タウンセンディア・フォルモサ 春の花 2014年07月08日 タウンセンディア・フォルモサはキク科タウンセンディア属の多年草である。タウンセンディア属は北アメリカに50種くらいが分布する。本種も北アメリカ(アリゾナ州、ニューメキシコ州)に分布し、乾燥した草地や礫地に生える。草丈は30~60センチくらいである。葉はへら形ないし倒披針形で、互い違いに生える(互生)。葉は細かい毛に被われている。開花時期は4~6月くらいである。茎先に1つずつ花径5センチくらいの大きな花(頭花)をつける。舌状花の色は白ないし淡い紫色で、筒状花は黄色い。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名の Townsendia は「タウンゼンド(Townsend)の」という意味だが、地名由来か人名由来か調べきれていない。種小名の formosa は「美しい」という意味である。写真は5月に北大植物園で撮った。学名:Townsendia formosa★花びらはカサカサとしているけれど 品よく咲くよ薄紫に花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
浜葫(ハマニンニク) 夏の花 2014年07月06日 浜葫(ハマニンニク)はイネ科エゾムギ属(エリムス属)の多年草である。エリムス属は世界に150種くらいが分布する。日本にも絶滅危惧種だが蝦夷麦(エゾムギ:Elymus sibiricus)などが分布するので、属名の和名をエゾムギ属という。本種は北海道から九州の北部にかけて分布し、海岸の砂地に生える。ただし、太平洋側は茨城県までである。海外では、中国東北部、東シベリア、北アメリカ北西部にも分布する。和名の由来は、葉の形が葫(ニンニク)に似ていることからきている。別名をテンキ草(テンキグサ)ともいう。「テンキ」はアイヌの人びとの言葉で、この葉で編んだ籠を意味する。草丈は50~100センチくらいである。根際から生える葉は線形で、平たく細長い。開花時期は6~7月である。茎先に円柱状の穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出す。花穂は初め緑色で、後に白っぽい褐色となる。属名の Elymus はギリシャ語の「elyo(卷く)」からきている。穀粒が内外の果穎に固く抱かれていることから名づけられた。種小名の mollis は「軟毛のある」という意味である。写真は6月に北大植物園で撮った。3枚目は9月につくば植物園で撮った。学名:Elymus mollis★ニンニクの由来はどこにあるのかと 訝りながら名札を見詰め 花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
爪紅アナナス(ツマベニアナナス) 夏の花 2014年07月05日 爪紅アナナス(ツマベニアナナス)はパイナップル科ネオレゲリア属の多年草である。ネオレゲリア属は南アメリカに70種くらい分布する着生種で、園芸品種もたくさんある。本種の原産地はブラジルである。和名の由来は、葉先が爪先のように丸くて紅色になることからきている。アナナスは、パイナップル科の植物で観賞価値のあるものの総称である。学名のネオレゲリア・スペクタビリスで表示するものもある。英名はフィンガーネイルプラント(fingernail plant)である。根際から生える葉は長さ30~40センチ、幅4~5センチの線形で輪生する。葉の表面は暗い緑色で茶色がかっており、葉先は紅色になる。葉の裏面は赤紫色で灰白色の横縞が入る。葉の質は革質で、縁には棘がある。開花時期は6~9月くらいである。花茎は伸びず、葉の中に花が咲く。葉のつけ根のほうが淡い紅紫色になり、葉筒の中に剣山のような赤い蕾がたくさんつく。花は淡い青紫色で小さい。属名の Neoregelia はギリシャ語の「neos(新しい)+Regelia(レゲリア属)」からきている。Regelia はロシアの植物学者レーゲル(Eduard August von Regel, 1815-1892)さんの名からきている。種小名の spectabilis は「素晴らしい」という意味である。写真は6月に川口市立グリーンセンターで撮った。学名:Neoregelia spectabilis★爪先にマニキュア塗っているような 葉が面白いピエロのようで花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
シルバータイム 夏の花 2014年07月04日 レモンタイム(lemon thyme)はシソ科イブキジャコウソウ属の多年草(半低木)である。原産地は地中海沿岸地方である。ブロードリーフタイム(Thymus pulegioides)と立麝香草(タチジャコウソウ:Thymus vulgaris)の交雑種である。シルバータイム(silver thyme)はその園芸品種である。草丈は30~50センチくらいである。木立性である。葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。特徴は葉に白い斑が入ることである。また、やわらかなレモンの香りがする。開花時期は6~8月である。茎先に淡い紅紫色の小さな花が集まってつく。花冠は唇形である。花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、4つのブロックからなる。花言葉は「行動力」である。属名の Thymus はギリシャ語の「thyein(香をくゆらす)」からきている。種小名の citriodorus には「レモンのような香りのする」という意味である。品種名の Argenteus は「銀白色の」という意味である。写真は7月に鬼押出しの花木園で撮った。学名:Thymus x citiriodorus 'Argenteus'★葉の色の白が目に染む可憐さに ふと近づけばシルバータイム花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
茅萱(チガヤ) 夏の花 2014年06月27日 茅萱(チガヤ)はイネ科チガヤ属の多年草である。北海道から沖縄にかけて分布し、河原や道端、荒れ地などに生える。海外では、アジア大陸やオーストラリア大陸などに広く分布する。草丈は30~80センチくらいである。茎は直立している。葉は幅広い線形でやや堅い。粽(ちまき)は昔この葉で巻いた。開花時期は5~6月である。艶のある銀白色の花穂を出す。これを茅花(ツバナ)と呼び、噛むと甘い味がする。「万葉集」にも登場する古くからの植物である。和名の由来には諸説があるが、茅も萱も屋根を葺くのに使われる草の総称である。根茎は生薬名を茅根(ぼうこん)といい、利尿薬として使われる。花言葉は「守護神」である。広義の茅萱(チガヤ)が国際自然保護連合(IUCN)によって「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されている。属名の Imperata はナポリの薬剤師「インペラタ(Ferrante Imperate, 1525?-1615?)さん」の名からきている。種小名の cylindrica は「円筒形の」という意味である。変種名の koenigii はドイツ人の植物学者「ケーニヒ(Johann Gerhard Koenig, 1728-1785)さんの」という意味である。写真は6月に小石川植物園で撮った。学名:Imperata cylindrica var. koenigii(広義:Imperata cylindrica)★緑葉の瑞々しさと穂の白さ コントラストよく茅萱は生えて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|