房咲き水仙(フサザキスイセン) 冬の花 2010年12月28日 房咲き水仙(フサザキスイセン)はヒガンバナ科スイセン属の多年草である。原産地は地中海沿岸地方である。日本水仙(ニホンズイセン)の基本種である。唐の時代より前にシルクロードを経由して中国に伝わった。日本へは中国を経由して渡来し、暖地の海岸近くに野生化している。イギリス王立園芸協会の分類ではタゼッタ水仙(タゼッタスイセン)とされている。タゼッタ(tazetta)はイタリア語に由来し「小型のコーヒーカップ」を意味する。花の形を譬えたものである。草丈は20センチから40センチくらいである。根際から生える葉は平らな線形で、時計回りにねじれる。開花時期は12月から4月くらいである。茎先に白い花を房状につける。副花冠は小さな杯状で白い。日本水仙(ニホンズイセン)の場合、副花冠は黄色い。根茎等にリコリンを含み有毒である。 写真は1月に小石川植物園で撮った。学名:Narcissus tazetta★絹の道たどりはるばる東方へ 伝わりし花冬を彩り今日の花ドットコム花図鑑PR
蟻通し(アリドオシ) 果実・野菜 2010年12月27日 蟻通し(アリドオシ)はアカネ科アリドオシ属の常緑小低木である。本州の関東地方から沖縄にかけて分布し、山地の林の中に生える。海外では東アジアからインドにかけて分布する。別名を一両(イチリョウ)ともいう。樹高は30センチから60センチくらいである。葉の脇には細長い棘が生える。この棘が「蟻をも刺し通す」というのが和名の由来である。葉は楕円形で向かい合って生える(対生)。開花時期は4月から5月くらいである。葉の脇に白い小さな花を1、2輪ずつつける。花冠は長さ1センチくらいの筒状で、先が4つに裂ける。花の後にできる実は直径5ミリくらいの核果(水分を多く含み中に種が1つある)で、真っ赤に熟する。写真は12月に小石川植物園で撮った。花の写真は5月に日比谷公園の野草展(むさしの山草会)で撮った。学名:Damnacanthus indicus★小粒でも真っ赤に熟す実に加え 長い棘あり花も咲かそう今日の花ドットコム花図鑑
バンクシア・エリキフォリア 冬の花 2010年12月26日 バンクシア・エリキフォリアはヤマモガシ科バンクシア属の常緑小高木である。原産地はオーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州である。英名はヒースバンクシア(health banksia)という。樹高は3~7メートルくらいである。葉は線形である。葉の表面は暗い緑色、裏面は灰白色である。日本での開花時期は1月から2月である。原産地では周年開花をする。長い円筒形のブラシのような穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、橙色の花をつける。長く飛び出しているのは花柱(雌しべの一部で柱頭と子房とをつなぐ部分)である。花被片が4枚あり、それぞれに雄しべが1本ずつつく。花の後にできる実は木質の袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。松かさのようになり、種子は硬い殻の中にとどまって山火事を待つという。写真は12月につくば植物園で撮った。学名:Banksia ericifolia★不思議さは並みではないねバンクシア ブラシのような花に見とれて今日の花ドットコム花図鑑
冬青(ソヨゴ) 果実・野菜 2010年12月25日 冬青(ソヨゴ)はモチノキ科モチノキ属の常緑高木である。本州の東北地方南部から九州にかけて分布し、山地に生える。海外では、中国、台湾にも分布する。樹高は5メートルから10メートルくらいである。和名の由来は、堅い葉が風にそよいでソヨソヨと音を立てることからきている。葉の形は卵形で、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。葉の長さは4センチから8センチくらいで、縁は波打っている。雌雄異株である。開花時期は5月から6月である。雌花は、葉の脇から花柄を出し、1個の小さな白い花をつける。花びらは5、6枚である。中心に大きな雌しべがあり、周りに小さな雄しべがある。雄花は枝分かれした花柄に数個の白い花をつける。花びらは4、5枚で、4、5個の雄しべがある。実は1センチくらいの球形の核果(水分を多く含み中に種が1つある)で、橙色から赤く熟する。材は白く緻密で、器具材、床柱などに使われる。別名を「ふくらしば」という。これは革質の葉を熱すると音を立てて弾けることからきている。種小名の pedunculosa は「花柄のある」を意味する。写真は12月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。花の写真は6月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。学名:Ilex pedunculosa★そよぐ葉の下で静かに顔を出す 冬青(ソヨゴ)の花は内気に見えて今日の花ドットコム花図鑑
レモン 果実・野菜 2010年12月24日 レモン(lemon)はミカン科ミカン属の常緑低木である。原産地はインドのアッサム地方である。十字軍の遠征でヨーロッパに持ち帰られ、今では地中海沿岸地方が主産地となっている。コロンブスの航海にもビタミンCの供給源として持参されたという。日本へは明治時代に渡来した。樹高は1メートルから3メートルくらいである。葉の脇には棘がある。葉は長い楕円形ないし披針形で、互い違いに生える(互生)。葉は先が尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は5月から6月である。葉の脇に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、香りのよい白い5弁花を咲かせる。果期は10月から12月である。果実は長楕円形で両端がとがり、レモン色に熟す。古くから、飲料や香料に利用されてきた。漢字では「檸檬」と書く。写真は12月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。花の写真は4月に箱根強羅公園で撮った。学名:Citrus limon★ほんとはね寒さとっても苦手なの だけど我が儘言わないつもり今日の花ドットコム花図鑑