権萃(ゴンズイ) 果実・野菜 2011年10月16日 権萃(ゴンズイ)はミツバウツギ科ゴンズイ属の落葉小高木である。本州の関東地方から沖縄にかけて分布し、山地に生える。海外では、朝鮮半島、台湾、中国などにも分布する。樹高は3~6メートルくらいである。材は柔らかく、折れやすい。樹皮は黒緑色で、不規則に縦に割れる。葉は長さ10~30センチくらいの奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、向かい合って生える(対生)。小葉は長さ4~9センチの狭い卵形で、縁に細かいぎざぎざ(鋸歯)があり、先は鋭く尖る。質はやや厚くて堅く、艶がある。開花時期は5~6月である。枝先に円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、淡い黄緑色の小さな花をたくさんつける。花弁は5枚、萼片も5枚である。雄しべは5本、雌しべは1本である。花の後にできる実は半月状のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。秋に赤く熟して裂けると、光沢のある黒い種子が現れる。和名の由来については、海水魚の権瑞(ゴンズイ)同様「役に立たない」という意味だという説や、「権現杖」の訛ったものだという説などがあるという。属名の Euscaphis はギリシャ語の「eu(良)+scaphis(小舟)」からきている。さく果が赤く色づき美しいことから名づけられた。種小名の japonica は「日本の」という意味である。花の写真は5月に小石川植物園で撮った。実の写真は11月につくば植物園で撮った。学名:Euscaphis japonica★脆くてもいいとこあるさ権萃は 面白い実は自然の不思議花図鑑植物図鑑PR