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ホヘンベルギア・ステラタ



ホヘンベルギア・ステラタはパイナップル科ホヘンベルギア属の多年草である。
属名の読み方はホーエンベルギアとするものもある。
ホヘンベルギア属は中南アメリカに52種くらい分布する。
本種の原産地も中南アメリカである。
草丈は90~120センチくらいである。
根際から生える葉は幅の広い線形である。
葉には灰白色の鱗片が密生している(両面とも)。
開花時期は春から夏である。
ロゼット状に生える葉の真ん中から長い花茎を伸ばし、赤い苞(花のつけ根につく葉の変形したもの)をイガのように固まって点々とつけ、中から濃い紫色の小さな花を咲かせる。
苞は長期間ついている。
属名の Hohenbergia はドイツの植物学への後援者「ホーエンベルグ王子(Prince Hohenberg, 1800's)」の名からきている。
種小名の stellata は「星形の」という意味である。
写真は6月に川口グリーンセンターで撮った。
学名:Hohenbergia stellata

★紅色の花と思えばさにあらず
 濃い紫の花顔を見せ




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ブラキコメ・マリウスブルー



ブラキコメ・マリウスブルーはキク科ヒメコスモス属(ブラキコメ属)の多年草である。
ブラキコメ属はオーストラリアを中心に70種くらいが分布する。
属名の読み方は園芸的にはブラキカムとされる。
ブラキコメ・イベリディフォリア(Brachycome iberidifolia)に姫コスモス(ヒメコスモス)の和名があり、属名の和名はヒメコスモス属という。
一年草ないし多年草である。
夏の湿気に弱いので日本では栽培しにくいとされている。
マリウスブルーはその園芸品種である。
サイトを見ると、南フランスで改良されたもので夏の暑さに強いという記述もある。
ただし、国外のサイトを見てもその園芸品種名と思われる Marius Blue やそれに類似した名は発見できない。
ここから推測すると、日本だけで流通している名のようである。
草丈は15~20センチくらいである。
葉は羽状に細かく切れ込む。
開花時期は4~11月くらいである。
花径は2~3センチで、花(舌状花)の色は紫色である。
真ん中の筒状花は黄色い。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Brachycome は「brachys(短い)+come(毛)」からきている。実の冠毛が短いことから名づけられた。
写真は3月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。
学名:Brachycome spp.

★花壇にもハンギングにも似合ってる
 花期は長いよマリウスブルー




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錦野葡萄(ニシキノブドウ)



野葡萄(ノブドウ)はブドウ科ノブドウ属の蔓性落葉木本である。
北方領土を含む北海道から沖縄にかけて分布し、山地や丘陵、野原などに生える。
錦野葡萄(ニシキノブドウ)はその品種の1つである。
特徴は、葉に乳白色の斑が入り美しいことである。
蔓は長さが3~5メートルくらいになる。
茎のつけ根は太く木質化する。
葉の形はほぼ円形で、3つから5つに裂ける。
葉は互い違いに生え(互生)、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉のつけ根の部分はハート形である。
開花時期は6~7月である。
葉の脇に集散花序(茎先に花がつき、少し下から横枝が出てその先にも花がつく)を出し、淡い黄緑色の小さな花をたくさんつける。
花弁は5枚である。
雄しべ5本と雌しべ1本がある。
花の後にできる実は球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、淡い緑色から紫色、空色などに変化する。
この実は食べられない。
茎や葉をすりつぶしたものは生薬の蛇葡萄(じゃほとう)といい、湿布薬となる。
根を乾燥したものは生薬の蛇葡萄根(じゃほとうこん)といい、関節痛などに効く。
属名の Ampelopsis はギリシャ語の「amperos(ブドウ)+opsis(外観)」からきている。ブドウに外観が似たという意味で名づけられた。
種小名の glandulosa は「腺のある」という意味である。
変種名の heterophylla は「いろいろの形の葉の」という意味である。
品種名の elegans は「優美な」という意味である。
写真は6月に小石川植物園で撮った。
学名:Ampelopsis glandulosa var. heterophylla f. elegans

★ミルクでも零したような葉の姿
 驚き見れば花も咲いてる




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プリムラ・カピタタ



プリムラ・カピタタはサクラソウ科サクラソウ属(プリムラ属)の多年草である。
プリムラ属は北半球の温帯や寒帯に500種くらい分布する。
また、多くの園芸品種が作出されているる
日本にも桜草(サクラソウ)などが分布するので、属名の和名をサクラソウ属という。
原産地は中国の南西部からチベット、ブータンにかけてである。
草丈は25~35センチである。
根際から生える葉はへら形で、ロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)となる。
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5~6月である。
茎先に散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、濃いバイオレット色の花を玉咲きさせる。
花は白い粉をふいている。
1つ1つの花冠は5つに裂け、5枚の萼片がある。
雄しべは5本、雌しべは1本である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Primula はラテン語の「primos(最初)」縮小形である。プリムラ・ベリスが早春に他に花に先駆けて咲くことから名づけられた。
種小名の capitata は「頭状の」という意味である。
写真は6月に富山県中央植物園で撮った。
学名:Primula capitata

★たたえたる水の深さを示すよう
 カピタタの花神秘に満ちて




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八ガ岳薺(ヤツガダケナズナ)



八ガ岳薺(ヤツガダケナズナ)はアブラナ科イヌナズナ属の多年草である。
日本固有種である。
南アルプス白嶺三山の北岳、鳳凰山、八ガ岳、奥秩父などに分布し、高山の岩場などに生える。
このため、北岳薺(キタダケナズナ)、白鳳薺(ハクホウナズナ)の別名もある。
環境省のレッドリスト(2012)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。
YListは北岳薺(キタダケナズナ)を、レッドリストは八ガ岳薺(ヤツガダケナズナ)を採用している。
草丈は5~10センチくらいである。
葉や茎に毛が密生して全体が白っぽく見える。
ルーペで見ると星のように放射状に生える毛(星状毛)である。
茎は茶色っぽく、葉がついた節ごとにジグザグに折れ曲がっている。
葉は幅の狭い卵形で、互い違いに生える(互生)。
根際から生える葉の縁には突起状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
茎につく葉は小さく、3~7枚くらい生える。
自生地での開花時期は6~7月である。
花径5~8ミリくらいの白い小さな4弁花をつける。
花の後にできる実は角果(雌しべの中にある仕切りを残して左右の殻がはがれるもの)である。
属名の Draba はギリシャ語の「draba(辛い)」からきている。他の植物につけられた名が後に転用された。
種小名の oiana は発見者である「大井一男さんの」という意味である。
写真は4月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Draba oiana(syn. Draba kitadakensis)

★ひっそりと岩場の隙に咲くという
 白鳳薺そっと眺めて




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