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顎無(アギナシ)

顎無(アギナシ)

顎無(アギナシ)はオモダカ科オモダカ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、沼地や湿原などに生える。
海外では、朝鮮半島にも分布する。
環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。
草丈は40~80センチくらいである。
若葉は細い楕円形であるが、成長すると葉の下側が2つに分かれ、やじり形となる。
この若葉の形状を「顎無し」と見立てたのが名の由来である。
葉は根際から生え、長い柄がある。
葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は7~10月である。
雌雄同株である。
茎先に円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、雄花をつける。
雌花は茎の下部につく。
いずれも白い3弁花で、萼片も3枚である。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)の集合果である。
近縁種の沢瀉(オモダカ)と似るが、顎無(アギナシ)は花を葉よりも高い位置につけることや球芽(むかご)のあることなどで見分ける。
属名の Sagittaria はラテン語の「sagitta(矢)」からきている。矢形をした葉の様子から名づけられた。
種小名の aginashi は日本語の「アギナシ」のことである。
写真は7月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Sagittaria aginashi


★名の由来聞けば何やら面白い
 顎無の花風にゆらゆら


顎無(アギナシ)

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