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八ガ岳薺(ヤツガダケナズナ)



八ガ岳薺(ヤツガダケナズナ)はアブラナ科イヌナズナ属の多年草である。
日本固有種である。
南アルプス白嶺三山の北岳、鳳凰山、八ガ岳、奥秩父などに分布し、高山の岩場などに生える。
このため、北岳薺(キタダケナズナ)、白鳳薺(ハクホウナズナ)の別名もある。
環境省のレッドリスト(2012)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。
YListは北岳薺(キタダケナズナ)を、レッドリストは八ガ岳薺(ヤツガダケナズナ)を採用している。
草丈は5~10センチくらいである。
葉や茎に毛が密生して全体が白っぽく見える。
ルーペで見ると星のように放射状に生える毛(星状毛)である。
茎は茶色っぽく、葉がついた節ごとにジグザグに折れ曲がっている。
葉は幅の狭い卵形で、互い違いに生える(互生)。
根際から生える葉の縁には突起状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
茎につく葉は小さく、3~7枚くらい生える。
自生地での開花時期は6~7月である。
花径5~8ミリくらいの白い小さな4弁花をつける。
花の後にできる実は角果(雌しべの中にある仕切りを残して左右の殻がはがれるもの)である。
属名の Draba はギリシャ語の「draba(辛い)」からきている。他の植物につけられた名が後に転用された。
種小名の oiana は発見者である「大井一男さんの」という意味である。
写真は4月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Draba oiana(syn. Draba kitadakensis)

★ひっそりと岩場の隙に咲くという
 白鳳薺そっと眺めて




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