薊芥子(アザミゲシ) 夏の花 2012年07月01日 薊芥子(アザミゲシ)はケシ科アザミゲシ属の一年草である。原産地はメキシコで、乾燥地帯に生える。日本へは江戸時代の末期に渡来した。現在では、一部で野生化している。花が芥子(ケシ)に似ていて、棘のある葉が薊(アザミ)に似ているところからこの名がつけられた。草丈は30~60センチくらいである。葉は長い卵形で羽状に裂け、互い違いに生える(互生)。葉には白い脈があり、縁には鋭い棘がある。茎や葉を傷つけると有毒の黄色い汁を出す。開花時期は6~8月である。茎先に花径4~7センチくらいの黄色い花を数輪つける。花弁数は4~6枚である。雄しべはたくさんあり、雌しべは1本である。花の後にできる実は楕円形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Argemone はギリシャ語の「argemon(白内障)」からきている。汁液がこの病気に効くことから名づけられた。 種小名の mexicana は「メキシコ産の」という意味である。写真は7月に小石川植物園で撮った。学名:Argemone mexicana★妖艶の血をひきたるか薊芥子 鋭い棘の訳知りたくて☆透き通る花びら揺れて薊芥子 毒も薬もその内に秘め花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
蔓小桜(ツルコザクラ) 夏の花 2012年06月23日 蔓小桜(ツルコザクラ)はナデシコ科サボンソウ属の多年草である。原産地はヨーロッパである。アルプス山脈の標高2300メートルまでの地帯に分布し、岩礫地に生える。学名のサポナリア・オキモイデスで表示するところもある。英名はロックソープワート(rock soapwort)である。ワートというのは草のことで、他の単語と合成して用いられることが多い。ソープワートはサボン草(サボンソウ)のことである。全草にサポニンを含み、石鹸がわりに使われる。草丈は10~20センチくらいである。よく枝分かれをし、匍匐して広がる。葉は細長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。開花時期は5~7月である。花径1センチくらいの桃色の5弁花を株いっぱいに咲かせる。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Saponaria はラテン語の「sapo(石鹸)」からきている。粘液質の汁が水に溶けると泡が出ることから名づけられた。種小名の ocymoides は「メボウキ属(Ocimum)に似た」という意味である。写真は5月に六甲高山植物園の野草展で撮った。学名:Saponaria ocymoides★岩肌を這って縄張り広げ咲く 蔓小桜の花は桃色花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
イソトマ 夏の花 2012年06月22日 イソトマ(Isotoma)はキキョウ科ラウレンティア属(イソトマ属)の多年草である。属名でも流通している。属名の読み方は「ローレンティア」とする場合もある。かつてはイソトマ属に分類されていたため、イソトマの名で流通している。園芸的には一年草として扱われる。原産地はオーストラリアである。乾燥した暖かい気候を好む。草丈は20センチから30センチくらいである。葉は細かく切れ込み、互い違いに生える(互生)。開花時期は5月から11月くらいである。花径3センチくらいの白、ピンク、青などの花をつける。花冠は筒状で、星形に深く5つに裂ける。夏の暑さにも強く、長く咲き続ける。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。茎や葉を傷つけると出る白い液は、皮膚につくと炎症を起こすことがあるので注意が必要である。種小名の hybrida は「交配種の」という意味である。写真はアバンギャルドブルー(Avant-garde Blue)とアバンギャルドピンク(Avant-garde Pink)という品種である。写真は3月に京都府立植物園で撮った。学名:Laurentia x hybrida★ほんとはね雨はあんまり好きでない だけど咲きたいあなたのために☆元気よく雨の中でも咲いている 生まれ故郷を懐かしみつつ花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
深山木天蓼(ミヤママタタビ) 夏の花 2012年06月21日 深山木天蓼(ミヤママタタビ)はマタタビ科マタタビ属の落葉蔓性木本である。北方領土を含む北海道から本州の中部地方にかけて分布し、山地でほかの木に絡みついて伸びる。海外では、朝鮮半島、中国、サハリン、東シベリアにも分布している。蔓の長さは2~5メートルくらいである。木天蓼(マタタビ)と似ているが、卵形ないし楕円形の葉の根元が心形をしており、開花時期には葉の先が白からピンク色になるところが異なる。枝も赤みを帯びている。葉には長い柄があり、互い違いに生える。開花時期は5~6月である。花径15ミリくらいの白い小さな花をつける。花びらは5枚である。まれに4枚のものもある。花の後にできる実は長い楕円形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、長さは15~20ミリくらいである。10月ころ黄緑色に熟する。未熟な実は果実酒とされ、完熟した実は生食ができる。また、若い芽や茎は山菜として利用される。蔓は編み物の材料となる。和名の由来は、「疲れた旅人がこの実を食べたところ、また旅が続けられた」というところからきている。属名の Actinidia はギリシャ語の「aktis(放射線)」からきている。柱頭が放射状に並ぶことから名づけられた。種小名の kolomikta はシベリアでの現地名が語源である。写真は6月に北大植物園で撮った。学名:Actinidia kolomikta★くらくらと眩暈するほど濃い香り 存在感ある深山木天蓼花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
定家葛(テイカカズラ) 夏の花 2012年06月20日 定家葛(テイカカズラ)はキョウチクトウ科テイカカズラ属の蔓性常緑低木である。本州から沖縄にかけて分布し、山野の樹木や岩に絡みついて生える。また、庭木ともされる。海外では、朝鮮半島、中国などにも分布する。蔓の長さは5~10メートルくらいになる。葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。葉の質は分厚く艶がある。開花時期は5~9月である。花の色は最初は純白で、終わりに近づくと黄色くなる。スクリューのような形をしている合弁花で、5つに裂けている。花のつけ根の筒には雄しべ5本と雌しべが入っている。花の後にできる実は弓形をしたさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。実の中から白い毛のついた種子が出てくる。茎や葉は薬用にされ、鎮痛・強壮などの効果がある。なお、名は藤原定家にちなんでいる。また、古名を真拆の葛(マサキノカズラ)という。天岩戸の神話にちなむ名だという。属名の Trachelospermum はギリシャ語の「trachelos(首)+sperma(種子)」からきている。種子がくびれていることから名づけられた。種小名の asiaticum は「アジアの」という意味である。写真は7月につくば植物園で撮った。学名:Trachelospermum asiaticum★絡みつく塀一面に咲く花は 天をめざすかプロペラ回し花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|