玉蔓草(タマツルクサ) 春の花 2013年02月22日 玉蔓草(タマツルクサ)はユリ科タマツルクサ属(ボウィエア属)の多年草である。分類体系によってはクサスギカズラ科やヒヤシンス科とされる。南アフリカ原産の多肉植物である。園芸名を蒼角殿(ソウカクデン)という。地上部にタマネギに似た大きな淡い緑色をした鱗茎が育ち、そこから蔓状の茎が枝分かれをしながら伸びる。茎の長さは2~3メートルに達する。開花時期は春から夏である。花径5ミリくらいの小さな緑色をした花が咲く。花被片は6枚である。英名はクライミングオニオン(climbing onion)である。属名の Bowiea はイギリスの植物学者「ボウイ(James Bowie, 1789-1869)さん」の名からきている。キュー王立植物園で植物収集にあたった。種小名の volubilis は「まとわりつく」という意味である。写真は3月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。学名:Bowiea volubilis★不思議だな背筋ぞくぞくしてくるよ 玉蔓草にしばし見入って花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
マキシラリア・ルフェスケンス 春の花 2013年02月20日 マキシラリア・ルフェスケンスはラン科マキシラリア属の常緑多年草である。マキシラリア属はフロリダからアルゼンチンにかけて南北アメリカ大陸に400種くらい分布する着生種である。本種の原産地はグアテマラからブラジルである。標高200~2000メートルの湿った森の木に生える着生種である。属名の読み方は「マクシラリア」、種小名の読み方は「ルフェッセンス」とする場合もある。草丈は15~20センチである。葉は披針形(笹の葉のような形)である。開花時期は春である。根際に花径3~4センチの淡いクリーム色をした花をつける。萼弁の裏側はオレンジ色である。唇弁には紅色の斑点が入る。花にはバニラのような甘い香りがある。属名の Maxillaria はラテン語の「maxilla(顎の骨)」からきている。ずい柱と唇弁の形が口をひらいた昆虫の形に似ていることから名づけられた。種小名の rufescens は「やや赤い」という意味である。写真は3月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。学名:Maxillaria rufescens★葉に隠れ恥ずかしそうに花咲かす ルフェスケンスの香りは豊か花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
玉咲き桜草(タマザキサクラソウ) 春の花 2012年05月30日 玉咲き桜草(タマザキサクラソウ)はサクラソウ科サクラソウ属の多年草である。原産地は中国西部、ヒマラヤ、アフガニスタンなどである。標高1500~4000メートルくらいの地域に生える。学名からプリムラ・デンティクラタの名も用いられる。寒さに強く強健なので、北海道や信州などの寒冷地で植栽されている。草丈は10~50センチくらいである。根際から生える葉は細長い楕円形である。葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)があり、葉の柄には翼がある。開花時期は3~5月である。小さな花が集まってピンポン玉のような球状の花序を出し、紅紫色の花をつける。白花の品種もある。花冠は5つに深く裂け、さらに裂片が2つに裂ける。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Primula はラテン語の「primos(最初)」縮小形である。プリムラ・ベリスが早春に他に花に先駆けて咲くことから名づけられた。種小名の denticulata は「細かい鋸歯のある」という意味である。写真は3月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Primula denticulata★真ん丸く花を集めて桜草 ピンクの夢が膨らむように花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
まい瑰(マイカイ) 春の花 2012年05月28日 まい瑰(マイカイ)はバラ科バラ属の落葉低木である。漢字もあるのだが、作字をしないと表示できないので平仮名交じりとする。マイは「攻」の字の偏を「王」にしたものを充てる。原産地は中国である。日本へは江戸時代に渡来した。日本にも分布する浜梨(ハマナス)の近縁種である。かつては両者が同一であると考えられていた時代もある。現在では、本種は浜梨(ハマナス)の変種であると考えられている。また、牧野富太郎博士は両者がまったくの別物であると考え、異なる種小名をつけた。樹高は1メートルくらいである。葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。開花時期は5月である。花は中輪で半八重咲きである。花の色は濃い紅紫色で、よい香りがする。花や蕾を干したものはローズ油の原料とされる。また、蕾を干したものは中国茶に利用される。花の後にできる実は偽果(子房以外の部分が加わってできている果実)である。属名の Rosa はケルト語の「rhodd(赤色)」からきている。種小名の odorata は「よい香りのする」という意味である。変種名の ihea は江戸時代の園芸家「伊藤伊兵衛さんの」という意味である。写真は5月に東京都薬用植物園で撮った。薬用植物園での学名表示は牧野説をとっている。学名:Rosa odorata var. ihea(=Rosa rugosa var. plena)★薄っすらとその名は知っていたけれど 実物を見てほっと溜め息花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
岩大戟(イワタイゲキ) 春の花 2012年05月23日 岩大戟(イワタイゲキ)はトウダイグサ科トウダイグサ属の多年草である。本州の関東地方から沖縄にかけて分布し、海岸の崖地に生える。海外では、台湾や朝鮮半島南部にも分布する。「大戟」というのはトウダイグサの中国名である。草丈は30~50センチくらいである。茎は太くて直立し、株立ち状となる。茎には毛は生えていない。根や根茎は肥厚する。葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉は肉質で先は尖らず、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。茎や葉を傷つけると、有毒な白い乳液を出す。開花時期は4~6月である。茎先にたくさんの短い花茎を傘形に出し、トウダイグサ科特有の杯状花序(花が杯状の総苞に包まれるて茎先につく)をつける。花序の下につく苞葉は卵形で黄色く、子房の表面には乳頭状の突起がたくさんある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Euphorbia はローマ時代のモーリタニア王Jubaの侍医「エウフォルブス(Euphorbus)さん」にちなんで名づけられた。この属の植物の1種の乳液を初めて薬に使ったことからきている。種小名の jolkinii は日本植物の採集家「ジョルキン(P.Jolkin)さんの」という意味である。写真は4月につくば植物園で撮った。学名:Euphorbia jolkinii★荒波をものともせずに根を張って ここが住みかと岩大戟は