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藤豆(フジマメ)

藤豆(フジマメ)

藤豆(フジマメ)はマメ科フジマメ属の蔓性一年草である。
インド、東南アジアあるいはアフリカとされている。
インドでは3000年前から栽培されていたという。
日本へは1654年に中国の高僧、隠元によってもたらされたとされている。
このため関西では藤豆(フジマメ)を隠元豆(インゲンマメ)と呼ぶことが多い。
草丈は50~600センチくらいである。
葉は3出複葉(1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形)で、互い違いに生える(互生)。
小葉の形は幅の広い卵形で、縁にはぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は7~10月である。
葉の脇に淡い紅紫色または白の蝶形花をつける。
花の後にできる実は豆果(莢の中に種子が入るもの)である。
莢(さや)は扁平で、長さが4~10センチくらいになる。
未熟果の莢(さや)を食用とするほか、種子を乾燥したものを生薬で白扁豆(はくへんず)といい、解毒剤や疲労回復薬として利用される。
属名の Lablab はアラビア語でヒルガオを意味する言葉が転用された。
種小名の purpureus は「紫色の」という意味である。
写真は10月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Lablab purpureus


★紫に染まる藤豆ぶらぶらと
 蝶を思わす花と戯れ


藤豆(フジマメ)

花図鑑
植物図鑑






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雄菜揉み(オナモミ)

雄菜揉み(オナモミ)

雄菜揉み(オナモミ)はキク科オナモミ属の一年草である。
日本各地に分布し、道端や空き地などに生える。
世界中に広く分布している。
日本へは古い時代に大陸から渡来した「史前帰化植物」と考えられている。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に新たに登録されている。
草丈は50~100センチくらいである。
葉は心臓形で、互い違いに生える(互生)。
葉は3つに浅く裂け、縁に不揃いの粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
雌雄同株である。
開花時期は8~10月くらいである。
茎先や葉の脇から円錐状の花序を出し、白っぽい黄緑色の花(頭花)をつける。
雄花は茎の上方につき、雌花は下方につく。
花の後にできる実は総苞に包まれた果苞で、周りに棘がある。
衣服や動物の毛に付着して散布される。
果実は生薬名を蒼耳子(そうじし)と言い、発汗、解熱、解毒などの薬効がある。
属名の Xanthium はギリシャ語の「xantho(黄色い)」からきている。
種小名の strumarium は「腫物で覆われた」という意味である。
写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Xanthium strumarium


★ぺったりとひっつく様が面白く
 遊び興じた日々思い出し
☆ふと見ればちゃっかりついて運ばされ
 ここでいいよと言わんばかりに


雄菜揉み(オナモミ)

花図鑑
植物図鑑






白玉星草(シラタマホシクサ)

白玉星草(シラタマホシクサ)

白玉星草(シラタマホシクサ)はホシクサ科ホシクサ属の一年草である。
日本固有種である。
静岡県、愛知県、三重県に分布し、日当たりのよい湿地に生える。
植物地理学的には周伊勢湾要素ないし東海丘陵要素の植物と呼ばれる。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は20~40センチくらいである。
根際から生える葉は線形で、先は針状に尖っている。
開花時期は8~10月である。
頭花は球形で、花径は1センチに満たない。
つけ根の部分がややへこみ、全体に白い短い毛が密生していて白い球のように見える。
白っぽく見えるのは雄花や雌花の一部である。
黒っぽく見えるのは雄しべの葯である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
和名の由来は、白い球のように見える花の姿からきている。
属名の Eriocaulon はギリシャ語の「erion(軟毛)+caulos(茎)」からきている。基準となった種の花茎のつけ根の部分に軟毛があったことから名づけられた。
種小名の nudicuspe は「凸頭が裸の」という意味である。
写真は9月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Eriocaulon nudicuspe


★小さくてとても可愛い花つけて
 白玉星草花火のように


白玉星草(シラタマホシクサ)

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白花秋丁字(シロバナアキチョウジ)

白花秋丁字(シロバナアキチョウジ)

秋丁字(アキチョウジ)はシソ科ヤマハッカ属の多年草である。
本州の岐阜県から九州にかけて分布し、山野の木陰に生える。
草丈は40~90センチくらいである。
葉は幅の狭い卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉には柄があり、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は8~10月である。
茎の先や葉の脇から花穂を出し、小さくて胴長の筒形をした花を横向きにつける。
色の基本は青紫色だが、稀に白花も見られる。
これを白花秋丁字(シロバナアキチョウジ)ないし白花の秋丁字(シロバナノアキチョウジ)と呼んでいる。
花の先は上下に開いた唇形である。
花の中には雄しべ4本と花柱(雌しべ)1本がある。
萼は先が5つに裂けている。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。
和名の由来は、秋に丁字形の花をつけることからきている。
属名の Plectranthus はギリシャ語の「plectron(距)+anthos(花)」からきている。距のある花の形から名づけられた。
種小名の longituba は「長い管の」という意味である。
品種名の albiflora は「白い花の」という意味である。
写真は10月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Plectranthus longituba f. albiflora


★白花が清楚に咲いて秋丁字
 大葉に映えて風にゆらゆら


白花秋丁字(シロバナアキチョウジ)


権萃(ゴンズイ)

権萃(ゴンズイ)

権萃(ゴンズイ)はミツバウツギ科ゴンズイ属の落葉小高木である。
本州の関東地方から沖縄にかけて分布し、山地に生える。
海外では、朝鮮半島、台湾、中国などにも分布する。
樹高は3~6メートルくらいである。
材は柔らかく、折れやすい。
樹皮は黒緑色で、不規則に縦に割れる。
葉は長さ10~30センチくらいの奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、向かい合って生える(対生)。
小葉は長さ4~9センチの狭い卵形で、縁に細かいぎざぎざ(鋸歯)があり、先は鋭く尖る。
質はやや厚くて堅く、艶がある。
開花時期は5~6月である。
枝先に円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、淡い黄緑色の小さな花をたくさんつける。
花弁は5枚、萼片も5枚である。
雄しべは5本、雌しべは1本である。
花の後にできる実は半月状のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
秋に赤く熟して裂けると、光沢のある黒い種子が現れる。
和名の由来については、海水魚の権瑞(ゴンズイ)同様「役に立たない」という意味だという説や、「権現杖」の訛ったものだという説などがあるという。
属名の Euscaphis はギリシャ語の「eu(良)+scaphis(小舟)」からきている。さく果が赤く色づき美しいことから名づけられた。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
花の写真は5月に小石川植物園で撮った。
実の写真は11月につくば植物園で撮った。
学名:Euscaphis japonica


★脆くてもいいとこあるさ権萃は
 面白い実は自然の不思議


権萃(ゴンズイ)

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