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オステオスペルムム



オステオスペルムムはキク科オステオスペルムム属の多年草の総称である。
原産地はアラビア半島から南アフリカである。
この属はかつてはディモルホセカとして流通していたが、最近は区別をしている。
英名はアフリカンデージー(african daisy)である。
草丈は30~50センチくらいである。
葉はへら状で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は4~5月である。
花径は5センチくらいある。
花の色は豊富で、紫色、桃色、橙色、黄色、白、青などのものがある。
花は昼間しか開かず、天気の悪い日や夜には閉じてしまう。
属名の Osteospermum はギリシャ語の「osteon(骨)+sperma(種子)」からきている。果実の様子を表したものである。
写真は3月に京都府立植物園で撮った。
上はパッションミックス(Passion Mixed)、下はアスティーパープル(Asti Purple)という園芸品種である。
学名:Osteospermum cv.


★雨の日は苦手なんだと花閉じる
 オステオスペルマム晴れたらいいね




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高嶺海老根(タカネエビネ)



高嶺海老根(タカネエビネ)はラン科エビネ属の多年草である。
本州の紀伊半島から九州にかけて分布し、山地の林の中に生える。
海老根(エビネ)と黄海老根(キエビネ)の自然交雑種と考えられている。
草丈は30~50センチくらいである。
根際から生える葉は長い楕円形で、2~3枚がつく。
葉脈は平行脈で、葉の先は尖る。
開花時期は4~5月である。
花茎に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出してたくさんの花をつけ、下のほうから咲いていく。
1つの花の花径は2~3センチである。
萼片は3枚で、上萼片1枚と側萼片2枚からなる。
側花弁は2枚あり、下部に唇弁が伸びる。
唇弁は3つに裂ける。
真ん中の裂片の先は更に2つに裂けるものと裂けないものがある。
裂けないのは黄海老根(キエビネ)の特徴である。
唇弁のつけ根には距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)がある。
花の色や花の形には変化が多い。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Calanthe はギリシャ語の「calos(美)+anthos(花)」からきている。
種小名の discolor は「異なった色の」という意味である。
変種名の bicolor は「2色の」という意味である。
写真は4月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Calanthe discolor var. bicolor


★個体ごと色に変化をつけて咲く
 高嶺海老根は神秘に満ちて




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海老根(エビネ)



海老根(エビネ)はラン科エビネ属の多年草である。
北海道から沖縄にかけて分布し、低山の林の中や林の縁などに生える。
海外では、朝鮮半島の南部や中国にも分布する。
味わいのある花なので山草愛好家のターゲットとなり、採取によって減少している。
環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。
和名の由来は、茎と根の様子を海老に見立てたものである。
草丈は30~50センチくらいである。
葉は常緑で長さ20センチ、幅5センチくらいあり、縮れている。
葉の数は3~4枚で、地際から生える。
開花時期は4~5月である。
花の色は茶褐色、緑褐色、緑白色など変異が多い。
花は花弁3枚と萼片3枚からなる。
花弁のうち真ん中にあるものを唇弁という。
唇弁は淡い紅色を帯びることが多い。
唇弁は3つに裂け、真ん中の裂片はさらに2つに裂ける。
唇弁の中央からつけ根の部分にかけて3本の隆起した線が入る。
花の後ろのほうに短い距があり、中に蜜が入っている。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
別名を地海老根(ジエビネ)ともいう。
原種にはこのほか、黄海老根(キエビネ)、霧島海老根(キリシマエビネ)などがある。
そのほか、さまざまな自然交雑種があり、さらに園芸品種の数も多い。
俳句の季語は春である。
属名の Calanthe はギリシャ語の「calos(美)+anthos(花)」からきている。
種小名の discolor は「2色の」という意味である。
写真は5月に市川市万葉植物園で撮った。
学名:Calanthe discolor


★ひょっこりと顔出す海老根不思議花
 自分の色をまさぐりて咲く




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東白糸草(アズマシライトソウ)



東白糸草(アズマシライトソウ)はユリ科シライトソウ属の多年草である。
分類体系によってはシュロソウ科とされる。
日本固有種である。
本州の関東地方に分布し、山地の林の中に生える。
分類上は、白糸草(シライトソウ)の変種とされている。
形態的には、上方の花被片が短い、葉の柄が長いなどの特徴がある。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は30センチから35センチくらいである。
根際から生える葉は長い楕円形で先が尖り、ロゼット状となる。
茎につく葉は披針形である。
開花時期は5月から6月である。
花茎を立てて、白い小さな花をブラシ状につける。
花被片6枚のうち上の4枚は極端に短く4ミリ以下で、下の2枚は退化している。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Chionographis はギリシャ語の「chion(雪)+graphe(筆)」からきている。白い小さな花をたくさんつけた様子を筆にたとえて名づけられた。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
変種名の hisauchiana は東邦大学教授で植物学者であった「久内清孝さんの」という意味である。
写真は5月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。
学名:Chionographis japonica var. hisauchiana


★どこでこう変わったのかな白糸草
 ブラシ短く関東に咲く




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油躑躅(アブラツツジ)



油躑躅(アブラツツジ)はツツジ科ドウダンツツジ属の落葉低木である。
日本固有種である。
本州の東北地方南部から中部地方にかけて分布し、山地に生える。
樹高は1~3メートルくらいである。
樹皮は灰色で滑らかである。
葉は倒卵形で、枝先に集まって互い違いに生える(互生)。
葉の表面の脈上には毛が生え、裏面には艶がある。
和名の由来は、葉の裏が滑らかで油を塗ったようだということからきている。
開花時期は5~6月くらいである。
枝先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を垂れ下げ、壺形をした小さな緑白色の花を吊り下げる。
花冠は長さ5ミリくらいの壷形で、先は浅く5つに裂けて反り返る。
花の後にできる実は球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、垂れ下がって5つに裂ける。
属名の Enkianthus はギリシャ語の「enkyos(妊娠する)+anthos(花)」からきている。膨らんだ花の形からつけられた名である。
種小名の subsessilis は「無柄に近い」という意味である。
写真は5月に神代植物公園で撮った。
学名:Enkianthus subsessilis


★少しだけ花序の姿が違ってる
 油躑躅は花数多く




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