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プラティケリウム・コロナリウム



プラティケリウム・コロナリウムはウラボシ科ビカクシダ属の常緑多年草である。
明治時代に日本へ渡来した麋角羊歯(ビカクシダ)と同じ仲間である。
ビカクシダ属は世界の熱帯・亜熱帯地方に18種くらいが分布するシダ植物である。
本種はフィリピン、タイ、インドネシア、マレーシアなどに分布し、樹木に着生する大形種である。
和名を大麋角羊歯擬き(オオビカクシダモドキ)とするものもある。
麋(び)はオオジカを意味する。
大麋角羊歯(オオビカクシダ:Platycerium grande)が別に存在する。
草丈は60~200センチくらいである。
葉は栄養葉と胞子葉の2種類がある。
胞子葉が主に鑑賞する部分で、鹿の角のような形をしている。
胞子葉には星状毛(放射状に伸びる毛)が生え、裏面は白い毛で覆われている。
本種では細長く垂れ下がる。
根茎から束になって生え(束生)ている腎円形の葉は栄養葉で冠のような形をしており、水を蓄える。
属名の Platycerium はギリシャ語の「platys(広い)+ceras(つの)」からきている。葉の様子がオオジカの角のように広がることから名づけられた。
種小名の coronarium は「冠をまとった」という意味である。
写真は11月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Platycerium coronarium

★だらりんと垂れた姿と違うけど
 きっとこれから育つのだろね




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アロエ・プリカティリス



アロエ・プリカティリスはユリ科アロエ属の常緑低木である。
分類体系によっては(APGIII)ススキノキ科とされる。
南アフリカのケープ地方の南西部に分布する。
山地の砂礫地に生える多肉植物である。
英名はファン・アロエ(fan aloe)という。
ファンは扇のことである。
園芸名は乙姫の舞扇(オトヒメノマイオウギ)という。
草丈は3~5メートルくらいである。
葉は披針形(笹の葉のような形)で、規則的に広がる。
葉の色は灰緑色で先は尖らず、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は2月くらいである。
オレンジ色をした長さ5センチくらいの筒状の花を垂れ下げる。
花被片は6枚、雄しべも6本である。
属名の Aloe は、アラビア語の「alloeh(苦味のある)」からきている。葉に苦い汁液があることから名づけられた。
種小名の plicatilis は「折り畳まれた」という意味である。
写真は3月につくば植物園で撮った。
学名:Aloe plicatilis

★木質のアロエはとても珍しい
 舞姫思わす姿やさしく




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スパティカルパ・サギティフォリア



スパティカルパ・サギティフォリアはサトイモ科スパティカルパ属の多年草である。
原産地は南アメリカで、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンなどに分布する。
日本では温室用の観葉植物とされる。
草丈は30~60センチくらいである。
根際から生える葉は矢尻形で、明るい緑色をしている。
花序は肉穂花序(花軸が多肉化して花が表面に密生したもの)で、緑色の仏炎苞(サトイモ科の肉穂花序に見られる花序を被う大形の苞)と合着している。
属名の Spathicarpa はギリシャ語の「spathe(仏炎苞)+carpos(果実)」からきている。
種小名の sagittifolia は「やじり形の葉の」という意味である。
写真は1月につくば植物園で撮った。
学名:Spathicarpa sagittifolia(syn. Spathicarpa hastifolia)

★葉と花の区別に戸惑う一瞬も
 また楽しいね目にする不思議




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穂羊歯(ホシダ)



穂羊歯(ホシダ)はヒメシダ科ヒメシダ属の常緑性多年草である。
本州の関東地方から沖縄にかけて分布し、山地の林の縁や道端などに生えるシダ植物である。
海外では、朝鮮半島、台湾、中国南部、フィリピン、インドシナ半島などにも分布する。
根茎は長く這って伸びる。
葉の長さは40~80センチくらいになる。
葉は2回羽状に裂ける。
葉の先の頂羽片と言われる部分が細長く伸びる。
これを穂にたとえたのが名の由来である。
胞子嚢群は丸く、葉の裏面全体に列になってつく。
属名の Thelypteris はギリシャ語の「thylus(雌)+pteris(シダ)」からきている。
種小名の acuminata は「先が次第に尖った」という意味である。
写真は8月に国立科学博物館附属目黒自然教育園で撮った。
学名:Thelypteris acuminata

★雨にぬれ緑際立つその姿
 穂羊歯の先は垂れるがごとく




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宝冠木(ホウカンボク)



宝冠木(ホウカンボク)はマメ科ブロウネア属の常緑小高木である。
分類体系によってはジャケツイバラ科とされる。
ブロウネア属は中南アメリカに30種くらいが分布する。
属名の読み方は「ブラウネア」とするものもある。
本種の原産地はトリニダード・トバコ、ベネズエラ、ガイアナ、ブラジルである。
熱帯地方の各地で花木として植えられている。
学名のブロウネア・コッキネアで表示するものもある。
樹高は3~6メートルくらいである。
葉は偶数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並んで1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。
小葉の形は長い楕円形で、下に垂れる。
開花時期は周年である。
花は幹に直接つく幹生花である。
花の色は朱赤色で、石楠花(シャクナゲ)に似た感じでボール状に集まってぶら下がる。
花の後にできる実は豆果(莢の中に種子が入るもの)である。
近縁種に大宝冠木(オオホウカンボク)がある。
属名の Brownea はアイルランドの植物学者「ブラウン(Patrick Browne, 1720-1790)さん」の名からきている。
種小名の coccinea は「赤い」という意味である。
写真は2月に新宿御苑で撮った。
学名:Brownea coccinea

★玉と咲く宝冠木は暗がりに
 溶け込むような朱の色をして




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