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海老根(エビネ)



海老根(エビネ)はラン科エビネ属の多年草である。
北海道から沖縄にかけて分布し、低山の林の中や林の縁などに生える。
海外では、朝鮮半島の南部や中国にも分布する。
味わいのある花なので山草愛好家のターゲットとなり、採取によって減少している。
環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。
和名の由来は、茎と根の様子を海老に見立てたものである。
草丈は30~50センチくらいである。
葉は常緑で長さ20センチ、幅5センチくらいあり、縮れている。
葉の数は3~4枚で、地際から生える。
開花時期は4~5月である。
花の色は茶褐色、緑褐色、緑白色など変異が多い。
花は花弁3枚と萼片3枚からなる。
花弁のうち真ん中にあるものを唇弁という。
唇弁は淡い紅色を帯びることが多い。
唇弁は3つに裂け、真ん中の裂片はさらに2つに裂ける。
唇弁の中央からつけ根の部分にかけて3本の隆起した線が入る。
花の後ろのほうに短い距があり、中に蜜が入っている。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
別名を地海老根(ジエビネ)ともいう。
原種にはこのほか、黄海老根(キエビネ)、霧島海老根(キリシマエビネ)などがある。
そのほか、さまざまな自然交雑種があり、さらに園芸品種の数も多い。
俳句の季語は春である。
属名の Calanthe はギリシャ語の「calos(美)+anthos(花)」からきている。
種小名の discolor は「2色の」という意味である。
写真は5月に市川市万葉植物園で撮った。
学名:Calanthe discolor


★ひょっこりと顔出す海老根不思議花
 自分の色をまさぐりて咲く




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