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毛蕋花(モウズイカ)



毛蕋花(モウズイカ)はゴマノハグサ科モウズイカ属(ベルバスクム属)の越年草である。
ベルバスクム属は地中海沿岸地方を中心に250種くらい分布する。
園芸的にはバーバスカムという呼び名が使われる。
日本へは本種などが導入されていて、属名の和名はモウズイカ属という。
新しい分類体系(APGIII)でゴマノハグサ科は従来よりも狭い範囲となったが、モウズイカ属は引き続きこの科に含まれる。
本種の原産地も地中海沿岸地方である。
日本へは明治時代に観賞用として渡来した。
現在では逸出したものが北海道から兵庫県にかけて野生化している。
特に北海道から本州の東北地方にかけて多く分布している。
北海道のブルーリストではBランク(北海道に定着している外来種)に登録されている。
和名の「毛蕋花」は雄しべに毛が生える花という意味である。
草丈は60~120センチくらいである。
根際から生える葉は長い楕円形で、ロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)となる。
茎の上部につく葉は長い心臓形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には浅くて鈍いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6~8月である。
茎先に長さが50センチくらいある総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、黄色い花をつける。
花は1節に1輪ずつつく。
花径は2~3センチで、花冠は5つに裂ける。
1本の雌しべと5本の雄しべがある。
雄しべは2本が長く、3本が短い。
短い3本には白い毛が密生している。
花は早朝に開花し、数時間で閉じてしまう。
花の後にできる実は扁球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、毛に覆われ萼に包まれている。
白花のものもあり、白花毛蕋花(シロバナモウズイカ)という。
花言葉は「勇気を出しなさい」である。
属名の Verbascum はラテン語の「barba(ひげ)」からきている。
種小名の blattaria はラテン語の「blatta(ゴキブリ)」からきている。
写真は6月に都立木場公園の外来植物園で撮った。
学名:Verbascum blattaria

★英国の庭園ならば似合うけど
 野生化すれば迫力満点




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