苧(カラムシ) 秋の花 2015年10月13日 苧(カラムシ)はイラクサ科カラムシ属(ボエメリア属)の多年草である。ボエメリア属は世界に50種くらいが分布する。日本にも本種などが分布し、属名の和名をカラムシ属という。本種は本州から沖縄にかけて分布し、道ばたや荒れ地に生える。また、国の重要無形文化財である「小千谷縮」や「越後上布」の原料として、福島県会津地方の昭和村で商品栽培されている。海外では、台湾、中国にも分布する。別名を草真麻(クサマオ)という。 草丈は100センチから150センチくらいである。茎には圧毛(茎や葉に密着して寝た毛)が生える。近縁種の南蛮苧(ナンバンカラムシ)の場合は長くて白い開出毛(立ち上がるようにつく毛)が生える。葉は幅の広い卵形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尾状に尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の裏面には綿毛がある。開花時期は8月から9月である。雌雄同株である。雌花は茎の上部の葉の脇に穂状となってつく。雄花は黄白色で、茎の下部の葉の脇につく。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。俳句の季語は夏である。属名の Boehmeria はドイツの植物学者「ボーマー(Georg Rudolf Boehmer, 1723-1803)さん」の名からきている。種小名の nivea は「雪のように白い」という意味である。変種名の concolor は「同色の」という意味である。品種名の nipononivea は「日本産で雪のように白い」という意味である。写真は9月に会津若松市の御薬園で撮った。学名:Boehmeria nivea var. concolor f. nipononivea★本体にやっと出合えた会津の地 ここで育つか越後縮緬花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
雌菜揉み(メナモミ) 秋の花 2015年10月08日 雌菜揉み(メナモミ)はキク科メナモミ属(シゲスベキア属)の一年草である。シゲスベキア属は世界の温帯や亜熱帯に10数種が分布する。日本にも本種などが分布し、属名の和名はメナモミ属という。本種は北海道から九州にかけて分布し、道端や空き地などに生える。海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。和名の由来は雄菜揉み(オナモミ)よりも小さく外見が優しいことからきている。「菜揉み」については、葉を揉んで傷口に塗ったからなどの説がある。雄菜揉み(オナモミ)と同様に古い時代に大陸から渡来した「史前帰化植物」と考えられている。草丈は60センチから120センチくらいである。茎は中空で直立し、毛がたくさん生える。葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。葉にも毛が生えており、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は9月から10月くらいである。茎の上部に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、黄色い花(頭花)をつける。花の後にできる実は長さ3ミリくらいのそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。ひっつき虫の1種で、動物などに付着して運ばれる。俳句の季語は秋である。属名の Sigesbeckia はロシア人の植物学者「シーゲスベック(John Georg Siegebeck, 1686-1755)さん」の名からきている。種小名の pubescens は「細い軟毛のある」という意味である。写真は9月に会津若松市の御薬園で撮った。学名:Sigesbeckia pubescens★きれいとはとても言えない毛むくじゃら だけどここにも命輝き花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
パーマネントウェーブ 秋の花 2015年10月03日 パーマネントウェーブ(Permanent Wave)はバラ科バラ属の落葉低木である。園芸品種名はいわゆるパーマのことである。フロリブンダ系(Floribunda:FL)と呼ばれるものの1つで、四季咲きの中輪である。(薔薇図鑑参照)1932年にオランダのマシアス・レーンデルス(Mathias Leenders)によって作出された。樹高は100センチから150センチくらいである。樹形は直立性である。開花時期は5月から11月くらいである。花径8センチくらいの平咲きの半八重で、花の色は濃いピンクである。花弁の縁がフリルになって波打つ。花には微香がある。写真は11月に京成バラ園で撮った。学名:Rosa 'Permanent Wave'★花びらがフリルのように波を打つ それだけだけど華やぎ増して花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
カイザリン・アウグステ・ビクトリア 秋の花 2015年10月02日 カイゼリン・アウグステ・ビクトリア(Kaiserin Auguste Viktoria)はバラ科バラ属の落葉低木である。ハイブリッドティ系(Hybrid Tea:HT)と呼ばれるものの1つで、四季咲きの大輪である。(薔薇図鑑参照)1891年にドイツのランベルト(Peter Lambert)によって作出された。ハイブリッドティ系としては初期のもので、オールドローズ(Old Rose:O)のティローズ系(Tea Rose:T)の雰囲気を残す。園芸品種名はドイツ皇帝であったウィルヘルム2世の妃の名からきている。戦前の日本では敷島(シキシマ)の名で流通していた。「敷島」は日本の古い国号の1つで、戦艦名や力士名、煙草の名などにも用いられている。樹高は100センチから180センチくらいである。樹形は木立性である。花には微香がある。開花時期は5月から11月である。花径15センチくらいの剣弁高芯咲きの八重で、花の色は真ん中が緑がかった白である。咲き進むとロゼット咲きになる。花弁数は100枚くらいである。写真は11月に京成バラ園で撮った。学名:Rosa 'Kaiserin Auguste Viktoria'★近代を具現するかと思わせる 花の姿に歴史を重ね花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
ファレノプシス・ベノサ 秋の花 2015年02月10日 ファレノプシス・ベノサはラン科コチョウラン属(ファレノプシス属)の多年草である。ファレノプシス属は東南アジアを中心に70種くらい分布する着生種である。また、多くの園芸品種がある。ファレノプシス・アフロディテ(Phalaenopsis aphrodite)に胡蝶蘭(コチョウラン)の和名があり、属名の和名もコチョウラン属という。本種の原産地はインドネシアである。スラウェシ島(セレベス島)の標高500メートルから700メートルくらいの森に生える着生種である。草丈は20センチから30センチくらいある。葉は分厚い楕円形である。開花時期は夏から秋である。花茎を伸ばし、花径4センチから7センチくらいの花を数輪つける。花の色は黄色で、茶系の斑点が入る。唇弁は白く、黄色や紅紫色の斑点が入る。黄色系の胡蝶蘭(コチョウラン)の交配親となっている。花には強い香りがある。属名の Phalaenopsis はギリシャ語の「phalaina(蛾)+opsis(似る)」からきている。花の形が蛾に似ていることから名づけられた。種小名の venosa は「目立った脈のある」という意味である。写真は12月に夢の島熱帯植物館で撮った。学名:Phalaenopsis venosa★色合いがとてもシックで南国を 肌に感じるベノサの花は花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|