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白絹(シラギヌ)



白絹(シラギヌ)はバラ科サクラ属の落葉高木である。
サトザクラの仲間の1つである。
別名を松前白絹(マツマエシラギヌ)という。
1963年に北海道の松前町で浅利政俊(あさり・まさとし, 1931-)さんによって作出された。
糸括(イトククリ)と虎の尾(トラノオ)の実生(みしょう:接ぎ木ではなく苗から育てること)から選抜した品種である。
樹高は5メートルから10メートルである。
樹形は傘状である。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5月の上旬から中旬である。
葉の展開に先立って花を咲かせる。
花は淡い紅色をした八重咲きの大輪で、垂れ下がって咲く。
花弁数は12枚から18枚である。
花つきがよく、花の重さで枝がたわむこともあるという。
萼筒は鐘形、5枚の萼片は披針形(笹の葉のような形)である。
属名の Prunus はラテン語の「plum(スモモ)」からきている。
種小名の lannesiana はフランス人の園芸家「ランヌ(Lannes)さんの」という意味である。
写真は5月に北海道松前町の桜見本園で撮った。
学名:Prunus lannesiana 'Matsumae-shiraginu'

★垂れ下がる薄紅の花の美しさ
 際立たせたる紅の萼片




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ディオニシア・アレチオイデス



ディオニシア・アレチオイデスはサクラソウ科ディオニシア属の多年草である。
ディオニシア属は西アジアや中央アジアなどに40種くらいが分布する。
本種の原産地はイランで、北部にあるエルブルース山脈に分布し、標高3000メートルくらいの岩壁に生える。
草丈は10センチから15センチくらいである。
地を這うようにしてロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)に広がる。
根際から生える葉は肉厚で細長く、毛が生えていて灰白色を帯びる。
高山性の多肉植物である。
開花時期は3月から5月である。
花冠は鮮やかな黄色の筒状で、先が大きく5つに裂けて上向きに咲く。
花径は1センチに満たない。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Dionysia はギリシャ神話に登場する酒の神ディオニソス(Dionysus)の名からきている。
種小名の aretioides は「アレティア属(Aretia)に似た」という意味である。アレティア属はサクラソウ属やトチナイソウ属のシノニムである。
写真は3月に川口市立グリーンセンターの山野草展で撮った。
学名:Dionysia aretioides

★高温も多湿も嫌うこの花を
 育てる人の苦労を思い




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山瑠璃草(ヤマルリソウ)



山瑠璃草(ヤマルリソウ)はムラサキ科ルリソウ属(オンファロデス属)の多年草である。
オンファロデス属は北半球に数10種が分布する。
日本にも瑠璃草(ルリソウ)などが分布し、属名の和名はルリソウ属という。
本種は日本固有種である。
本州の福島県から九州にかけて分布し、山地の林の中や林の縁などに生える。
草丈は10~20センチくらいである。
茎は直立し枝分かれをしない。
茎や葉には短い毛が生えていてざらつく。
根際から生える葉はへら形でロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)となる。
茎につく葉は小さな楕円形で茎を抱き、互い違いに生える(互生)。
開花時期は4月から5月である。
花径は1センチくらいで、花の色は淡い青紫色である。
花の色は、蕾のときや咲き始めは赤みを帯びる。
花冠は5つに深く裂けて横に開く。
雄しべは5本、雌しべは1本である。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、4つのブロックからなる。
和名の由来は、山地に生え瑠璃色の花を咲かせることからきている。
花言葉は「私は考える」である。
属名の Omphalodes は、ギリシャ語の「omphalos(へそ)+eidos(の形をした)」からきている。果実の形から名づけられた。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
写真は3月に目黒にある国立科学博物館附属自然教育園で撮った。
学名:Omphalodes japonica

★うっすらと青紫に色染めて
 山瑠璃草の花は静かに




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渦桜(ウズザクラ)



渦桜(ウズザクラ)はバラ科サクラ属の落葉高木である。
サトザクラの仲間の1つである。
かつて桜の名所であった荒川堤由来の桜の1つである。
1916年に三好学(みよし・まなぶ, 1862-1939)さんによって発表された。
花弁には皺があって渦を巻くように見えるというのが名の由来である。
樹高は5メートルから10メートルである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁には重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)がある。
開花時期は4月の中旬から下旬である。
花は淡い紅色をした八重咲きの大輪で、垂れ下がって咲く。
花弁数は20枚から30枚である。
5枚の萼片は卵状の三角形で脈が目立ち、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
属名の Prunus はラテン語の「plum(スモモ)」からきている。
種小名の lannesiana はフランス人の園芸家「ランヌ(Lannes)さんの」という意味である。
園芸品種名の Spiralis は「螺旋状の」という意味である。
写真は4月に富山県中央植物園で撮った。
学名:Prunus lannesiana 'Spiralis'

★渦の名にどんな花かと目をやるが
 強い個性は感じ取れずに



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プリムラ・ロセア



プリムラ・ロセアはサクラソウ科サクラソウ属(プリムラ属)の多年草である。
種小名の読み方はロゼアとするものもある。
プリムラ属は北半球の温帯や寒帯に500種くらいが分布する。
また、多くの園芸品種が作出されている。
日本にも桜草(サクラソウ)などが分布するので、属名の和名をサクラソウ属という。
本種の原産地は中国やインド、アフガニスタンなどである。
ヒマラヤ地方の北西部に分布し、標高3000メートルから3500メートルくらいの湿原や沼地に生える。
草丈は10センチから25センチくらいである。
根際から生える葉は長い楕円形で、ロゼット状となる。
開花時期は3月から5月である。
茎先に散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、次々に花径2センチくらいの花を咲かせる。
花の色は濃い桃色で、花冠は5つに裂ける。
花の真ん中は黄色くなる。
薄紅小桜(ウスベニコザクラ)やヒマラヤ小桜(ヒマラヤコザクラ)などの流通名がある。
属名の Primula はラテン語の「primos(最初)」縮小形である。同属の黄花の九輪桜(キバナノクリンザクラ)が早春に他の花に先駆けて咲くことから名づけられた。
種小名の rosea は「バラ色の」という意味である。
写真は3月に川口市立グリーンセンターの山野草展で撮った。
学名:Primula rosea

★湿原を埋めるように咲くのかな
 薄紅小桜色あでやかに



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