十和田葦(トワダアシ) 観葉植物 2015年06月26日 十和田葦(トワダアシ)はイネ科クサヨシ属(ファラリス属)の多年草である。ファラリス属は数種が世界に分布する。日本にも草葦(クサヨシ)が分布し、属名の和名をクサヨシ属という。本種は草蘆(クサヨシ)の園芸品種である。鑑賞目的に品種改良されたものである。草蘆(クサヨシ)は日本各地を始めとして北半球の温帯地方を中心に広く分布する。本種の草丈は70センチから150センチくらいである。地下茎を伸ばして広がる。葉は線形で、白い縦縞斑と淡い紅色を帯びた縦縞斑が入り、トリカラーとなる。開花時期は5月から7月くらいである。茎先に円柱状の細い花穂が開く。属名の Phalaris は草の1種のギリシャ古名からきている。種小名の arundinacea は「葦に似た」という意味である。園芸品種名の Tricolor は「3色の」という意味である。写真は7月に板橋区立赤塚植物園で撮った。学名:Phalaris arundinacea 'Tricolor'★細い葉が色とりどりに着飾って 地面を覆う不思議な姿花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
姫ヒマラヤ忍冬(ヒメヒマラヤニンドウ) 夏の花 2015年06月24日 姫ヒマラヤ忍冬(ヒメヒマラヤニンドウ)はスイカズラ科レスケステリア属の常緑低木である。レスケステリア属は中国南西部からヒマラヤにかけて6種くらいが分布する。本種の原産地は中国の四川省、貴州省、雲南省、チベットの東部、ヒマラヤ、ミャンマーなどで、標高1600メートルから3500メートルの草地や山の斜面、林の中などに生える。中国名は狹萼鬼吹簫(きょうがくきすいしょう)という。分布する地域は基本種のレイケステリア・フォルモサと重なる。基本種は英名をヒマラヤン・ハニーサックル(Himalayan honysuckle)という。ハニーサックルはヨーロッパなどに分布し和名を匂い忍冬(ニオイニンドウ)という。樹高は1メートルから2メートルである。葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。開花時期は6月から6月である。花冠は漏斗状で先が5つに裂け、数輪ずつ花をつける。花序には傘のような苞がつく。花の色は白く、咲き進むと紅色を帯びる。花には腺毛(粘着物質を出す毛)が生える。花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、紅紫色から黒に熟する。中国では全株が薬用とされる。属名の Leycesteria の由来はまだ調べられていない。種小名の formosa は「美しい」という意味である。変種名の stenosepala は「幅の狭い萼片の」という意味である。写真は9月に富山県中央植物園で撮った。学名:Leycesteria formosa var. stenosepala★日本ではあまり知られぬ木の花も ここではあれこれ観察できて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
筑紫油萱(ツクシアブラガヤ) 夏の花 2015年06月15日 筑紫油萱(ツクシアブラガヤ)はカヤツリグサ科ホタルイ属(スキルプス属)の多年草である。スキルプス属は世界に120種くらいが分布する。日本にも蛍藺(ホタルイ)などが分布し、属名の和名をホタルイ属という。本種は日本固有種である。九州の熊本県、鹿児島県に分布し、丘陵地や山地の渓流沿いなどに稀に生える。環境省のレッドリスト(2012)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。基本種のスキルプス・ロストホルニーは中国の四川省、雲南省などに分布する。草丈は60センチから100センチくらいである。茎の断面は角のはっきりしない三角形である。根際から生える葉は幅が6ミリから8ミリくらいの線形である。開花時期は5月から6月である。花序は褐色の小穂が2つから5つずつ集まる。秋に赤褐色に熟し、小さなそう果(果実の中に1つだけ種子があり開かない)をつける。属名の Scirpus はイグサかそれに似た植物のラテン名を転用したものである。種小名の rosthornii はオーストリアの外交官で植物採集家だった「ロストホルン(Arthur von Rosthorn, 1862-1945)さんの」という意味である。変種名の kiushuensis は「九州の」という意味である。写真は5月につくば植物園で撮った。学名:Scirpus rosthornii var. kiushuensis★とりあえず撮っておこうか油萱 違いを知るは後に譲って花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
カリカルパ・カタヤナ 夏の花 2015年06月08日 カリカルパ・カタヤナはクマツヅラ科ムラサキシキブ属(カリカルパ属)の落葉低木である。分類体系によっては(APGIII)シソ科とされる。カリカルパ属は世界に130種以上が分布する。日本にも紫式部(ムラサキシキブ)などが分布し、属名の和名はムラサキシキブ属という。本種は中国の南部や南西部などに(安徽、福建、広東、広西、河南、湖北、江蘇、江西、雲南、浙江)分布し、標高1200メートルまでの林の中や山の斜面などに生える。樹高は1メートルから3メートルくらいである。葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。葉の色は淡い緑色で、縁には細かなぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は6月から7月である。葉の脇に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、淡い紫色の小さな花をたくさんつける。花冠は筒状で先が4つに裂けて平らに開く。雄しべは4本、雌しべは1本で、花冠から飛び出る。結実期は8月から9月である。花の後にできる実は球形の核果(水分を多く含み中に種が1つある)で、きれいな紅紫色に熟する。紫式部(ムラサキシキブ)と似ているがやや大形である。属名の Callicarpa はギリシャ語の「callos(美しい)+carpos(果実)」からきている。実が美しく熟すからことから名づけられたものである。種小名の cathayana は「支那(中国)の」という意味である。写真は6月に小石川植物園で撮った。学名:Callicarpa cathayana★清らかに花を開けば愛らしく 紫式部の姿そのまま花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
ソレイユ・ドール 夏の花 2015年06月03日 ソレイユ・ドールはバラ科バラ属の落葉低木である。オールドローズ(Old Rose:O)のハイブリッド・フェティダ系(Hybrid Foetida:HFt)と呼ばれるものの1つで、一季咲きの中輪である。ハイブリッド・フェティダ系というのはロサ・フェティダ(Rosa foetida)が交配にかかわっている品種群で、黄バラの祖と言われている。本種は1900年にフランスの育種家ペルネ・ドウシェ(Joseph Pernet-Ducher, 1859-1928)によって作出された。樹高は120センチから180センチくらいである。樹形は半つる性である。開花時期は5月から6月である。花は黄橙色の中輪で、カップ咲きの八重である。花弁数は35枚から40枚、花径は8センチから10センチである。花の香りは中香で、青リンゴのような香りがある。属名の Rosa はケルト語の「rhodd(赤色)」からきている。園芸品種名の Soleil d'Or はフランス語で「黄金の太陽」の意味である。写真は5月につくば植物園で撮った。学名:Rosa 'Soleil d'Or'★なるほどね黄薔薇のもとがここにある オールドローズに歩みを学んで薔薇図鑑花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|