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紅鹿の子草(ベニカノコソウ)



紅鹿の子草(ベニカノコソウ)はオミナエシ科ベニカノコソウ属(ケントランツス属)の多年草である。
属名の読み方は「セントランサス属」とするものもある。
原産地は南ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアなどである。
湿り気のある岩礫地などに生える。
英名はレッドバレリアン(red valerian)という。
草丈は60~100センチくらいである。
葉は披針形(笹の葉のような形)で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は6~8月である。
茎先に円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、紅紫色の小さな花をたくさんつける。
園芸品種には花の色が白いものもある。
花径は5ミリくらいで、花冠の先は5つに裂けている。
裂片の先は丸い。
花のつけ根の部分には距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)がある。
花にはよい香りがある。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
実には放射状に伸びた羽毛がある。
ポプリやドライフラワーとしても利用される。
属名の Centranthus はギリシャ語の「kentron(距)+anthos(花)」からきている。筒状の花冠のつけ根に長い距があることから名づけられた。
種小名の ruber は「赤い」という意味である。
写真は6月に山形市野草園で撮った。
学名:Centranthus ruber

★花びらの形は少し違うけど
 ムードはそのまま紅鹿の子草




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葡萄甕(ブドウガメ)



葡萄甕(ブドウガメ)はブドウ科キフォステンマ属の多年草である。
原産地は南アフリカとナミビアである。
乾燥した地域に生える多肉植物である。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(Ver. 3.1, 2001)では軽度懸念(LC)に指定されている。
草丈は2メートルに達する。
円錐形ないし円筒形の巨大な塊茎から茎を伸ばす。
葉は大きな卵形である。
冬には落葉をする。
開花時期は夏である。
黄緑色の小さな目立たない花をたくさんつける。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
ブドウに似て房状につき、紅紫色に熟する。
ただし、実は有毒なので食用には適さない。
属名の Cyphostemma はギリシャ語の「kyphos(隆起する)+stemma(花飾り)」からきている。
種小名の juttae はドイツ人の植物学者クルト(Kurt Dinter, 1868-1945)さんの妻「ユタ(Jutta Dinter)さん」の名からきている。
写真は6月につくば植物園で撮った。
学名:Cyphostemma juttae

★ぷっくりと膨れた根っこにびっくりだ
 乾いた土地もこれで攻略




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南京綿(ナンキンワタ)



南京綿(ナンキンワタ)はアオイ科ワタ属の一年草である。
原産地は中国である。
「南京」は産地を表すものではなく唐(から)と同様に外国からきたことを表す言葉である。
木立綿(キダチワタ:Gossypium arboreum)の系統で、インドから中国に渡って品種改良された。
草丈は1メートルくらいである。
葉は手のひら状に裂け、互い違いに生える(互生)。
開花時期は7月から9月である。
花径3殻センチくらいの黄色い5弁花をつける。
花は一日花である。
実は卵形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、熟すと裂けて開き、長い綿毛のある種子を出す。
実は小さく綿毛も短い。
繊維は褐色なので茶綿(チャメン)とも呼ばれる。
脱脂綿や布団綿などに用いられる。
綿(ワタ:Gossypium arboreum var. obtusifolium)として一般化し、区別しない考え方もある。
属名の Gossypium はラテン語の「腫れ物(gossum)」からきている。膨らんだ果実の形を腫れ物にたとえたものである。
種小名の nanking は「南京」の意味である。
写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Gossypium nanking

★調べれば由来楽しい南京綿
 きっとお世話になっているはず




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広葉車前面高(ヒロハシャゼンオモダカ)



広葉車前面高(ヒロハシャゼンオモダカ)はオモダカ科エキノドルス属の多年草である。
中南アメリカに分布し、水中に生える。
日本へは水槽用の水草として導入されている。
一部で栽培逸出したものが帰化している。
和名は、車前面高(シャゼンオモダカ:Echinodorus cordifolius)と同属で葉の幅が広いことからつけられた。
「車前」はオオバコを意味し、葉の形をなぞらえたものである。
学名のエキノドルス・グランディフロルス・アウレウスで表示するものもある。
撮影地もこの名称を用いている。
草丈は20~45センチくらいである。
葉は円形で、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない(全縁)。
葉のつけ根の部分は心形である。
葉の色は黄色っぽい。
開花時期は7~10月くらいである。
花は白い3弁花である。
オモダカ科としては大きな花をつける。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Echinodorus はギリシャ語の「echino(はりねずみ)+doros(革製の瓶)」からきている。
種小名の grandiflorus は「大きな花の」という意味である。
亜種名の aureus は「黄金色の」という意味である。
写真は7月につくば植物園で撮った。
学名:Echinodorus grandiflorus subsp. aureus

★大輪にほっと驚き目をやれば
 花の形は沢瀉に似て




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ムッサエンダ・クイーンシルキット



ムッサエンダ・フィリピカはアカネ科コンロンカ属の常緑小低木である。
原産地はフィリピンやニューギニアである。
クイーンシルキット(Queen Sirkit)はその園芸品種である。
樹高は1~3メートルくらいである。
葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は周年である。
特徴は花弁状の大きな萼片がピンクになることである。
筒状をした小さな黄色い花が咲く。
花は開くと星形になる。
属名の Mussaenda はスリランカでの現地名からきている。
種小名の philippica は「フィリピンの」という意味である。
品種名の Queen Sirkit はタイのシルキット王女の名からきている。
写真は6月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Mussaenda philippica 'Queen Sirkit'

★ふんわとピンクに染まる萼の色
 気品に満ちたクイーンシルキット




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