ベルゲニア・リグラタ 春の花 2015年05月14日 ベルゲニア・リグラタはユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属(ベルゲニア属)の多年草である。ユキノシタ科はAPG分類体系で移行するものが多いが、この属はユキノシタ科のままである。ベルゲニア属は中国、ヒマラヤ、中央アジアなどに10種くらいが分布する。同属のベルゲニア・ストラケイ(Bergenia stracheyi)にヒマラヤ雪の下(ヒマラヤユキノシタ)の和名があり、属名の和名もヒマラヤユキノシタ属という。本種の原産地はヒマラヤで、カシミール地方やブータンなどに分布する。異名をベルゲニア・パクンビス(Bergenia pacumbis)という。草丈は15センチから30センチくらいである。根際から生える葉は円形ないし楕円形で、互い違いに生え(互生)てロゼット状となる。葉の質は厚くて艶がある。自生地での開花時期は5月から6月である。葉の間から花茎を伸ばして総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、小さな紅紫色や白の花をつける。花弁は5枚、雄しべは10本である。花茎はヒマラヤ雪の下(ヒマラヤユキノシタ)より短く、萼片に毛がないのが特徴である。そのため撮影地では毛なしヒマラヤ雪の下(ケナシヒマラヤユキノシタ)の名称を用いている。また、文献によっては和名をカガミユキノシタとするものもある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。インド大陸の伝統的医学であるアーユルヴェーダで薬用植物として多用され、止血、解熱、鎮咳などの薬効がある。また、花の色が美しいことから園芸品種の交配親として利用されている。属名の Bergenia はドイツ人の植物学者「ベルゲン(Karl August von Bergen, 1704-1759)さん」の名からきている。種小名の ligulata は「舌状の」という意味である。写真は5月に北大植物園で撮った。学名:Bergenia ligulata(syn. Bergenia pacumbis)★いろいろな名前があって迷いそう ヒマラヤ生まれは間違いないが花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
錦アカリファ(ニシキアカリファ) 観葉植物 2015年05月05日 錦アカリファ(ニシキアカリファ)はトウダイグサ科エノキグサ属(アカリファ属)の常緑低木である。アカリファ属は世界の熱帯・亜熱帯地方を中心に450種以上が分布する。日本にも榎草(エノキグサ)が分布し、属名の和名をエノキグサ属という。本種の原産地はフィジー諸島やニューブリテン島である。日本へは明治時代の末期に渡来した。紅紐の木(ベニヒモノキ)と同じ仲間だが、花は目立たず葉に観賞価値がある。英名はビーフステーキプラント(beefsteak plant)である。若い葉は全体に赤みが強く、特に葉脈の赤い様子がレアステーキを連想させるということで名づけられた。樹高は2メートルから3メートルくらいである。葉は幅の広いへら形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。葉はつやがって大きく波打ち、葉脈に沿って赤い斑が入る。開花時期は4月から6月である。葉の脇から尾状花序(単性の花が穂状につき、垂れ下がる)を出す。花には花弁はない。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Acalypha はギリシャ語の「acalephe(イラクサ)」からきている。種小名の wilkesiana はアメリカ海軍の士官で探検家だった「ウィルクス(Charles Wilkes, 1798-1877)さんの」という意味である。写真は6月に富山県中央植物園の温室で撮った。学名:Acalypha wilkesiana★ぎらぎらと輝く陽射し大好きな 南国育ちの錦アカリファ花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
巒大日陰躑躅(ランダイヒカゲツツジ) 春の花 2015年05月04日 巒大日陰躑躅(ランダイヒカゲツツジ)はツツジ科ツツジ属の常緑低木である。ツツジ属は世界に1000種以上が分布し、また多くの園芸品種がある。本種の原産地は台湾である。高雄山などの標高1700メートルから2200メートルの山地の林の中に生える。分類上は丸葉梅花躑躅(マルババイカツツジ)の変種とされている。中国名は長卵葉馬銀花である。馬銀花は丸葉梅花躑躅(マルババイカツツジ)の中国名で、長卵葉が変種の特徴を示している。「巒大」は台湾の地名からきている。ただし、本種を変種とはせず基本種に含める見解もある。樹高は1メートルから3メートルくらいである。葉は長い卵形で互い違いに生え(互生)、枝先に輪生状に集まる。葉の質は革質で先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。開花時期は4月から5月である。花径は4センチから6センチである。花冠は漏斗状で、先は5つに深く裂ける。花の色は白ないし淡い紅紫色で、上側の裂片には濃い紅紫色の斑が入る。雄しべは5本である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Rhododendron はギリシャ語の「rhodon(バラ)+dendron(樹木)」からきている。紅色の花をつける木という意味で名づけられた。種小名の ovatum は「卵円形の」という意味である。変種名の lamprophyllum は「艶のある葉の」という意味である。写真は4月に小石川植物園で撮った。学名:Rhododendron ovatum var. lamprophyllum★巒大の文字にどうにかたどりつき 一歩一歩と謎解きをする花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
丸葉梅花躑躅(マルババイカツツジ) 春の花 2015年05月03日 丸葉梅花躑躅(マルババイカツツジ)はツツジ科ツツジ属の常緑低木である。ツツジ属は世界に1000種以上が分布し、また多くの園芸品種がある。本種の原産地は台湾、中国で、標高1000メートルまでの林の中に生える。学名からロードデンドロン・オバツムの名で表示するものもある。樹高は1メートルから3メートルくらいである。葉は卵形で互い違いに生え(互生)、枝先に輪生状に集まる。葉の質は革質で、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。開花時期は4月から5月である。花径は4センチから6センチである。花冠は漏斗状で、先は5つに深く裂ける。花の色は白ないし淡い紅紫色で、上側の裂片には濃い紅紫色の斑が入る。雄しべは5本である。日本に分布する梅花躑躅(バイカツツジ)よりもずっと大輪である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Rhododendron はギリシャ語の「rhodon(バラ)+dendron(樹木)」からきている。紅色の花をつける木という意味で名づけられた。種小名の ovatum は「卵円形の」という意味である。写真は4月に小石川植物園で撮った。学名:Rhododendron ovatum★鮮やかな紫の斑が個性的 由来を聞けば大陸育ち花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
屋久島馬酔木(ヤクシマアセビ) 春の花 2015年05月02日 屋久島馬酔木(ヤクシマアセビ)はツツジ科アセビ属(ピエリス属)の常緑低木である。ピエリス属はアジアや北アメリカに数種とその変種が分布する。日本にも馬酔木(アセビ)などが分布し、属名の和名をアセビ属という。本種は馬酔木(アセビ)の地域固有変種である。鹿児島県の屋久島にのみ分布し、標高1000メートル以上の山地に生える。基本種に比べると矮性で、背丈が低い。また、基本種では花序が垂れ下がるが、本種は立ち上がる。樹高は1メートル程度である。葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、縁には浅いぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は4月から5月くらいである。枝先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、壺形の白い小さな花をにたくさんつける。花冠の先は浅く5つに裂ける。花の後にできる実は扁球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、上向きにつく。枝葉にアセボチンという有毒成分を含み、有毒植物である。属名の Pieris はギリシャ神話の詩の女神ミューズが住んでいたマケドニアの地名「ピエリス(Pieris)」 からきている。種小名の japonica は「日本の」という意味である。変種名の yakushimensis は「屋久島の」という意味である。写真は3月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。学名:Pieris japonica var. yakushimensis★大き目の白い花房立ち上げて 個性を示す屋久島馬酔木花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|