大島野路菊(オオシマノジギク) 秋の花 2010年11月20日 大島野路菊(オオシマノジギク)はキク科キク属の多年草である。日本固有種である。鹿児島県の屋久島と奄美諸島に分布し、海岸に生える。環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に新たに登録されている。草丈は30センチから40センチくらいである。野路菊(ノジギク)よりも葉が厚いのが特徴で、葉は3つに中裂する。開花時期は10月から12月ころである。長い花柄の先に、花径3センチくらいの頭花をつける。舌状花は白く、筒状花は黄色い。写真は11月につくば植物園で撮った。学名:Chrysanthemum crassum(=Dendranthema crassum)★南国に咲く菊の花白くして 海の香りを運ぶがごとく今日の花ドットコム花図鑑PR
瑠璃茉莉(ルリマツリ) 秋の花 2010年11月19日 瑠璃茉莉(ルリマツリ)はイソマツ科ルリマツリ属の常緑小低木である。原産地は南アフリカ、オセアニアなどである。樹高は1メートルから2メートルくらいである。蔓性で細長い枝を伸ばす。葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は丸く、縁は波打つ。開花時期は5月から11月くらいである。枝先に穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、花径2センチくらいの淡い青色の花をたくさんつける。花冠は漏斗状で、先が5つに裂けて横に開く。和名の由来は、ジャスミンの一種の「茉莉花」に似た青い花をつけることからきている。属名のプルンバゴの名で出まわることもある。写真は11月に千葉市花の美術館で撮った。学名:Plumbago capensis★涼しげで人惹きつける瑠璃茉莉 真夏に咲いて晩秋までも今日の花ドットコム花図鑑
山茶花(サザンカ) 秋の花 2010年11月18日 山茶花(サザンカ)はツバキ科ツバキ属の常緑低木ないし高木である。本州の山口県、四国、九州、沖縄に分布し、山地の林の中や林の縁に生える。海外では、台湾や中国などにも分布する。また、江戸時代から多くの園芸品種が作出されている。江戸時代に長崎のオランダ商館に来ていたツンベルクさんがヨーロッパに持ち帰り、西欧でも広まった。樹高は2メートルから12メートルくらいである。若い枝には細かな毛が生える。葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。椿(ツバキ)の場合はぎざぎざ(鋸歯)はない。葉の質は革質で艶があり、表面は濃い緑色をしている。開花時期は10月から12月くらいである。枝先や葉の脇に花径5センチから7センチくらいの白い5弁花をつける。花は横に平らに開き、雄しべは椿(ツバキ)のように筒状にはならない園芸品種には、花の色が赤や桃色のもの、八重咲きをするものなどがある。花弁はばらばらに散る。花の後にできる実は球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。果実から採取した油は椿油と同様に用いられる。 和名の由来は、山茶花の読み「サンサカ」が訛ったものと言われている。俳句の季語は冬である。写真は11月につくば植物園で撮った。学名:Camellia sasanqua★山の上咲く山茶花はチャーミング 人恋しさに笑みも零れて☆君のため咲く山茶花は愛らしき 訪ねるもののたとえなくとも今日の花ドットコム花図鑑
足摺野路菊(アシズリノジギク) 秋の花 2010年11月17日 足摺野路菊(アシズリノジギク)はキク科キク属の多年草である。野路菊(ノジギク)の変種で、足摺岬から佐田岬にかけた海岸に分布する。「野路」という言葉で山を連想するが、生育する場所は海辺である。小浜菊(コハマギク)の西日本版と考えるといい。栽培菊の原種の1つである。草丈は60センチから90センチくらいである。葉や茎に白毛が密生するので、全体に白っぽく見える。唐草のような葉に特徴があり、本種は白い縁取りが明瞭である。葉は互い違いに生える(互生)。開花時期は10月から12月である。茎の上部で枝分かれをして、舌状花が白い花を1つずつつける。写真は11月につくば植物園で撮った。学名:Chrysanthemum japonense var. ashizuriense★断崖に白い花びらよく似合う 足摺野路菊風に抗い☆潮風に耐えるがごとく咲き競う 足摺野路菊白さを増して今日の花ドットコム花図鑑
延命楽(エンメイラク) 秋の花 2010年11月16日 延命楽(エンメイラク)はキク科キク属の多年草である。料理菊(リョウリギク)の1つで、流通名を「もってのほか」ともいう。山形県や新潟県などで生産されている。さっと茹でて酢醤油などで食べるほか、蒸して乾燥させた「菊のり」として保存される。開花時期は9月から11月くらいである。花の色は紅紫色である。写真は11月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。学名:Dendranthemum x grandiflorum cv.★面白い名前で記憶に刻まれた もってのほかに出合ううれしさ今日の花ドットコム花図鑑