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海菜(ワダン)

海菜(ワダン)

海菜(ワダン)はキク科アゼトウナ属の越年草である。
日本固有種である。
千葉県から静岡県にかけてと伊豆諸島に分布し、海岸の崖や礫地に生える。
和名の由来であるが、「わた」は海の古語で、「わた」+「菜」=「ワタナ」の転訛したものとの説がある。
草丈は30~60センチくらいである。
根は太くて長い。
葉は円形ないしへら形で分厚く、根際から密生する。
茎や葉を切ると白い乳液が出る。
開花時期は7~11月である。
花茎が放射状に出て斜上し、茎先に黄色い花(頭花)がたくさんつく。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Crepidiastrum はギリシャ語の「Crepis(フタマタタンポポ属)+astrum(似た)」からきている。
種小名の platyphyllum は「広い葉の」という意味である。
写真は11月につくば植物園で撮った。
学名:Crepidiastrum platyphyllum


★岩肌にへばりつき咲く黄の花は
 海との縁をその名に刻み


海菜(ワダン)

花図鑑
植物図鑑






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藪山査子(ヤブサンザシ)

藪山査子(ヤブサンザシ)

藪山査子(ヤブサンザシ)はユキノシタ科スグリ属の落葉低木である。
分類体系によってはスグリ科とされる。
本州から九州にかけて分布し、林の縁や明るい林の中などに生える。
海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。
和名の由来は、実が山査子(サンザシ)に似ていて藪に生えることからきている。
樹高は1メートルくらいである。
樹皮は紫褐色で、縦に裂けて薄く剥がれる。
葉は単葉で互い違いに生え(互生)、広めの卵形で3つから5つに裂ける。
開花時期は4~5月である。
雌雄異株である。
葉脈に数個ずつ目立たない黄色の花をつける。
5つの花弁に見えるものは萼で、萼は反り返る。
結実期は10~11月である。
雌株に球形の小さな球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)がなり、赤く熟す。
食用にはならない。
別名を黄鵯上戸(キヒヨドリジョウゴ)ともいう。
属名の Ribes はデンマーク語の「ribs(赤い色のスグリ)」からきている。
種小名の fasciculatum は「束になった」という意味である。
写真は10月に小石川植物園で撮った。
学名:Ribes fasciculatum


★赤い実をつける日のんびり待ちながら
 鳥はいつ来る藪山査子に


藪山査子(ヤブサンザシ)

花図鑑
植物図鑑






岩杜鵑草(イワホトトギス)

岩杜鵑草(イワホトトギス)

岩杜鵑草(イワホトトギス)はユリ科ホトトギス属の多年草である。
長野県の固有種で、渓流沿いに垂れ下がって咲く。
長野県のRDBで絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。
分類上は杜鵑草(ホトトギス)の変種とされている。
草丈は40センチから100センチくらいである。
葉は細長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はなく、つけ根は茎を抱く。
開花時期は9月から10月である。
葉の脇に白地に紫の斑点がある花を1輪から3輪上向きにつける。
花びら(花被片)は6枚で、斜め上に向かって開く。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Tricyrtis はギリシャ語の「treis(3)+cyrtos(曲)」からきている。3枚の外花被のつけ根の部分が袋状に曲がっていることから名づけられた。
種小名の hirta は「短い剛毛のある」という意味である。
変種名の saxicola は「岩の間に生える」という意味である。
写真は10月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。
学名:Tricyrtis hirta var. saxicola


★謎多き花の姿に触れてみて
 あれやこれやと思いめぐらし


岩杜鵑草(イワホトトギス)

花図鑑
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浜辣韮(ハマラッキョウ)

浜辣韮(ハマラッキョウ)

浜辣韮(ハマラッキョウ)はユリ科ネギ属の多年草である。
分類体系によってはネギ科とされる。
発見された時期が新しいようで分布域などはっきりしないが、海浜の草地などに生える。
三浦半島、伊豆半島のほか壱岐諸島などにも分布するようである。
草丈は30~50センチくらいである。
根際から生える葉は線形である。
葉の断面は平たい。
開花時期は10~12月くらいである。
茎先に紅紫色の花を球状にたくさんつける。
花被片は6枚あり、半開状となる。
6本の雄しべと1本の雌しべが花冠から突き出す。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Allium はニンニクの古いラテン名である。
種小名の litorale は「海浜に生える」という意味である。
写真は12月につくば植物園で撮った。
学名:Allium litorale


★また一つめずらしい花咲いていた
 師走と言えどここは花園


浜辣韮(ハマラッキョウ)

花図鑑
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顎無(アギナシ)

顎無(アギナシ)

顎無(アギナシ)はオモダカ科オモダカ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、沼地や湿原などに生える。
海外では、朝鮮半島にも分布する。
環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。
草丈は40~80センチくらいである。
若葉は細い楕円形であるが、成長すると葉の下側が2つに分かれ、やじり形となる。
この若葉の形状を「顎無し」と見立てたのが名の由来である。
葉は根際から生え、長い柄がある。
葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は7~10月である。
雌雄同株である。
茎先に円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、雄花をつける。
雌花は茎の下部につく。
いずれも白い3弁花で、萼片も3枚である。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)の集合果である。
近縁種の沢瀉(オモダカ)と似るが、顎無(アギナシ)は花を葉よりも高い位置につけることや球芽(むかご)のあることなどで見分ける。
属名の Sagittaria はラテン語の「sagitta(矢)」からきている。矢形をした葉の様子から名づけられた。
種小名の aginashi は日本語の「アギナシ」のことである。
写真は7月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Sagittaria aginashi


★名の由来聞けば何やら面白い
 顎無の花風にゆらゆら


顎無(アギナシ)

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