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月桃(ゲットウ)

月桃(ゲットウ)

月桃(ゲットウ)はショウガ科ハナミョウガ属の常緑多年草である。
九州の南部から沖縄にかけて分布する。
海外では、台湾、中国、インドなどにも分布する。
「月桃」の名は台湾での現地名である。
沖縄では「サンニン」という。
英名はシェルジンジャー(shell ginger)である。
草丈は1~3メートルくらいである。
葉は楕円状の披針形(笹の葉のような形)で、長さは40~70センチ、幅は5~10センチくらいである。
葉の先は鋭く尖り、縁には密に毛が生える。
葉の表面には艶がある。
葉は爽やかな香りを放ち、防虫・抗菌作用がある。
そのため、沖縄ではご飯を包む料理に葉を使う。
また、様々な加工品に利用されている。
開花時期は4~7月である。
花茎を伸ばして総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径2センチくらいの白ないし淡いピンクを帯びた花をつける。
花冠は3つに裂け、黄色い唇弁の真ん中には赤い筋が入る。
花の後にできる実はさく果(熟すと果皮が裂開する果実)で、熟すと赤くなり、褐色の毛を密生する。
属名の Alpinia はイタリアの植物学者「アルピーニ(P. Alpini)さん」の名からきている。
種小名の zerumbet の意味はまだ解明できていない。
写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Alpinia zerumbet


★美ら島の暮らしに深く根づきたる
 月桃の花季節迎えて


月桃(ゲットウ)

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大衝羽根空木(オオツクバネウツギ)

大衝羽根空木(オオツクバネウツギ)

大衝羽根空木(オオツクバネウツギ)はスイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉低木である。
日本固有種である。
本州の東北地方南部から九州にかけて分布し、山地に生える。
和名の由来は、衝羽根空木(ツクバネウツギ)よりも大きな花を咲かせることからきている。
別名を雌衝羽根空木(メツクバネウツギ)という。
樹高は1~2メートルである。
樹皮は灰褐色をしている。
葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は尖り、縁には不揃いなぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5~6月である。
花は長さ2~3センチの漏斗状で、先は唇形に裂ける。
花の色は白く、下の唇の内側に橙色の網状紋がある。
萼片は5枚で、そのうちの1枚が極端に小さい。
これが衝羽根空木(ツクバネウツギ)との区別点でもある。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Abelia はイギリス人の医師「アベル(C. Abel)さん」の名にちなむ。
種小名の tetrasepala は「萼片が4つある」という意味である。
写真は4月につくば植物園で撮った。
学名:Abelia tetrasepala


★アベリアの仲間で大きな花咲かす
 萼を比べて違い確かめ


大衝羽根空木(オオツクバネウツギ)

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アルカネット

アルカネット

アルカネット(alkanet)はムラサキ科ウシノシタグサ属の多年草である。
原産地はヨーロッパである。
日本へは明治時代の中期に渡来した。
属名のアンチューサの名でも流通している。
草丈は30~100センチくらいである。
葉は披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。
茎や葉には軟毛が生える。
葉には白い毛が生える。
開花時期は5~7月である。
茎先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、青紫色の花を密につける。
花冠の先は5つに深く裂けて横に開く。
萼片は5枚、雄しべは5本である。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、4つのブロックからなる。
根は染料の原料となる。
また、根を煎じたものには去痰、浄血などの薬効がある。
花や葉はサラダやポプリにする。
属名の Anchusa はギリシャ語の「anchusa(化粧原料)」からきている。この属の1種の根が化粧原料とされた。
種小名の officinalis は「薬用の」という意味である。
写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Anchusa officinalis


★柔らかな産毛たくさん生えている
 アルカネットは紫の花


アルカネット

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栃の木(トチノキ)

栃の木(トチノキ)

栃の木(トチノキ)はトチノキ科トチノキ属の落葉高木である。
漢字では「橡」とも書く。
北海道から九州にかけて分布し、低山の渓流に近い肥沃な地に生える。
海外では、中国にも分布する。
公園などにも植えられている。
樹高は15~20メートルくらいである。
葉は手のひら状の複葉で、向かい合って生える(対生)。
小葉は5~7枚くらいあり、形は楕円形である。
開花時期は5~6月である。
1~2センチの白い4弁花が鈴なりにつく。
花穂は上を向いていて大きいので、花の季節には遠くからでもわかる。
花の後にできる実は堅果(皮が堅く、種と接触せずに種を包んでいる果実)である。
花は蜜源となり、種子は渋をぬいてトチ餅やトチ団子にして食べる。
材は家具や器具に用いる。
俳句では「橡の花」が夏の季語、「橡の実」が秋の季語である。
属名の Aesculus はラテン語の「aescare(食う)」からきている。実を食用にしたり家畜の飼料にしたりすることから名づけられた。
種小名の turbinata は「倒円錐形の」という意味である。
写真は5月に神代植物公園で撮った。
実の写真は9月に富山県中央植物園で撮った。
学名:Aesculus turbinata


★すっと立つ橡の花びら天高く
 青空に映え風は涼しく


栃の木(トチノキ)
栃の木(トチノキ)

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えごの木(エゴノキ)ピンクチャイム

えごの木(エゴノキ)ピンクチャイム

えごの木(エゴノキ)はエゴノキ科エゴノキ属の落葉小高木である。
北海道から沖縄にかけて分布し、比較的水分のある谷沿いなどで良く成長する。
海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。
ピンクチャイム(Pink Chimes)はその園芸品種である。
特徴は桃色の花をつけることである。
流通名を紅花えごの木(ベニバナエゴノキ)という。
樹高は2~7メートルくらいになる。
葉は長さは4~8センチくらいの卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁には浅いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5~6月である。
花には長い柄があり、枝からぶら下がって咲く。
花冠は5つに深く裂け、花の色は桃色で、中心には10本の黄色い雄しべがある。
10月ころに灰白色をした卵球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)がなる。
属名の Styrax はギリシャ語の「storax(安息香)」からきている。この属の植物の樹脂から安息香(ベンゾイン)が採れることから名づけられた。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
写真は5月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
学名:Styrax japonica 'Pink Chimes'


★見上げれば頭上遥かに鈴なりに
 ピンクの花が俯き咲いて


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