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針桐(ハリギリ)



針桐(ハリギリ)はウコギ科ハリギリ属の落葉高木である。
北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、山地に生える。
海外では、朝鮮半島、中国、サハリン、シベリアなどにも分布する。
わが国では特に北海道と東北地方に多い。
幹は直立し、樹高は20~25メートルになる。
幹の直径は1メートルになり、樹皮は黒褐色で不規則に裂ける。
枝には太く鋭い刺がある。
葉は手のひら状に5つから9つに裂け、縁には細かなぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の柄は長く、枝先に集まってつく。
開花時期は7~8月である。
枝先に球形の散形花序(茎先からたくさん枝が出て、その先に1個つずつ花がつく花序)を出し、淡い黄色の小さな花をたくさんつける。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、10月ころに黒紫色に熟する。
新芽は、春の山菜として食用にされる。
材は加工しやすく、建具、家具、器具、楽器、彫刻などに用いられる。
和名の由来は、材が桐(キリ)に似て加工しやすく枝に棘があることからきている。
別名を栓の木(センノキ)という。
属名の Kalopanax はギリシャ語の「kalos(美しい)+Panax(ウコギ科ニンジン属)」からきている。葉の切れ込みが整っていることから名づけられた。
種小名の septemlobus は「7つに裂けた」という意味である。
写真は9月に京都府立植物園で撮った。
学名:Kalopanax septemlobus

★すっと立つ針桐の木は開拓の
 歩みをじっと見つめ続けて




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ピングイクラ・モクテズマエ



ピングイクラ・モクテズマエはタヌキモ科ムシトリスミレ属の常緑多年草である。
原産地はメキシコである。
1994年にメキシコ中部のモクテスマ(Moctezuma)渓谷で、ダム建設調査の際に発見された。
ダム建設によって自生地が水没し、絶滅したと言われている。
草丈は10センチくらいである。
葉は細長いひも状で、ロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)となる。
葉は粘質で、表面の細かな腺毛から粘液を出して虫を捕まえる。
開花時期はほぼ周年である。
花径2~3センチの紅紫色の花を咲かせる。
花冠は5つに裂ける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
交配により多くの園芸品種が生まれている。
属名の Pinguicula はラテン語の「pinguis(やや脂肪性の)」からきている。葉の面の脂肪光沢が強いためと思われる。
種小名の moctezumae はメキシコ中部の「モクテスマ(Moctezuma)渓谷の」という意味である。
写真は10月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。
学名:Pinguicula moctezumae

★発見はごく最近のことという
 ピングイクラの花愛らしく




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アメイシャ



アメイシャ(ameisia)はキントラノオ科ブンコシア属の常緑低木である。
原産地は南アメリカである。
ペルー、コロンビア、ボリビア、エクアドル、ブラジルなどに分布する。
果実が生食されたり香りづけに用いられる。
アメイシャ(ameisia)の名はブラジルでの呼び名からきている。
樹高は2~5メートルである。
葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は尖り、縁には低いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は周年である。
葉の脇から総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、黄色い小さな花をつける。
花径は3~4センチで5弁花である。
花の後にできる実は長さ3~4センチの楕円形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、淡い緑色から橙色に熟する。
属名の Bunchosia はアラビア語の「bunchos(コーヒー)」からきている。果実がコーヒーの実に似ることから名づけられた。
種小名の armeniaca は「アンズ属(Armeniaca)」の意味である。
写真は9月に富山県中央植物園で撮った。
学名:Bunchosia armeniaca

★この色はこれから熟すものらしい
 初めて見たよアメイシャの実




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ブラジル獅子頭(ブラジルシシガシラ)



ブラジル獅子頭(ブラジルシシガシラ)はシシガシラ科ヒリュウシダ属の多年草である。
原産地はブラジル、ペルーである。
日本に分布する獅子頭(シシガシラ)と同属のシダ植物だが大形である。
草丈は90センチから180センチくらいである。
太い根茎があり、放射状に葉を広げる。
葉は羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並んで1枚の葉が構成される)で、羽片は線形である。
斜面に生育していることが多く、斜面方向に葉が垂れ下がる傾向がある。
羽片には皺があり、獅子のたてがみのように見える。
新芽は赤味を帯びる、木質化するなどの特徴がある。
英名はレッドドワーフツリーファーム(red dwarf tree fern)である。
ファームはシダ植物のことである。
属名の Blechnum はギリシャ語の「blechnon(シダ)」からきている。
種小名の brasiliense は「ブラジルの」という意味である。
写真は9月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。
学名:Blechnum brasiliense

★勇ましい名前がいいね獅子頭
 ブラジルらしく大きく育ち




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笹葉藻(ササバモ)



笹葉藻(ササバモ)はヒルムシロ科ヒルムシロ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、湖沼、河川などに生える沈水植物である。
ただし、葉の一部は浮き葉となる。
海外では、台湾、朝鮮半島、中国、インドシナ半島、マレーシア、インドネシア、インド、ニューギニアなどにも分布する。
流水の中では草丈は2~3メートルくらいになる。
茎は円柱形である。
葉は幅の広い線形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は鋭く尖り、縁には波状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は7~9月である。
花茎の先に穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、緑色の小さな花をつける。
花の後にできる実は核果(水分を多く含み中に種が1つある)である。
属名の Potamogeton はギリシャ語の「potamos(川)+geiton(近所の)」からきている。
種小名の wrightii はイギリスの植物学者「ライト(Charles Henry Wright, 1864-1941)さんの」という意味である。
写真は8月につくば植物園で撮った。
学名:Potamogeton wrightii(syn. Potamogeton malaianus)

★さらさらと水の流れに沿って浮く
 笹葉藻の葉は自在の姿




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