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蝦夷郡内風露(エゾグンナイフウロ)



蝦夷郡内風露(エゾグンナイフウロ)はフウロソウ科フウロソウ属(ゲラニウム属)の多年草である。
フウロソウ属はユーラシア大陸や北アメリカ大陸などに450種くらいが分布する。
外国産のものや園芸品種などはゲラニウムの名称で呼ばれる。
ゼラニウムとする場合もあるが、この名称はテンジクアオイ属(Pelargonium)にも用いられるのでちょっと紛らわしいことになる。
本種は日本固有種である。
北海道に分布し、石狩山地、夕張山地、十勝山地の高山から亜高山の草地に生える。
同じ北海道に分布する千島風露(チシマフウロ)に似るが、葉や茎に生える毛の形状や位置が異なる。
その点で中部地方に分布する高嶺郡内風露(タカネグンナイフウロ)のほうが近縁である。
草丈は30~50センチくらいである。
葉は手のひら状に深く切れ込み、裂片はさらに切れ込む。
茎や葉の柄には粗い開出毛(立ち上がるようにつく毛)が生える。
開花時期は7~8月である。
茎先に数輪の5弁花を横向きにつける。
花径は3センチくらいで、花の色は濃い紅紫色である。
花の真ん中にある花柱(雌しべの一部で柱頭と子房との間の円柱状の部分)が目立つ。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
なお、「郡内」は山梨県東部の桂川流域の古名である。
武田氏家臣の小山田氏が勢力を振るった地域である。
属名の Geranium はギリシャ語の「geranos(鶴)」からきている。長いくちばしのような果実を鶴のくちばしにたとえたものである。
種小と変種名の onoei は明治時代初期の博物学者「小野職愨(おの・もとよし, 1838-1890)さんの」という意味である。
品種名の yezoense は「北海道の」という意味である。
写真は6月に札幌市の百合が原公園で撮った。
学名:Geranium onoei var. onoei f. yezoense(syn. Geranium eriostemon var. reinii f. yezoense)

★どのような謂れでついた名なのかと
 思っていたがこれで納得




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