゲラニウム属)の多年草である。フウロソウ属はユーラシア大陸や北アメリカ大陸などに450種くらいが分布する。外国産のものや園芸品種などはゲラニウムの名称で呼ばれる。ゼラニウムとする場合もあるが、この名称はテンジクアオイ属(Pelargonium)にも用いられるのでちょっと紛らわしいことになる。本種は日本固有種である。北海道に分布し、石狩山地、夕張山地、十勝山地の高山から亜高山の草地に生える。同じ北海道に分布する千島風露(チシマフウロ)に似るが、葉や茎に生える毛の形状や位置が異なる。その点で中部地方に分布する高嶺郡内風露(タカネグンナイフウロ)のほうが近縁である。草丈は30~50センチくらいである。葉は手のひら状に深く切れ込み、裂片はさらに切れ込む。茎や葉の柄には粗い開出毛(立ち上がるようにつく毛)が生える。開花時期は7~8月である。茎先に数輪の5弁花を横向きにつける。花径は3センチくらいで、花の色は濃い紅紫色である。花の真ん中にある花柱(雌しべの一部で柱頭と子房との間の円柱状の部分)が目立つ。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。なお、「郡内」は山梨県東部の桂川流域の古名である。武田氏家臣の小山田氏が勢力を振るった地域である。属名の Geranium はギリシャ語の「geranos(鶴)」からきている。長いくちばしのような果実を鶴のくちばしにたとえたものである。種小と変種名の onoei は明治時代初期の博物学者「小野職愨(おの・もとよし, 1838-1890)さんの」という意味である。品種名の yezoense は「北海道の」という意味である。写真は6月に札幌市の百合が原公園で撮った。学名:Geranium onoei var. onoei f. yezoense(syn. Geranium eriostemon var. reinii f. yezoense)★どのような謂れでついた名なのかと 思っていたがこれで納得花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|