紅鹿の子草(ベニカノコソウ) 夏の花 2013年08月22日 紅鹿の子草(ベニカノコソウ)はオミナエシ科ベニカノコソウ属(ケントランツス属)の多年草である。属名の読み方は「セントランサス属」とするものもある。原産地は南ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアなどである。湿り気のある岩礫地などに生える。英名はレッドバレリアン(red valerian)という。草丈は60~100センチくらいである。葉は披針形(笹の葉のような形)で、向かい合って生える(対生)。開花時期は6~8月である。茎先に円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、紅紫色の小さな花をたくさんつける。園芸品種には花の色が白いものもある。花径は5ミリくらいで、花冠の先は5つに裂けている。裂片の先は丸い。花のつけ根の部分には距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)がある。花にはよい香りがある。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。実には放射状に伸びた羽毛がある。ポプリやドライフラワーとしても利用される。属名の Centranthus はギリシャ語の「kentron(距)+anthos(花)」からきている。筒状の花冠のつけ根に長い距があることから名づけられた。種小名の ruber は「赤い」という意味である。写真は6月に山形市野草園で撮った。学名:Centranthus ruber★花びらの形は少し違うけど ムードはそのまま紅鹿の子草花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
葡萄甕(ブドウガメ) 夏の花 2013年08月21日 葡萄甕(ブドウガメ)はブドウ科キフォステンマ属の多年草である。原産地は南アフリカとナミビアである。乾燥した地域に生える多肉植物である。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(Ver. 3.1, 2001)では軽度懸念(LC)に指定されている。草丈は2メートルに達する。円錐形ないし円筒形の巨大な塊茎から茎を伸ばす。葉は大きな卵形である。冬には落葉をする。開花時期は夏である。黄緑色の小さな目立たない花をたくさんつける。花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。ブドウに似て房状につき、紅紫色に熟する。ただし、実は有毒なので食用には適さない。属名の Cyphostemma はギリシャ語の「kyphos(隆起する)+stemma(花飾り)」からきている。種小名の juttae はドイツ人の植物学者クルト(Kurt Dinter, 1868-1945)さんの妻「ユタ(Jutta Dinter)さん」の名からきている。写真は6月につくば植物園で撮った。学名:Cyphostemma juttae★ぷっくりと膨れた根っこにびっくりだ 乾いた土地もこれで攻略花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
南京綿(ナンキンワタ) 夏の花 2013年08月20日 南京綿(ナンキンワタ)はアオイ科ワタ属の一年草である。原産地は中国である。「南京」は産地を表すものではなく唐(から)と同様に外国からきたことを表す言葉である。木立綿(キダチワタ:Gossypium arboreum)の系統で、インドから中国に渡って品種改良された。草丈は1メートルくらいである。葉は手のひら状に裂け、互い違いに生える(互生)。開花時期は7月から9月である。花径3殻センチくらいの黄色い5弁花をつける。花は一日花である。実は卵形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、熟すと裂けて開き、長い綿毛のある種子を出す。実は小さく綿毛も短い。繊維は褐色なので茶綿(チャメン)とも呼ばれる。脱脂綿や布団綿などに用いられる。綿(ワタ:Gossypium arboreum var. obtusifolium)として一般化し、区別しない考え方もある。属名の Gossypium はラテン語の「腫れ物(gossum)」からきている。膨らんだ果実の形を腫れ物にたとえたものである。種小名の nanking は「南京」の意味である。写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Gossypium nanking★調べれば由来楽しい南京綿 きっとお世話になっているはず花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
広葉車前面高(ヒロハシャゼンオモダカ) 夏の花 2013年08月19日 広葉車前面高(ヒロハシャゼンオモダカ)はオモダカ科エキノドルス属の多年草である。中南アメリカに分布し、水中に生える。日本へは水槽用の水草として導入されている。一部で栽培逸出したものが帰化している。和名は、車前面高(シャゼンオモダカ:Echinodorus cordifolius)と同属で葉の幅が広いことからつけられた。「車前」はオオバコを意味し、葉の形をなぞらえたものである。学名のエキノドルス・グランディフロルス・アウレウスで表示するものもある。撮影地もこの名称を用いている。草丈は20~45センチくらいである。葉は円形で、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない(全縁)。葉のつけ根の部分は心形である。葉の色は黄色っぽい。開花時期は7~10月くらいである。花は白い3弁花である。オモダカ科としては大きな花をつける。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名の Echinodorus はギリシャ語の「echino(はりねずみ)+doros(革製の瓶)」からきている。種小名の grandiflorus は「大きな花の」という意味である。亜種名の aureus は「黄金色の」という意味である。写真は7月につくば植物園で撮った。学名:Echinodorus grandiflorus subsp. aureus★大輪にほっと驚き目をやれば 花の形は沢瀉に似て花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
ムッサエンダ・クイーンシルキット 四季咲きの花 2013年08月18日 ムッサエンダ・フィリピカはアカネ科コンロンカ属の常緑小低木である。原産地はフィリピンやニューギニアである。クイーンシルキット(Queen Sirkit)はその園芸品種である。樹高は1~3メートルくらいである。葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。開花時期は周年である。特徴は花弁状の大きな萼片がピンクになることである。筒状をした小さな黄色い花が咲く。花は開くと星形になる。属名の Mussaenda はスリランカでの現地名からきている。種小名の philippica は「フィリピンの」という意味である。品種名の Queen Sirkit はタイのシルキット王女の名からきている。写真は6月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Mussaenda philippica 'Queen Sirkit'★ふんわとピンクに染まる萼の色 気品に満ちたクイーンシルキット花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|