薩摩芋(サツマイモ) 商品作物 2015年11月22日 薩摩芋(サツマイモ)はヒルガオ科サツマイモ属(イポモエア属)の多年草である。日本では一年草として扱われる。イポモエア属は世界に500種以上が分布する。また、多くの園芸品種がある。本種が代表種で、属名の和名もサツマイモ属という。園芸的にはイポメア属の名が用いられることが多いが、これは属名を英語風に読んだものである。本種は別名を甘藷(カンショ)という。原産地は中央アメリカである。日本へは中国を経て17世紀末期にまず沖縄へと伝わり、18世紀に南九州へと伝わった。このため、これらの地域では唐芋(カライモ)と呼ばれる。薩摩芋(サツマイモ)の名は青木昆陽が薩摩から千葉へ伝えたことに由来しており、主として本州で使われる呼称である。食用のほか飼料用、でんぷん・アルコール原料などとして商品栽培されている。栽培品種がいくつかあり、茎が地上を這うものや直立するものがある。葉は卵状の三角形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、つけ根の部分は浅い心形で、長い柄がある。開花時期は8月から10月くらいである。短日植物(日照時間が短くなると花が咲く)なので、本州では花はあまり見られない。葉の脇から長い柄を出し、淡い紅紫色をした花を数個つける。花径は4センチくらいである。花冠は筒部が漏斗形で、先は浅く5つに裂けて横に開く。花の真ん中は濃い色になる。萼片は5枚である。雄しべは5本、雌しべは1本である。根は一部のものが塊根として肥大する。俳句では「薩摩芋の花」が夏の季語、「薩摩芋」が秋の季語である。花言葉は「乙女の純情」である。属名の Ipomoea はギリシャ語の「ips(芋虫)+homoios(似た)」からきている。物に絡みついて這い登る性質からから名づけられた。種小名の batatas は南アメリカの現地語で「イモ」を意味する。写真は11月につくば植物園で撮った。学名:Ipomoea batatas★花を見るチャンスはいつかあるのかな 昼顔に似た花のようだが花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
ピンク・バッシーノ 秋の花 2015年10月17日 ピンク・バッシーノ(Pink Bassino)はバラ科バラ属の落葉低木である。1995年にドイツのコルデス社(W. Kordes & Sons)によって作出された園芸品種で、四季咲きの小輪である。(薔薇図鑑参照)シュラブ系(Shrub rose:S)と呼ばれるものの1つである。細分してランドスケープローズ(Landscape Rose、修景バラ)に分類されることもある。園芸品種名の由来ははっきりしないが、1988年作出のバッシーノ(Bassino)という赤い花があり、そのピンクバージョンである。樹高は80センチから120センチくらいである。樹形は半横張り性である。横に広がり、地面を這うように成長する。開花時期は5月から11月である。一重咲きで、花の色は淡い桃色をしており真ん中は白い。花径は2センチから3センチくらいである。花には微香がある。属名の Rosa はケルト語の「rhodd(赤色)」からきている。写真は11月に京成バラ園で撮った。学名:Rosa 'Pink Bassino' ★小振りでもたくさんの花群がれば それは賑やか花の楽園花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
ケラトテカ・バイオレット 秋の花 2015年10月15日 ケラトテカ・トリロバはゴマ科ケラトテカ属の一年草である。ケラトテカ属は熱帯地方や南アフリカに5種くらいが分布する。属名の読み方は、園芸的には英語風にセラトテカとすることが多い。ケラトテカ・トリロバの原産地は南アフリカである。英名はワイルドフォックスグローブ(wild foxglove)という。フォックスグローブは狐の手袋(キツネノテブクロ)のことである。原種の花の色は白いが藤色のものもあり、園芸品種名をバイオレットという。草丈は120センチから150センチくらいである。葉は柔らかく、3つに深く裂ける。葉の縁には不規則なぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は7月から10月くらいである。茎先から総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、紫色をした筒状の花をつける。花は下から上へと咲き上る。花径は4センチくらいで先は5つに裂け、裂けた花冠の先の一方が舌状に長く伸びる。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、2つの角がある。属名の Ceratotheca はギリシア語の「ceras(角)+theke (ケース)」からきている。実の形から名づけられたものである。種小名の triloba は「3片の」という意味である。園芸品種名の Violet は「すみれ色の」という意味である。写真は9月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Ceratotheca triloba 'Violet' ★花の色少し変われば雰囲気も 違って見えるどこか高貴で花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
苧(カラムシ) 秋の花 2015年10月13日 苧(カラムシ)はイラクサ科カラムシ属(ボエメリア属)の多年草である。ボエメリア属は世界に50種くらいが分布する。日本にも本種などが分布し、属名の和名をカラムシ属という。本種は本州から沖縄にかけて分布し、道ばたや荒れ地に生える。また、国の重要無形文化財である「小千谷縮」や「越後上布」の原料として、福島県会津地方の昭和村で商品栽培されている。海外では、台湾、中国にも分布する。別名を草真麻(クサマオ)という。 草丈は100センチから150センチくらいである。茎には圧毛(茎や葉に密着して寝た毛)が生える。近縁種の南蛮苧(ナンバンカラムシ)の場合は長くて白い開出毛(立ち上がるようにつく毛)が生える。葉は幅の広い卵形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尾状に尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の裏面には綿毛がある。開花時期は8月から9月である。雌雄同株である。雌花は茎の上部の葉の脇に穂状となってつく。雄花は黄白色で、茎の下部の葉の脇につく。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。俳句の季語は夏である。属名の Boehmeria はドイツの植物学者「ボーマー(Georg Rudolf Boehmer, 1723-1803)さん」の名からきている。種小名の nivea は「雪のように白い」という意味である。変種名の concolor は「同色の」という意味である。品種名の nipononivea は「日本産で雪のように白い」という意味である。写真は9月に会津若松市の御薬園で撮った。学名:Boehmeria nivea var. concolor f. nipononivea★本体にやっと出合えた会津の地 ここで育つか越後縮緬花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
雌菜揉み(メナモミ) 秋の花 2015年10月08日 雌菜揉み(メナモミ)はキク科メナモミ属(シゲスベキア属)の一年草である。シゲスベキア属は世界の温帯や亜熱帯に10数種が分布する。日本にも本種などが分布し、属名の和名はメナモミ属という。本種は北海道から九州にかけて分布し、道端や空き地などに生える。海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。和名の由来は雄菜揉み(オナモミ)よりも小さく外見が優しいことからきている。「菜揉み」については、葉を揉んで傷口に塗ったからなどの説がある。雄菜揉み(オナモミ)と同様に古い時代に大陸から渡来した「史前帰化植物」と考えられている。草丈は60センチから120センチくらいである。茎は中空で直立し、毛がたくさん生える。葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。葉にも毛が生えており、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は9月から10月くらいである。茎の上部に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、黄色い花(頭花)をつける。花の後にできる実は長さ3ミリくらいのそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。ひっつき虫の1種で、動物などに付着して運ばれる。俳句の季語は秋である。属名の Sigesbeckia はロシア人の植物学者「シーゲスベック(John Georg Siegebeck, 1686-1755)さん」の名からきている。種小名の pubescens は「細い軟毛のある」という意味である。写真は9月に会津若松市の御薬園で撮った。学名:Sigesbeckia pubescens★きれいとはとても言えない毛むくじゃら だけどここにも命輝き花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|